集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

昭和の『先生のいろは』 10

花0315。 天気のよい日でしたが,強く冷たい風が吹き,寒い一日でした。  昨日,「数学って面白い」と記事にしましたが,触れなかったことがあります。  それは,3月14日が「円周率の日(財団法人日本数学検定協会 制定)だということです。  3.14159265358979323846…  この円周率の“宇宙”に魅了される方々がたくさんいます。  みなさん,円周率に思いはありますか。  冊子『先生のいろは』の10回目です。年度末に向けて集中して紹介しています。  1977(昭和52)年頃と現在とは,社会のようすは大きく変わっていますが,「今も変わらず…」という内容もあります。年度末の今,改めて“今の先生方”にお伝えします。何か参考になることがあれば幸いです。
8 授業 (5) 書くこと  ア 板書は正しく書こう。中学校の先生は,小学校とくらべて,使ってない略字を使ったり,自をくずしたり,関心がうすい。(例は略)  イ 年令(学年)にあった漢字を使用しなくてはならない。  ウ 漢字の制限,かなづかいを正しく理解しよう。(かたかなの制限)  エ OHPのTPの字の大きさに注意して。見る人の立場に立って書こう。  オ 板書。TP,B紙など,いずれであるにせよ,色を使う時はいたずらに多色にせず効果を考えて書こう。(絵画の場合はこの限りではない。)  板書で例をとれば,白色を原則とし,次に黄,次に赤色位で,他の色はなるべく使わない方がよい。天気が悪い日や教室の後部の人には鮮明に見えないんです。  なお,黄や赤を使う時も,字そのものを色で書くのでなく,白で書いた字の下(横)に色で線を引いたり,・や○をつけてみたり,あるいは,わくで囲んだりして目立たせる方法をとるがよい。OHPのTP特に留意。  しかし,色チョーク(マジック)を使うことは,効果をあげる意味で必要だが,よく注意するのがよい。以上のことはノートの書き方に通じる。  板書は,その場の思いつきで書くのでなく,事前に計画的にすべきであり授業を終える時,板書を通してまとめをするということすらある。  カ 縦書にするか,横書にするかは,原則としてその教科の教科書の書き方によってきめよう。  キ ノートの選定に留意しよう。縦,横,字の大小(けいの幅),方眼,その他いろいろあるので,目的によって選び,こども及び販売店にも連絡しておくとよい。ノートは初めのうちはていねいに書くが,終わりに近づくと粗末になりやすく,時には破り取ったりするものだ。注意して指導の要あり。  ク 原稿用紙の正しい使用法を教えてほしい。小中高を経て教員になっても,まだ知らない者がいる。又,教員たる者は稿正の正しいやり方も知らねばならない。(原稿形式の小黒板がほしいですね。)  ケ 親からいただいた氏名を,ていねいに書くことにしたいものです。道徳教育の一つの根本的要素ではあるまいか。  コ 教師の板書,TP,B紙記録等を,子供がノートする方法とか,その書く時とか,心して指導しよう。特別時間を与えるか,随時にするか,年令によっても異なることである。  教師も又,話しながら随時板書するか,話して後,時を改めて書くかなど考えながら。からだのかげで字が見えなくなることを注意してね。  サ 子供を黒板まで出して書かせる時がある。結局は子供達に見せるもであるから,字の大きさには注意。子供に持たせるチョークは,新しい長いものより,小さい方が使いやすいものです。  シ 自由に,らくがきをやれる所があるといいですね。  ス 講演など,大衆を前に話をする時の板書は思い切って大きい字を書くこと。
 話の中に,OHPTP という用語が出てきますが,ご存知ですか。  当時の視聴覚機器の一つで,OHPは「Overhead projector(オーバーヘッドプロジェクタ)」の略称です。TPは,OHPで使う教材ですが,作成する透明シートを呼んでいました。  現在でいえば,教材(プレゼン)の提示やスライドに読み替えると,伝わるかもしれません。  現在のICT機器では,“当時の技”を使うことなく,子供達に分かりやすく伝えることができます。  技術の進歩により“技”による差がなくなった分,教材の“内容や質”が問われる時代になっていると思います。  先生,子供達に向けて「書くこと」が,しっかりできていますか。  次回は,「8 授業 (6)仕事をする」です。  ちなみに,B紙は模造紙のことで,愛知県や岐阜県での呼び名です。 【昭和の『先生のいろは』】  ○昭和の『先生のいろは』 「校門を入って」(2017/02/16)  ○昭和の『先生のいろは』 2 「玄関や子供の昇降口に立って」(2017/02/18)  ○昭和の『先生のいろは』 3 「校長室や職員室を眺めて」(2017/02/21)  ○昭和の『先生のいろは』 4 「廊下や土間廊下を歩いて」(2017/02/23)  ○昭和の『先生のいろは』 5 「便所」  ○昭和の『先生のいろは』 6 「各種の室(教室を除く)」  ○昭和の『先生のいろは』 7 「教室(前半)」  ○昭和の『先生のいろは』 8 「教室(後半)」  ○昭和の『先生のいろは』9 「授業(1)〜(4)」  ○『先生のいろは』 その8−2 「授業 2 書くこと」  ○『先生のいろは』 その8−3 「授業 3 仕事をする」  ○『先生のいろは』 その8−4 「授業 4 学習形態」  ○『先生のいろは』 その8−5 「授業 5 先生よ くり返して述べよう」  ○『先生のいろは』 その9 「??」  ○『先生のいろは』 その10 「あたたかい先生に」  ○『先生のいろは』 おわりに 【おまけ】  円周率からできたピアノ曲。  ピアノの鍵盤に,0から9までの番号を割り当てて,それをπ(3.141592....)の順に弾いています。