集団「Emication」別館

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『福沢諭吉の「学問のすゝめ」』(橋本治・著)

花921。  「台風一過の晴れ」を期待していましたが,小雨を感じる曇りの一日でした。  天気予報では,「気持ちのよい秋空が…」とはいかないようです。  明日は,どんな天気かな。  「知っているけど,よく知らない。」  そうした本の一つが『学問のすゝめ』です。
 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位に…
と始まりますが,「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」のフレーズしか思い出せません。  以前のNHK連続テレビ小説あさが来た」の主人公 あさ は『学問のすゝめ』を読み,その内容に感動し,指針にしていたことが描かれていました。  そんな『学問のすゝめ』について,“桃尻娘”の印象が強い橋本氏が書いていた『福沢諭吉の『学問のすゝめ』』(幻冬舎・刊)を読みました。
 君も賢くなれる、と諭吉は言った。で結局、何を学ぶのか?  いまだにベストセラー!!(当時20万部、岩波文庫71万部)  感動!興奮!泣ける!! 橋本治の熱血講義  全十七編のうち「初編」(冒頭たった10ページ)だけ読めばいい。  超有名なのに、みんな実は内容をよく知らない、『学問のすゝめ』の魅力とは―
 読んでいくと,「知らなかった。」「なるほど。」「たしかに。」…ではありましたが,読んですーっと頭に入ってくるというわけにはいかず,かなりのエネルギーが必要でした。  それは,当時の“ベストセラー”であり,今も“ロングセラー”を続ける『学問のすゝめ』の“深さ”によるものでしょう。  もとは雑誌に連載されたものですので,一気に読み切らずに,雑誌の発刊ペース(月1回?)で章ごとに熟読するのがよいかもしれません。  読書メモから。
 どうやら『学問のすゝめ』は,日本人が新しい政治を必要とするその時に読まれるもののようです。  《言えり》の《り》は完了の助動詞で,「誰かが言った」ということですから,福沢諭吉オリジナルの発言ではなく,どこかに(略)  このことに異論を唱えようという気は私にはありませんが,しかし「こないだまで江戸時代」である明治五年の初めに出版された(略) 日本人にとってなじみのある言葉が隠されているんじゃないのかなと思います。  このように,うっかりすると「虚学」と「実学」の間に「役に立つか,立たないか」の線引きをしてしまいがちですが,それは違います。学問の「虚」と「実」は,それに従事する人の心に響くか響かないかの差なのです。  (略)「(略)この本を読めばあなたの《学問》はもうOKです」という本ではありません。「“勉強の必要”を説いて,読者に“自分で勉強しなさい”と言っている本が『学問のすゝめ』なので,私の仕事は(略)  我々は「分かりやすい文章」を読むのに慣れています。だから,ちょっとでも分かりにくかったりすると,「なんだ,こんなもん!」と思って投げ出したりもします。(略) …が登場します。そして『学問のすゝめ』は,分かりやすい文章を書こうとして書かれた文章」の元祖的作品なのです。  (略)福沢諭吉は昔の人ですから,文字の使い方が厳密です。 「文字の使い方が厳密なのはいいが,なんだって福沢諭吉はそんなややこしい言い方で“政府と人民の関係”を言うのか?」といったら(略)  もしかしたら,福沢諭吉は明治政府の人間たちをバカだと思っていたのかもしれません。
 『学問のすゝめ』は全部で17編あります。橋本氏は本書ですべてを扱っておらず途中で終えています。  本書の続きは,あなたの手でいかがですか
目次 第1回 明治五年の頃 第2回 学問とはなんだ 第3回 虚学と実学 第4回 福沢諭吉がまず言いたかったこと 第5回 自由になったらなにをする? 第6回 「啓蒙」ってなんだ? 第7回 敵がようやく姿を現す 第8回 もしも世の中がバカだらけなら 第9回 私はやらない、君がやれ 最終回 現在進行形としての『学問のすゝめ』 収録 福沢諭吉『学問のすゝめ』初編
【関連】   ◇福沢諭吉 学問のすすめ青空文庫) 【おまけ】  PDCAの一つ。  行事を終えた学校から保護者や参加者に“アンケート(小刻み評価)”をお願いし,その“速報”を公開していました。   ◇9.20 運動会アンケートより新城市立作手小学校)  事後アンケートを行うことは多いですが,その結果が“広報”されることが少ないようです。もったいないと思います。  お子さんの学校では,行事の後に“評価”を知らせていただけますか