『さっぱりと欲ばらず』(吉沢久子・著)
2017年の“半分”が終わります。
充実した時を過ごしていますか。
吉沢氏は初めて知りました。著者欄を見ると
1918年東京生まれ。…女性が働くことが珍しかった時代に15歳から仕事をはじめ…。夫と死別したのち,ひとり暮らし歴は30年以上。現在,99歳で活躍中。とありました。 99歳の方が書かれた本でした。 その本は『さっぱりと欲ばらず』(中央公論新社・刊)です。 経験をもとに,日々を“生きる”ことについて綴られた文章がまとめられています。 充実した時と場を楽しんでみえます。 吉沢氏と同じ99歳まで生きようと思いませんが,同じように生きたいと思います。 読み進める中で,気になった言葉は,
・お互いさま ・人は人,自分は自分 ・笑ってすます ・世間体は気にしない ・身だしなみを整える ・好奇心と冒険心を全開に ・転んでもただでは起きず負をプラスに転じる ・相手への想像力が大事などです。 第6章の「老いてからも…」は,キーワードとしてよりも,各項に「なるほど」「そうなのか」と読みました。 老いも若きも,99歳の先達から,「これから」に向かう「今」を見つめる視点をいただけます。どうぞ。 読書メモ
○ そういうとき,私はかなり潔いほうだと思います。自分が理想とする仕事のやり方ができないなら,それまでのキャリアに固執せず,スパッとやめよう。その代わり,違う仕事のやり方を探せはいい。 ○ そこで60歳になったとき, 「これからは年賀状を失礼させていただきます」 と公言し,やめることにしました。おかげでずいぶんと気が楽になりました。 ○ 毎日のなにげないやりとりに必ず「ありがとう」と添えるのは,姑が身につけてきた習慣であると同時に(略) 人にしてもらうことをあたりまえとは思わず,必ず感謝の気持ちを添える。それが,品格というものでしょう。 ○ そんなとき, 「顔はその所有者が一生かかってつくりあげる高度な芸術品である」 という言葉に出合ったのです。 ○ 若いころのそんな理想主義的な思いは,小さな灯となり,生きるうえでの指針となりました。その灯はこの歳になっても,私の心のなかに灯り続けています。 ○ 同時に,能力が落ちたら,それに変わる方法を工夫してみてはどうでしょう。なにかしら新しい方法が見つかると,気分が前向きになり,それだけでちょっぴり楽しくなります。
目次 はじめに いい思い出のみを大事にして いやなことは忘れる訓練をする 第1章 「さっぱりと欲ばらず生きる」ために 私がしてきたこと 第2章 「笑ってすます」ために 私が避けてきたこと 第3章 世間体を気にしない 素敵な生き方 第4章 生まれて99年 こんな人生を歩んできました 第5章 家事を 楽しくこなすには 第6章 老いてからも 笑って過ごすために おわりに 老いも,近づくあの世さえも道の世界を面白がる精神で