集団「Emication」別館

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蘊蓄「おせち料理」は

菓子1226。 昨日に続き、青空の広がるよい天気でした。風は冷たいけれど、暖かい一日でした。  先日(22日)、年末年始の話に続き、「おせち料理」の蘊蓄(うんちく)です。  おせち料理御節料理)は、江戸の粋やユーモアを凝縮した庶民文化から開花したものです。  この頃から、江戸の人々の暮らしが豊かになり、正月の料理も様々なものができましたが、おせち料理の意味や謂れに共通しているのは、豊かに暮らせること、一族の繁栄を願うことです。  おせち料理を作りおきするのは、年神様がいらっしゃる間に煮炊きすることを慎む……ということから由来しているといいます。  正月に神に供えた供物を下げてきて、一族で分かち合って食べることを「直会(なおらい)」と言います。正月には家族が集い、感謝と祈りをこめて新しい年を祝い、御馳走を食べるのです。  おせち料理の名前には、それぞれ意味があります。いくつかの謂れを並べてみました。

おせち料理 の由来
 「おせち」という言葉は、もともと平安時代の朝廷行事からきているようです。年の始め(当時7日)のほか、3月3日、5月5日などの五節句に、神前に食物を供え 、悪魔払いを祈願したことから始まった節句の料理、「節会(せちえ)料理」をさす言葉だったそうです。  また、「おせち料理」の原形が作られたのは、江戸時代後半だとされています。料理の文化が発達したこともあって、野菜や山海の幸を利用して、豪華な正月料理が生まれ ました。  このお正月料理を「おせち料理」と呼ぶようになったのは、明治以降です。平安時代の風習と江戸時代の料理を組み合せて、こう呼ばれるようになったようです。

おせち料理 は・・・
 おせち料理は、元旦の朝に出します。年神さまを迎えて、健やかな新年をお祝いし、一年の幸福を祈りながら食べる料理です。一年最初の料理にふさわしく、野菜 、たまご、肉、魚と満艦飾のごちそうです。  おせち料理には、野菜、海草、豆、芋……1日に摂取したい食品がすべて登場します。ここまで豪華でなくても、1年間、おせち料理と同じようなバランスの食生活を送れば 、健康に過ごせること間違いありません。

おせち料理 の代表格
黒豆  一年を“まめ”に暮らせるようにと願うものです。  黒豆は、大豆の一種。肌を美しくする良質なたんぱく質を含む。また、コレステロール脂肪酸の増加をおさえるリノール酸、リレイン酸を含む(大豆も同様)。さらに 、ビタミンBを多く含むため、疲労回復に効果的。ただし、市販の煮黒豆は、砂糖を多く含むものが多く、たくさん食べると逆効果になります。できれば手作りで、砂糖ひかえめにしたいものです。
かずのこ  たまごの数にあやかり、子孫繁栄を願うものです。  かずのこは、にしんの卵。コレステロールを多く含む。血中のコレステロール値が高い人は、縁起をかつぐ程度におさえたほうがよさそうです。
ごまめ (田作り)  カタクチイワシの稚魚を塩水で洗って干した物です。田の肥料にしたことから「田作り」とも呼ばれます。ごまめは「五万米」とも書き、五穀豊穣を祝う食べ物 です。  小魚だけあって、カルシウムやミネラルが豊富。15g程度で、1日の必要量の3分の1を摂取することができます。

その他の おせち料理
きんとん  きれいな黄色は金貨の色を例えます。財産が貯まるようにとの願いが こめられます。  きんとんは、蒸して裏ごししたサツマイモに栗を合せたもの。サツマイモは、食物繊維の量が芋類の中では最も多い。また、便秘に効くヤラピンという物質も含まれ る。ビタミンCも豊富。栗の甘露煮を使う場合は 、サツマイモの砂糖をひかえ目にしたほうがよいでしょう。
たたき ごぼう  黒いごぼうは、豊作のときに飛んでくるといわれる黒い瑞鳥をさすそうです。豊作と一年の息災を願います。また、細長い形から、細く長くつつましくという祈りも こめられています。  食物繊維を多く含む。また、タンニンや鉄を含み、血の巡りをよくします。
かまぼこ  半円形の形が初日の出を連想させ、縁起がいいといわれます。  かまぼこの材料は、魚のすり身。魚のたんぱく質を手軽にとることができます。
伊達巻  江戸料理としては目新しく、形もきれいだったことから「伊達巻」と名付けられたといいます。「伊達(粋で目立つこと)」という言葉から、教養や文化が身につくことを 願っています。  卵と白身魚のすり身で作っているので、たんぱく質は豊富。しかし、食べ過ぎるとコレステロールの取りすぎになることもあります。糖分も多いので注意が必要です。
八つ頭  親芋が大きく、外側はでこぼこがあって、八方に頭があるように見えます。人の上に立てるようにという願いがこめられています。  食物繊維はサツマイモに次いで多い。カルシウムやミネラル分も芋類の中では豊富です。
レンコン  レンコンの穴を通して未来の見通しがきくという縁起をかついだものです。  レンコンを空気にさらしておくと黒くなるのは、タンニンや鉄を多く含むからです。この他、ビタミンCや食物繊維も豊富です。
昆布巻  昆布は「広布(ひろめ)」と言いました。ひろめは、「広がる」に、こぶは「喜ぶ」にかけて 、福が授かるとして、祝いの席に欠かせない食物となりました。  昆布に多く含まれるヨードは、体内の代謝を活発する。また、利尿作用を促し、塩分を排泄。カリウムの含有量は、食物中最高。食物繊維はごぼうの2倍以上あります。
紅白 なます  紅白の彩りがおめでたさを演出し、平安、平和を祈る縁起ものです。  にんじんは、ビタミンA、B、Cを多く含む野菜の優等生。特に、カロチンを多く含んでいます。大根は、でんぷん消化酵素のジアスターゼなどが多く含まれてい ます。
海老  腰を曲げて進む海老の姿を老人にたとえ、長寿の願いを表わしています。  高たんぱく低脂肪で、ダイエットに適しています。カルシウム、ヨード、ミネラルなども豊富。コレステロール値を下げるタウリンも多い。
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