集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

土用の丑。俗信(7) (続 つくで百話)

鰻0721。 曇りの日でしたが,予報より“よい天候”でした。  今日は「土用の丑」の日です。  今日から土用夏土用)に入りました。土用は,陰陽五行説に基づいて割り当てられた期間で,五行(木・火・土・金・水)の五時(春・夏・土用・秋・冬)を四季に割り当てた期間です。  立春立夏立秋立冬のそれぞれ前18〜19日間で,年に4回ありますが,夏の土用が話題になります。  土用の丑の日といえばですが,これは,売り上げ不振に悩んだ鰻屋に相談された平賀源内が,「今日は土用の丑の日」と書いた張り紙を出して宣伝したことによるといわれます。  また,「丑の日に“”のつくものを食べると夏負けしない。」と言われます。  新型コロナ禍,長引く梅雨…,いつもと違う日々です。  体と気持ちを“元気”にできるように,「」のつく食べ物を味わうのはいかがですか。  うどん,梅,瓜,鰻,牛(肉),馬(肉)…,さらに土用餅,土用しじみ,土用卵…  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「俗信」の項からです。 ********     俗信  五、出生に関するもの 初産の時に夫が立会うといつも夫がいなければ産まれぬ 腹帯を戌の日にしめると安産する お産は日の出を喜び日没を嫌う 便所を綺麗にすると器量のよい子が産まれる 子供が腹にある時兎の肉をくうと三つ口の子を産む 二子栗をくうと双生児を産む 叺や袋を敷くと袋子を産む 炉の中へ汚れた水をこぽすと片輪者が生まれる 生まれる子の男か女かは両親の年の数を加えそれに一年子は一つ二年子は二つ加えて三で割り 割りきれたら女 割れぬと男 胎児の位置が右腹なら女,左腹なら男 お産の前に着物をつくっておいた子は育たない 庚申の晩にできだ子は泥棒になる 顔が赤くて太っている女は子を沢山産む 子供が沢山できて困る時はしめ,とめ,すえなどの名前をつけるとあとがない お産で死ぬと血の池地獄へ落ちる 双生児は先に生まれた方が弟で後に生まれた方が兄 子供を可愛がりすぎる人は子を産まない 子供が早死して育だない人は生まれた子を捨子にして拾って育てるがよい えくぼのできる子はお月様に可愛がられる 子供一人育てるには糞一貫をなめる 子供に鏡を見せるものじゃない 女の子は父親に似ると運がよい 丙午の年に生まれた女は夫を殺す 笊をかぶると背が伸びない 妻の妊娠中に夫は屋根をふくものでない 妻の妊娠中に夫が田の畔をきると三つ口の子が生まれる 妊娠中にませんぼを跨ぐと眉間につむじのある子を生む 妊娠中に葬式道具に手をつけると死ぬ 妊娠中に木挽のりんを跨ぐとお産が重い 火事を見ながら妊婦が腹をなぜるとなぜたとしにあざのある子を生む 臍の尾を長くきると小便が遠い 樋を火に焚くと乳がでぬ 双生児に男と女が生まれるのは情死の生まれ代りだ 双生児を生んだ人と機をひっぱると双生児をうむ 火遊びをする子供は寝小便をする 生まれた時に雨が降ると死んだ時にも雨が降る 寝ている人の頭を跨ぐとその子は出世しない 四十二の年に生まれた子は四二子といって他所へやるがよい えなは浅く埋めてその上に木を植えるがよい 叺の上に座ると口の大きい子を生む 妊娠中に馬のおもずらを跨ぐと十三ヶ月たたぬと生まれぬ 妊娠中に葬式に立つと痣のある子を生む 若い女が箒を跨ぐとお産がむつかしい 歯の抜けた夢をみると人の死んだ話をきく 片口でものをたべると兎唇の子を産む 人の死んだ夢をみるとその人は長生きする 斗桝をおすと頭の凹んだ子が生まれる (つづく) ********  ※冊子の記述,用語には,現在に合わないものもあります。  注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で