集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

立冬。「作手三十六地獄 2」(続 つくで百話)

工事1108。 今日は二十四節気の一つ「立冬」です。冬の始まりです。晴れの日が続き,暦に合わせるように寒さが訪れています。  「」には「新しい季節になる」という意味があり,立春立夏立秋と並んで季節の大きな節目の日です。立冬から立春の前日までが「」です。  本格的な寒さはまだ先ですが,冷え込みとともに美しく色づいていく景色を楽しみたいと思います。  週初めにも通った道路ですが,あちこちの工事が「交互通行片側通行」になっていました。  年末あるいは年度末に向けて,工事の規模が広がっているようです。ご苦労さまです。  でも,短い待ち時間も重なると,到着が…。  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「作手三十六地獄」からです。 ********     作手三十六地獄   三十六地獄地よみ歌  私の少年時代に,私の母は,作手三十六地獄の地よみ歌を口吟さんでいたのを聞いておりますが,子供の私には何のことか意味のわからないとこが多かったので無関心できき流しておりました。近頃,これを思い出そうとしても半分くらいしか思い出せないので,村内の古老や,鳳来町設楽町の知人に照合しても知っている人がみつからないので,なかば諦めておりました矢先,峯田良平君の家に,鳳来町の人が書きのこしたものがみつかりました。この人も忘れている所があちこちにありましたが編集同人が判読して,とりまとめたのが,この地よみ歌であります。素朴な言葉とエロチックな味のもられた地よみ歌を歌いながら,田畑に働いていた昔の人々の姿がしのばれます。 かなぐり坂をはるばると 登ればここは大田代 ああら(荒原)かしこし御嶽山 拍手うって伏し拝み 主におおわだ(大和田)うれしさは 二人川手を引き合うて 小林坂を登りつつ 見交わす顔は赤羽根や 清き手洗所で身を清め 拝む弓木の観世音 鴨ヶ谷里に来る心れば 音にきこえた甘泉寺 行交う人もたそがれて一番(市場)星の昇る頃 長者屋敷(長者平)に灯がともる そうや(草谷)こうやの陰口で,川尻軽き主さんを 待つがた(松ケ田)わけといわれても岩波沢をかけおりて 塩瀬の流れも何のその 一色かけた主さんの お前がどうでもふり(布里)ならば 御腹(恩原)痛む悲しさに  頼む源氏の 血の薬 只持かねた長島田 逢うは(大輪)田峯の観音の み前に契るしおらしさ おりたち(折立)登る笠井島 できたこの子だ(小田) どうしよう(小夫田)悩むまいぞや観音の 授け給える申し子は 気肌(木和田)すぐれし姫ご寮(五領) 綿(和田)のふとんに寝かせた臼子 苦労せ(黒瀬)ずして育てたい 粋な須山の一言に のんごう(野郷)さらすことはない またあう月(相月)もあろうぞや 杉の平を過ぎ行けば とどろ(戸津呂)とひびく見代の 滝に浮びし膳部(善央)にと 盛られし珍味すぐの間(菅沼)に 虚栄も忘れて中ロち(中河内) 忽ちうずく下腹(田原)や ぜまんじょう(千万町)と下り沢 作手三十六地獄 地獄地獄に鬼がいる 寺の林(寺林)に鳴る鐘は 諸行無常と響くなり 地獄に仏あらかしこ    (峯田通俊) ******** 注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で 注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で