集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『ビジネスの武器としての「デザイン」』(奥山清行・著)

花0412。 下り坂の予報でしたが,午前中は雨が落ちずに過ごせました。  明日13日は,旧暦3月21日です。この日は,弘法大師空海が入定した日です。  この日,弘法大師の恩恵への感謝を捧げるため像や御影を飾ります。そこをお参りされた方へのご接待などがあります。  当地でも行っていますが,今年は接待が中止になりました。今日,当番の方が,それを知らせに来ていただけました。  新型コロナウイルス感染拡大は,さまざまに影響をしています。  表紙を開くと,灰色の地に白い文字で問いかけてきます。
突然ですが,質問です。  エスカレーターは  なぜあのかたちなのか,  疑問に感じたことはありますか?
 次の見開きも灰色の地で,白い文字が「ここに疑問をいだけるかどうか」を語りかけててきました。  フェラーリ・エンツォなどのデザイン,北陸新幹線のデザイン,さらに眼鏡など地場産業の開発から販売までを担うデザインコンサルティングを行ってきた工業デザイナー 奥山氏の『ビジネスの武器としての「デザイン」』(祥伝社・刊)です。  シンプルな表紙に並ぶ「ビジネス」「武器」「デザイン」が目に入り,数日前に聞いた著者のインタビューが興味深く,本書を読み始めました。
「本来,デザインとは『モノ』自体のコンセプトを立案し,開発からマーケティングまで,全体の枠づくりをすべき仕事なのである」 「デザインとは,人間が,自分たちの生活を良くしたいと思って行う創意工夫である。そこに『モノ』や『サービス』が生み出される」
との考えに,ハッとしました。  曲線が…,組合せが…,色遣いが…などと“表面的なデザイン”が,そのものであるように思っていたことに気づかされました。
 これまでの延長線上になり新しいビジネスや市場を開拓したり,行き詰った業務や問題を抱えた社会を変革したりするためのイノベーションツールとしてデザインを捉えているのだ。
 現在の不安と混乱の状況を打開する“イノベーションツール”も,デザインを考える中から生まれるかもしれません。その発想(アイデア)が,本書に見つかるような気がして,読み返しています。  これからのビジネス,仕事,働くことを考えるとき,本書を開くことをお勧めします。 読書メモより
○ デザインに関して日本人に足りないのは,この「言葉でデザインする」ということなのだ。 ○ これからのマーケットを動かしていくのは,ニーズではなく,ウォンツである。 ○ 本当のCEOは奥さんだったのだ。しかも,そのCEOを動かせるのは,子どもだった,というわけである。 ○ 見えにくい問題の発見こそが,「ビジネスデザイン」のために必要なことであり,イノベーションを求められるビジネス・デザイナーがすべき仕事なのだ。 ○ 1を知って100を知った気になるというのもわかるが,1を知って100を想像するのが人間の能力だと私は思う。そのためにも,まず1を知るために現場に足を運ばなくてはならない。 ○ T型を深化させた「π(パイ)型人材(二つの専門分野を兼ね備えた人材)」や「H型人材(強い専門分野を持ちつつ,他の専門分野の人材とつながる能力のある人材)」の必要性さえ(略)  その意味では,今の私の結論としては,やはり一度はI型を志向すべきだと思う。そのうえで,T型やπ型,H型へと変わっていきべきだと考えている。
   目次 Prilogue 「デザイン」を理解せずに,これからの「ビジネス」はできない Chapter 0 なぜ,今「デザイン」が求められているのか? Chapter 1 デザインを武器にするための「言葉のデザイン」 Chapter 2 イノベーションを生み出す「ウォンツデザイン」 Chapter 3 価値をデザインする「ブランド戦略」 Chapter 4 感動にして届ける「ストーリーデザイン」 Chapter 5 実際に「ビジネス」を「デザイン」するプロセス Chapter 6 未来の社会をいかにデザインするか Epilogue 一番大切な人の5年後の誕生日プレゼントを考えてみよう
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