選挙。18歳からの投票権。
九州地方で豪雨による被害が出ています。
さらに広がらないことを祈ります。
第24回参議院議員選挙が公示され,7月10日(日)の投票日に向けた選挙活動が始まりました。
今回の選挙は,選挙権の年齢が18歳に引き下げられて最初の国政選挙です。
政府や地方自治体,マスコミなどが,若者が投票に向かうように,さまざまな啓発が行われています。
みなさんも,目にしたことがあると思います。いかがでしたか?
あるラジオ番組で,コラムニストの小田嶋隆氏が「オダジマからの手紙 拝啓18への君へ」と題して,若者が選挙に行くことについて,3つの手紙にして述べていました。
その一つ。
正直に申し上げるに,小田嶋は昔から選挙というイベントがあんまり好きではありません。 選挙そのものもさることながら,この時期になるとメディアの人間が「投票しろ」とかなんとか,猿に算数を教えるみたいな口調で説教してくることに,どうしても慣れることができなかったからです。 なので50歳になるまで,有効投票をしたことがありませんでした。以下の言葉は,アドバイスや提言ではなくて,どちらかと言えば,長い間選挙に行かなかった人間の愚痴ぐらいに受け止めてくれるとありがたいです。 私が若い時もそうでしたが,一般に若い世代は投票に行きません。理由はよく分かりませんが,昔からそういうふうに決まっています。しかも,平成生まれの若者である君たちは,人口自体が多くありません。だから政治家は若い人達の票をあんまり当てにしていません。各党の政策を見ても,彼らは数が多くて投票意識の高い高齢者層の方ばかりを見ています。 つまり,君達は舐められています。 舐められたままで構わないのであれば,それはそれで構わないのですが,このまま舐められ続け,居ない者として扱われることに,不本意さを感じるのであれば,投票所に行った方がよいでしょう。 誰に投票するのであれ,投票所に足を運んだことで得られるものは必ずあります。 みなさんは,「あなたの一票で政治が変わる」といったようなお話を聞かされたことがあるかもしれません。 でも実際には,一票で政治が変わるのかというと,そんなことはありません。世界は一票ではほとんどまったく変わらないものです。というのも,私たち社会は一票で政治が変わるような,そんな恐ろしいシステムを採用していないからです。 ただ簡単には変わらないからこそ,城の城壁にレンガを一つ積み上げるみたいにして,民主主義の外壁を頑丈にしておくことは大切な仕事です。 投票は,その種のメンテナンスに近い作業です。 一票が変えるのは,むしろ一票を投じた人間の意識です。選挙の日に投票所に足を運んで,誰かの名前を書いたことは,次の選挙がやってくるまでの間,投票した人間の記憶の中に残ります。名前を書いた候補が当選したのであれ落選したのであれ,その日から有権者が新聞の政治面を読むときの気分は,微妙に変わります。難しい言葉を使えば,参加意識ということですが,一票が変えるものがあるのだとしたら,それは有権者の参加意識で,その参加意識の変化が,長い目で見て,世界を少しずつ変えることになります。「一票が変える」ことについて述べた後,いろいろな“啓発広告(?)”について「製作者の意識」を取り上げていました。 そこで,例にしたのが,東京都の「TOHYO都」でした。 見てみると…。 公開されてから多方面から“話題”になっているようですが,その大きさは「東京」だからでしょうか。 ◇東京都選管の18歳選挙権啓発アニメ「TOHYO都」に批判殺到 「バカにしてる!」「税金をくだらないことに…」(産経ニュース) 「選挙に行くこと」が大切であり,小田嶋氏の述べるように“行く意味”があると思います。 しかし,行政やマスコミから伝わってくる「18歳,19歳の有権者への啓発」は,誰が,誰に,何を,どのように,伝えるのか,それが分かりにくいもの,あるいは疑問のあるものが目立っています。 18歳の有権者がいる高等学校では,「選挙に行く」ということから“踏み込めず”にお困りのことも多いようです。 「日本の将来の選択」となる国政選挙ですが…。 何を「選択する」のか…。それに応えてくれる情報が,投票日までに有権者に届いてくるでしょうか。 【おまけ】 Twitterのハッシュタグ(hashtag)を見てみました。 「#18歳選挙」 「#18歳選挙権」 「#参議院選挙」 「#参院選2016」 マスコミのWebサイトなどで,各政党,立候補者の公約や主張,考えを比べられるようになっています。 ◇選挙ドットコム(旧ザ選挙) ◇投票マッチング(日本政治.com) ◇毎日新聞ボートマッチ えらぼーと 2016参院選 ◇参院選2016 NHK選挙情報(NHKオンライン) ◇第24回参議院議員通常選挙特設ウェブサイト(愛知県) 連合も,18歳選挙権をテーマにしたアニメを制作していました。 ◇4話目 ほどほどステーション〜ミライのトビラ〜「投票へ行こう」 【関連】 ◇TOHYO都(東京都) ◇18歳選挙権 動画広告”TOHYO都編” (1:23 YouTube) ◇18歳選挙権 動画広告“ハタチじゃねーよ”編【ver.参議院議員選挙】 (0:15 YouTube) ◇啓発動画 『選挙は18歳から』 歌:STAR☆T(豊田市) ※ 選挙啓発動画「選挙は18歳から」メイキング映像(1:55 YouTube豊田市) 「公益財団法人 明るい選挙推進協会」が,動画をまとめていました。 ◇動画コーナー(公益財団法人 明るい選挙推進協会) 総務省の選挙サイト。 ◇第24回参議院議員通常選挙(総務省) ◇私たちの声を、私たちの将来に。 18歳選挙(総務省) 【今日の小咄】 あったら怖いもの。 選挙の開票速報の「当確」に対して「落確」。