集団「Emication」別館

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「先幸詣」。蘊蓄「正月のしきたり」

 晴天が続き、気温は高くはありませんが、暖かさを感じられる一日でした。  用事があって出かけました。その途中で、「幸先詣(さいさきもうで)」を呼びかけている砥鹿神社へお詣りしました。  新年を迎える準備の整った神社で、今年の感謝そして新年への感謝をしました。
お詣1227。
 帰りに、砥鹿神社奥宮へも幸先詣しようと、本宮山へ向かいました。  本宮山スカイラインには、日の当たらないところに雪が残っていました。  天気がよく雲もなく、本宮山からは美しい景色が眺められました。富士山も綺麗に見えました。  途中の「富士山遥拝所」では手を合わせ富士山を眺めました。  心地よい空間、時間を過ごしました。感謝  年末年始の話「おせち料理」の蘊蓄に続き、正月の話題です。  まず、「屠蘇」についてです。
  屠蘇
   一年の邪気をはらう祝い酒のこと。「屠蘇延命散」とも呼ぶ。
     屠…… 退治する、邪気をはらい寿命を延ばすという謂われがある。
     蘇…… 病を起こす悪魔のこと。
   屠蘇散は、一般的には「白朮」「桔梗」「桂皮」「山椒」「防風」などの生薬を配合した漢方薬です。大みそかに、屠蘇散、みりん、清酒を酒器に入れておいて「薬酒」としたものを屠蘇として、お正月に飲みます。
 続いて、「雑煮」についてです。
  雑煮
   お雑煮は、地方によって、また家ごとにその伝統があります。雑煮の材料、調理法、おもちの形はさまざまな種類がありますが、汁は関東風のすまし仕立て、関西風のみそ仕立てなどがあり、餅は一般的に、東は切り餅、西は丸餅を入れる所が多いようです。  お正月にお雑煮を食べるのは、武士の時代の名残です。お雑煮は武士にとって一番大切な正式の肴でした。雑煮を立派な秀衛椀に盛って出すのが、武士の宴会の始まりだそうです。  宴会に先だって、必ず主君と家臣の間で盃の応酬が行われました。これを「式三献」といいます。三つの盃が行ったり来たりしますが、その最初の盃が主客の間を回ることを「初献」といい、そのあと「二献」「三献」と続いて盃が納まります。それぞれの盃が回るごとに肴が変わります。その初献の肴が「雑煮」です。  つまり雑煮がなければ式三献が始まらないし、式三献が始まらなければ宴会が始まりません。すべての宴会は雑煮から始まるのです。   一年の始まりである元旦の朝に雑煮を食べるのは、ここからきているといわれます。
 ここからは、お正月のいろいろ。
◇お年始に伺う時期
   かつては三が日にすませるのがしきたりでした。しかし、新型コロナ禍では“訪問”をすることは避けれているのではないでしょうか。
◇御勝栗料
   少し格式ばった年始の品物に使用されます。勝栗は栗の実を殻のまま干して臼で搗ち、殻と渋皮を取り去ったものです。  搗と勝が通じるところから、武士の祝いの膳の三肴の一つとされ、そこから勝利の祝いや正月の祝儀に用いられるようになりました。
◇書き初め〔1月2日〕
   1月2日は,すべての「事初めの日」で、おけいこ事もこの日に始めると一年中うまくいくとされている。  書き初めは、「筆初め」ともいい、宮中の「吉書始」の行事が一般化したもの。
◇正月の掃除
   正月の三が日は、福が逃げるので、掃除をしてはいけないといわれます。
◇福入雑炊〔1月4日〕
   1月4日の朝に「福入り雑炊」を作るそうです。お雑煮で使った材料を小さく切って具にする。これを食べるときは、どんなに熱くとも、福が逃げるので、ふーふーと吹いて冷ましてはいけないそうです。
◇七草〔1月7日〕
   1月7日の朝に「七草がゆ」を食べると、一年無病息災で過ごせる。  当初は七草は、草ではなくても、七種の穀物(米、麦、あわ、きび、ひえ、ごま、小豆)をかゆにして食べたといわているが、鎌倉時代に、いつしか七種の野草に なったようです。  セリ、ナズナゴギョウハコベラ、仏の座,、ズナ、スズシロ  どれも、春先のまだ寒い時に緑色をしている。これらの緑色の野草を食べて、早く暖かい春の訪れるのを待とうという気持でもある。また、お正月のごちそうで疲れた胃を休めようという、古人の知恵もあった。
 
◇七草の名前の由来
セリ 新芽がたくさん「セリ」あって育つのでつけられたといわれる。
ナズナ 秋から冬にかけて育ち、春には種を実らせるので「夏なら菜」で「なずな」になったといわれる。別名「ペンペン草」。
ゴギョウ ゴギョウは、人形(ひとがた)のこと。多くが母と子の人形であったので「ハハコグサ」と呼ばれる。
ハコベラ 古くは「ハクベラ」といい、ハクは綿布のこと。ベラは古語で“むらがる”ことだという。細かい茎に葉がついている様子が、綿布がもつれあいむらがっているように見える。
仏の座 地面に平らに広がって生えている葉を仏の座に見たてたもの。
スズナ(カブ) 昔のカブは、葉を重用したので「すず葉」という。
スズシロ(大根) すずしろは「清白」。大根のこと。七草のときに限り「すずしろ」という。
◇正月飾り〔1月7日以降〕
   お正月飾りを外すのは、1月7日以降です。
◇鏡開き〔1月11日〕
   1月11日に行う。一家の円満を願い、おしるこやぜんざいをこしらえて食べる。  鏡開きは、もともと武家社会の風習で延命祈願の儀式。神前に供えておいた鏡餅をおろして割り、正月の終りと新しい年の事始めの意味で食べる。切るという言葉を嫌い、運を開くという言葉にかけて 「鏡開き」という。
小正月〔1月15日〕
   1月15日は五穀豊穰を願い、小豆粥を食べる。五穀とは、「米、麦、豆、粟、ひえ」。  その中の特にハレの日の食べ物である小豆で粥を炊く。餅を入れ、一緒に繭玉を飾る。
 みなさんのお宅では、どのように正月を迎え、正月を過ごしますか。  古のしきたりを取り入れた正月はいかがですか。   【関連】   ◇三河國一之宮 砥鹿神社   ◇砥鹿神社(@togajinja)Twitter)   ◇砥鹿神社(とがじんじゃ)(@togajinja)Instagram写真と動画)