集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『漫筆 差別鑑賞』(秋竜山・著)

稲0916。 天気のよい一日でした。  当地の稲も実りのときを迎え,稲刈りが始まっています。  気象情報を昼に確認すると台風14号の進路が予想より南寄りに変わっていました。早めに温帯低気圧に変わることはなく,西日本に上陸,西日本から東日本を横断する恐れもあるようです。  宮崎県南部では,非常に激しい雨が降り,一部地域に「緊急安全確保」が出されました。これも台風14号の影響によるようです。  週末にかけ,広い範囲で,急な激しい雨,大雨,暴風となる可能性があります。備えをしっかり。  本棚から古い本『漫筆 差別鑑賞 上からの笑い 下からの笑い』(明石書店・刊/1990年)を見つけ,読みました。 図書0916。  タイトルにある“差別”という言葉は,最近の話題では「SDGsは,平和で,暴力や差別のない世界を目指しています」といった取扱いになり,それを“鑑賞する”のは不味いと言われるかもしれません。  ネットで検索すると,秋竜山氏の著作情報に書名は見つかりますが,書店サイトにはありませんでした。それは題名が関係しているかもしれません。  表紙に描かれている2人の男性 ギッタンバッコンの問答を通して,著者の漫筆が綴られ,マンガで述べられています。  「ここに一台のシーソーがある」と,まえがきが始まり,そしてシーソー・ゲームは“一人では不可能”であり,シーソー・ゲームの本当の姿は二人の人間を必要とします。  シーソー・ゲームには,日本語で素晴らしい呼び名「ギッタン,バッコン」があり,これを繰り返すことによって,存在が明確となると述べています。
 ところで,ギッタンとバッコンの問題であるが,どちらがギッタンで,どちらがバッコンであるか,ということだ。私の考えでは,下へ下りる状態をギッタン,上へ上がる状態をバッコンと,いうのではないだろか。(略)
 シーソー・ゲームを「ギッタン。バッコン。ギッタン。バッコン。…」と楽しむのですが,ちょっとジレンマと悩ましさが…
(略) 力を入れてギッタン状態,つまり下へ下りたものは上を見上げなくてはならないし,バッコン状態,つまり上へ上がったものは下を見下ろすことになる。これ以上説明しないが,そのへんのところを,じっくりと考えてほしいのである。
 人と人との間で生まれること…。  二人のそれぞれのかかわり…。  “差別”は,人と人の思いから起こってくることが…。ギッタン。バッコン。ギッタン。バッコン。と…。  話の一つ「自慢の成立」から。
〈バッコン〉「人に自慢したいということは,見せることによって満足感を得るということになる。ところが誰にも内緒にしておいて,秘密の中で一人だけで心の中で満足感を味わう場合もある」 〈ギッタン〉「でも,人に自慢するということの満足感というのは,(略)」 (略) 〈バッコン〉「相手のうらやむ顔がみたい」 〈ギッタン〉「それには,相手が関心の(略)」 〈バッコン〉「そこで,相手を選ぶということになるわけだ」
 この話のマンガは,床の間の掛け軸を自慢する場面です。ニセモノだと言われた掛け軸ですが「でもかざっておきたい」と…。  著者の語り描くギッタン・バッコンの世界に,今を重ねて,「そうだよな…」「いやいや…」「こうしたら…」と考えることの多い図書です。
   目次 まえがき 問答その1──あれも差別,これも差別   慎重な上座/先輩後輩の成立/優越感の生き物 など 問答その2──知っていながら知らないそぶり   不安な場所/どっちが悪い/“ブス”の言い訳 など 問答その3──上〜がり目,下〜がり目,ぐるっと回って差別の目   気持ちをいただく/くだらん上手下手/いつも下のランク など あとがき
【関連】   ◇秋竜山Wikipedia)   ◇秋竜山マンガ館 台風情報  ◇台風14号(チャンスー・CHANTHU)
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