集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『小説「安楽死特区」』(長尾和宏・著)

水芭蕉園0402。 天気のよい日が続いていますが、今日は曇り空で午後には小雨の降る天候になりました。  今日、他から頼まれた“初めてのこと”を体験しました。○○に大切なことと思いますが、なかなかハードでした。  次に頼まれたら…。  “少子高齢化”が進み、昨年(2022年)に生まれた子供が80万人を割ったとのニュースがありました。  岸田首相が「異次元の少子化対策」を訴えており、その実現への具体は…。  高齢化社会は「人生100年時代」となり、新しいことに挑戦する、人生を長く楽しめるなど、わくわくしている方もみえるでしょう。  その一方、健康寿命は長くない、生きがいがないなど、不安を持つ方も少なくありません。  そした中に、「いつまで生きればいいの…」「もう生きていたくない…」と、自分で“死を選ぶ”ことを望む方がいるかもしれません。  2024年東京オリンピック失敗後の大不況の中、都内に「安楽死特区」ができ、それを巡るできごとを描いた『小説「安楽死特区」』(ブックマン社・刊)です。  表紙を開き、カバーのそでに次の文章が書かれています。
まだここだけの話、ということで〈安楽死特区〉構想についてざっくり説明しますね。国家は、安楽死法案を通そうと目論んでますよ。なぜなら、社会保障費で国が潰れそうだからです。しかし国民皆保険はどうしても維持したい。それならば、長生きしたくない人に死んでもらったほうがいい、そう考えています。
 ここだけの話をしているのは、誰だろう。  この話を、誰に向けて話しているのだろう。  最初に登場するのは、〈平成を彩った女流作家〉の一人 澤井真子です。
「あの、先生」 「どうしたの? 忘れ物?」 「澤井先生、その質問、今日これで5回目です」
 次に登場する心臓外科医 尾形紘は、講演の後で問いかけられます。
「終末期、つまり死ぬまで、もはや自分の心臓が完全に停止しているのに、補助人工心臓と人工呼吸器と胃ろう栄養だけで生かしておくのが、最新の医療だとお考えですか。(略) 電気が繋がっている限り、生き続けるわけ?」
   どのような人が安楽死を望むのか…。  安楽死特区へ誰が入る(移る)のか…。  どのような方法で安楽死するのか…。  安楽死第1号には誰が…。
 死にたい、と願うのはエゴですか?生きていて、と望むのは愛ですか?  このごろ、「早く日本でも安楽死を認めてほしい」という人が増えた。 その先にどんな未来が待ち受けているのか、書きたかった。  2024年、日本で「安楽死法案」が可決した。東京オリンピックが終わり、疲弊してゆくわが国で、病を抱え死を願う男と女が、国家の罠に堕ちてゆく・・・。  『平穏死10の条件』『痛くない死に方』他、終末期に関する多くのベストセラーを出している著者が、渾身の想いで書き下ろした初の本格医療小説!
 あなたは、〈リビングウイル〉を書いていますか。  あなたは、安楽死尊厳死)を受け入れ(認め)ますか。  あなたは、安楽死尊厳死)を選択しますか。  命と生を考えさせられました。
   扉から(目次) 2024年 〜無の明るい夜のために〜 女流作家、 澤井真子 心臓外科医、 尾形紘 女流作家、 澤井真子 心臓外科医、 尾形紘 旅行写真家、 岡藤歩 心臓外科医、 尾形紘 女流作家、 澤井真子 歌舞伎町の熟年ホスト、 鯨井正平 旅行写真家、 岡藤歩 女流作家、 澤井真子 エピローグ
【関連】   ◇長尾和宏 (@dr_nagao)Twitter)   ◇公益財団法人日本尊厳死協会   ◇話をしていますか?(ACP,人生会議,リビング・ウィル…)(2019/12/30 集団「Emication」) 【メモ】   ◇画像「木造 宝誌和尚立像」