集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

最終週。木挽さん(1) (つくで百話 最終篇)

発表1228。 朝,小雨が降っていました。寒さは厳しくなく雪でなく雨でした。  そして予報通りに昼前には晴れてきて日差しがありました。  暖かい一日を過ごせました。  地区の大正生まれの方が亡くなられました。感謝とお別れです。合掌  2020年,最終週となり,「もう…」なのか「やっと…」なのか,あるいいは…。  いつもとは違う年末ですが,過ごした日々は“貴重な時”の積み重ねです。ていねいに振り返って,それを“未来(あす)”への糧とすることが大切です。  そして,「一年の計は元旦にあり」と申します。新型コロナ禍で密回避や感染防止のため,「幸先詣」や「分散参拝」などが呼びかけられています。正月は寺社でなく自宅で,ゆっくりと“新年(20-21年)の姿・行動”を描きたいと思います。  新型コロナ禍で春の予定が秋(冬?)に延期された試験の結果が,先日届きました。  2021年,新しい活動に生かせるかな。    『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ********     木挽さん   鈴木元一 木挽1228-0。 昔,農繁期には木挽さんが大勢いました。この木挽さんを「作間木挽さん」と,呼んでいました。  作手村内には,年中木挽を職業としていた者も少しはあったが,この木挽の大部分は他の土地(主に渥美や遠州方面)からの入村者が多かったようでした。  木挽さんの作業場を「リン場」と,呼んでいました。その作業場は下リン・上リンといって二本の丸太を横に組んで作った。  下リンは,地面から二尺位あげた位置に,上リンは,その下リンから五尺あげて作る。一つのリン場で,三人から五人位の木挽さんが仕事をしました。  リン場で製品にする物は,主として板類,タルキ,貫,柱類でした。  板は六尺の長さで,四分,六分,八分の類  タルキは六尺,九尺,十三尺の三種類  貫は十三尺物  以上の製品は,普通の木挽さんならば誰でも挽ける材だったのです。  夫々の長さの,夫々に墨かけされた丸太を,上下のリンに鎹で締めつけて挽くのですが,挽き始めは,下リンに丸太をもたせかけ,鎹で下リンの横木に締めつけ丸太の頭から大鋸を入れ,墨の線に従って挽きます。余程挽いたところで,今度は丸太を立てて,下のリンにもたせかけ,鎹で締め着けて挽きます。段々挽いて下リンに鋸歯が届くまでになると,今度は丸太を下リンの上に乗せて挽くのですが,挽離す処までは挽けないので,一寸ばかり挽き残して終り,残った部分は丸太を降ろしてから引離すのです。ですから,板でも柱でも,一方の端に引離された跡が残っ ていたのです。  この方法は縦挽きで,リンを使いますが,同じ縦挽きにツガイ挽というのがあります。  直径が三尺以上もある木を挽く時には,木を垂直に立てて,両側に向い合った二人で,同じ鋸道を交互に鋸を働かせて挽きます。巾六尺もある樟の天井板とか,一枚板の帯戸だとか,広い板を見て,昔の人がどんな方法でこんな板を作ったのだろうと驚くのですが,それはこうしたツガイ挽でやったのです。 (つづく)
木挽1228。
《写真 左》横挽鋸 ??は立木を伐り倒す時用う。又倒した気を玉切るに用う。   ??は大木を伐る時に首を長く継きたして用う。 《写真 右》? ヨキ 杣が木を伐る時用う。   ? ハビロ 昔,角材をさめる時用う。   ? ダイギクののサヤ   ? ダイギリ 昔の横ビキ。用途は上に同じ。 ********  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で