弘法さま。巴山白髭神社 (作手の名勝と史跡めぐり)
気温の上がらない曇り時々雨の一日でした。
今日は,旧暦3月21日で「弘法さま」の日でした。弘法さまの恩恵への感謝を捧げるために像や御影を飾り,供養する行事が行われます。
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弘法さまは,日本仏教界に多大な影響を与えた高野山金剛峯寺,真言宗の開祖 空海(弘法大師)のことです。3月21日は,空海が入定した日です。 空海は,庶民の教育や社会事業にも尽力し,日本有数の思想家です。書家としての才能も発揮し,「弘法も筆の誤り」「弘法筆を選ばず」などの諺にもなっています。 また,入定は,真言密教の修行の一つで,精神を統一し,無我の境地に至るために瞑想することを言います。この行事(接待)は,四国遍路(八十八ヶ所巡り)のお遍路さんへの接待になぞらえて,お参りされた方々にお菓子などがいただけます。 新型コロナ禍のなか,感染予防をしっかりして,弘法さまを祀る場所(寺・祠・社)にお参りする姿がみられました。 『作手の名勝と史跡めぐり』(発行1997年?)からです。 ******** 巴山白髭神社 文殊山城址から下って,元の作手村国保診療所前を通り技けると,やや広い道にでる。作手村歴史民俗資料館の裏側を通っている道である。この道を西に向かって山の方へ向かうと,巴湖にでる。 巴湖は農業用水の溜め池である。岸辺には桜が植えられ,おそい作手の春の彩りを見せてくれる。夏にはB&G海洋センターのボート訓練の場となる。カヌーを漕いだり,カッターの漕艇などができる。 巴湖を左に見ながら,ここから約2km山に向かうと峠にさしかかる。峠付近に車を置き,鳥居をくぐって150mぐらい登ると“白髯(シラヒゲ)神社”に着く。ここが巴山分水嶺である。 巴山は標高719mで,豊川・矢作川・男川へ流れる水を分けている。その位置を示す三川分流碑が,三角柱でそれぞれの流れる方向に,川の名と[藤原俊成](平安末期の歌人)の歌が刻まれている。 豊川 神代より わき出る水の 巴川 いくちよへぬと しる人ぞなき 男川 つるきたち 三河の水の みなもとの 巴山とは ここをいふなり 矢矧川 ともへ川 その水かみを 尋ぬれは 薄の雫 萩のした露 と読み取ることができ,「三河」の地名の発祥の地と伝えられる。 また,中央に地元有志らが,明治三十一年に再興した“白髭神社”(石碑自体が御神体)で,左側に再興した時の記念碑が建てられている。左側の社は昭和二十年代に建立されたものである。 額田町文化財保護委員会の方々のご努力により,参道の整備や社付近の清掃がなされている。 参拝の後,また,高里へ下山し川尻城址へ向かうとしよう。 《写真上》 巴湖とカヌー 《写真下》 巴山山頂白髭神社 ********