「重陽の節句」。昔話「釜蓋峠の怪奇談」 (続 つくで百話)
今日9月9日は,五節句の一つ「重陽の節句」です。旧暦では菊が咲く時期であり“菊の節句”とも呼ばれます。五節句の一つですが,すべて分かりますか。
太平洋高気圧の勢力が衰えておらず“季節が遅い天候”となっているようですが,季節は秋です。
暦による“昔の習慣”を生活に取り入れたり,ゆっくり歩いて周囲の木々や草むらを眺めたりして,“季節の変化”を愉しみませんか。
『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「昔話」の項からです。
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昔話「釜蓋峠の怪奇談」 峯田亘通
相月と赤羽根の間に聳えている釜蓋山には,北赤羽根と南赤羽根へ降りる二つの道路が並んでおります。一つ峠に,二つの道路が接近してついているのは珍しいケースです。道路のとこは,掘り下げて低くなっているので,その間の山の頂きは幾分高くなっているので,遥か南方の雁峯峠から,釜蓋峠を眺めると,釜の蓋のような格好をしているから,釜蓋峠の名称が生まれたものといわれております。この峠は,相月からも,赤羽根からも一キロメートルくらい離れていて,淋しいところですが,昔は,上作手と新城をつなぐ重要道路として,人馬の往来で賑わしかったともきいております。
昔,昔,この釜蓋峠で非業の横死を遂げた商人がありました。この商人の怨霊が,相月の某家へたたって,その家の土間を,大釜の蓋が,物凄い唸り声をたてて,転がり回ったという気味悪い話が,語り伝えられております。
また,ある人が,雨模様の暗夜に南赤羽根の方から,登って峠近くきた時に,パット明るくなったように思われたので,顔をあげると大入道坊主が立っていたので,びっくりして腰を抜かしたという話も残っております。
この峠の北側の大羅畑から大野原へかけては,野狐が沢山すんでおりましたので,生臭い魚類や油揚,ローソクなどを,狐にとられたという人が,次ぎつぎに現われました。また,雨降りの夜に蛇の目傘をさした美人と道づれになって,ゾグゾグしたという村人もありました。
昼間,ここを通れば,何の変哲もない峠道ですが,遠い昔は,怪奇な話題をかかえた物騒な釜蓋峠でありました。
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【マイナポイント】
9月1日からマイナポイント制度が始まりました。総務省の予算は,4000万人の応募を見込んだものだそうですが,8月末の申し込みは1割強(467万人)に留まっていたようです。
あなたは,利用して(申込んで)いますか。
◇マイナポイント事業(総務省)
9月になって利用しました。
10,000円のチャージをすると25%の還元があり,その場での支払いに12,500円が利用できました。以前の「キャッシュレス消費者還元事業」とは,“けた違い”な印象でした。