清掃作業。 『トヨタの日常管理板』((株)OJTソリューションズ・著)
天気のよい一日でした。
午前中、城山の会の無理せず参加できる方々で創造の森 城山公園の清掃・草刈りをしました。
多くの方に参加いただき、短時間で綺麗になりました。
ありがとうございました。
TOYOTAの「カイゼン」そして「トヨタ生産方式」は、生産現場でのマネジメントに活かされており、それに関する書籍がたくさんあります。
本書もその一つだと思いますが、“日常管理板”を聞いたことがなく、気になって青い表紙に白と黒で題名・タイトルが書かれている『トヨタの日常管理板 チームを1枚!で動かす』(KADOKAWA・刊)を手にしました。
著者は、トヨタ出身のトレーナー集団です。トヨタで改善活動に取り組んできた経験をもとに、日常管理板をツールとして「成果を上げる組織づくりの極意」が提案されています。
「トヨタ生産方式」と呼ばれるように、トヨタのカイゼンの多くは“生産現場”での手法であり、そこで活用されています。
「日常管理板」も生産現場で生まれたものですが、本書の提案は、さまざまな“現場”で真似でき成果を上げられるものになっています。それは“オンライン・テレワーク”でも活かされると言います。
○ 日常管理は、会社(集団)の方針・目標を現場が取り組むべき課題に分解して、効率よく行動に移すためのしくみづくりのことである。 ○ 日常管理板は、日常管理の仕組みを分かりやすく、1枚のボードに反映させたものである。 ○ 日常管理板は、まず「方針・目標」を決定し、その達成に向けた「管理指標」を決めたあと、管理指標の「目標値」を設定することで作成できる。本書を開くと、“あなた(読み手)の仕事・職場”について5つの質問があります。 そのすべてに「はい」と答えられる方は、提案される「しくみ(日常管理板)」は不要でしょうが、そう答えられる方は多くない…。 各章の扉は見開きで、「日常管理板」のどの内容・位置になっているか図で示されています。上部に数行の文書で説明されていますが、文字が小さく読みづらく感じました。ここは、読み飛ばしても大丈夫かも…。 章の終わりは「CHAPTER* まとめ」で、内容から数点のポイントを述べています。
「CHAPTER1 まとめ」から ○トヨタの改善には「従業員の人間性を尊重する」という理念が根底にある。 「CHAPTER2 まとめ」から ○日常管理の運用メリットは主に5つ。(略) ○オフィスワークは、仕事の進捗が個人任せになっていることが多い。(略) 「CHAPTER3 まとめ」から ○管理指標の目標値は、客観的なデータに基づいて適切に設定することが大切。(略) 「CHAPTER4 まとめ」から ○非製造業の大きな問題は、「仕事が個人にひもづいている」こと。(略) 「CHAPTER5 まとめ」から ○日常管理板は壁に張り出すとよい。(略) ○日常管理板は、手で書き込むことで創意工夫する力や思考力が鍛えられる。 「CHAPTER6 まとめ」から ○問題解決には、「ビジョン思考型問題解決」「設定型問題解決」「発生型問題解決」の3つがある。 ○方針管理と日常管理の2つでマネジメントする。(略)生産現場はもちろんオフィスワークやテレワークの職場で利用しカイゼンのできる提案・ツールです。 本書を読んで思うのは、学校現場で取り入れ成果の期待できる「マネジメント・ツール」だということです。 学校・教育の場では“仕事が個人にひもづいている”ことが多く、そのために「指導力向上」「教師力向上」が求められ、研修や研鑽の機会を設けています。近年は、カリキュラム・マネジメントにより計画的・組織的に進め、教育の質を高めることが求められています。 しかし、実際の場では「何をすることが…」「何を目指して…」「どうなることで…」…と迷いがありそうです。 学校に日常管理板を取り入れることで、これまでの職場(チーム)の活動を変えることができそうです。それは、子供達の行動・活動が変わっていくことになり、その“成果・成長”が見られる(観える)ことでしょう。 働くみなさん、そして先生方にお薦めの一冊です。 読書メモより
○ 管理指標では、(1)客観的な基準をもとに「方針・目標が達成できたか」を確認し、管理する流れと、(2)現場の全員で問題解決に取り組んでいく流れ、この2つを設定します。 ○ 一定の方針を明示しておくこと、そのうえで自分たちの部署・役職では「どのような状態になれば、よしと判断するのか」をあらかじめ宣言しておくことが重要 ○ この40年というのは、人生の中でもゴールデンタイムというべき、輝かしい時間だ。だから、その中の今日という1日、また1日24時間の中でここで働く8時間というのは、きわめて貴重な時間なんだ。 ○ “カンコツ”をまとめた「作業要領書」 ○ 5大管理…(1)安全、(2)品質、(3)生産、(4)原価、(5)人材育成 ○ 仕事が個人にひもづいてしまっていると状態を放置していると、特定の“デキる”メンバーに仕事が集中し、受け持つ量が多くなりがちです。 ○ すべての仕事を「主作業」「付随作業」「ムダ」の3つに分類する。そのうえで、付随作業を効率化してムダを排除し、主作業の時間を最大化していく。 ○ 毎日「数値を書き込む」(略)という手作業がないと、データへの関心が下がり、新しい見方をつかむなどの“考える力”が、現場に蓄積されません。 ○ 方針管理の「PDCA」に対して、「SDCA」のサイクルを回すとも表現されます。「S」とはStandardize、すなわち「標準化」です。
目次 はじめに 本書に登場するトヨタ用語集 CHAPTER1 全体像と特徴 トヨタの「日常管理板」が持つパワー CHAPTER2 目的 職場が変わる! 日常管理板の5つのメリット CHAPTER3 作成方法 成果を出す! 日常管理板のつくり方 CHAPTER4 活用術 「改善」が進む! トヨタの日常管理術 CHAPTER5 運用 日常管理板の運用のコツ CHAPTER6 方針管理 〈応用編〉方針管理で差をつける おわりに【関連】 ◇OJTソリューションズ ◇トヨタ式改善ライブラリ(YouTube)