小暑。七夕。 3-2 民話の宝庫つくで(2) (記念誌86)
朝、雨模様の天候でしたが、日中はよく晴れ、夕方になって雷鳴と雨と不安定な天候でした。
出かける途中、消防団の方が「この先、倒木で…」と案内をしていました。朝早く出動し作業をしていただけたようで、通路が確保されていました。
大雨、暴風の後には、倒木や崩土、崩落のための出動が時間を問わずあることでしょう。ありがとうございます。
今日は二十四節気の一つ「小暑」です。そして,五節句の一つ「七夕(しちせき)」でした。
小暑は,梅雨が明け,本格的な暑さが始まる頃とされ,蓮の花が綺麗に咲き始める頃とも言われます。この日から夏らしい暑さになる「暑気」に入り,暑中見舞いが出されるようになります。
すでに梅雨明けをした今年、暑い夏が続きそうです。体調管理をしっかりと!
記念誌『つくで −のぼとけが見つめた80年』(1986年11月発行)からです。
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民話の宝庫つくで
米福長者
だだっぴろい作手高原のどまん中の、長者平部落はのん。ここだけが高台になっとって作手高校がデンと腰を据えておるとこだがえん。長者平ちゅう地名のとおり、昔、米福長者が代々屋敷を構えとったとこでのん。日本武尊がお通りの時、鏃を作らせたっちゅ伝説があるほど古い話でのん、酒造り、蚕の飼育、鍛冶、馬の飼育など一手にとりしきっとったげな。長者の屋敷から二百米位南の田んぼの中に森があるづらん。そこが長者が酒糟を捨てた所だげーな。
長者平の鎮守の十二所神社にやー、長者の木像があって、目鼻立ちもはっきりせん古いものと、後から作られた新しいものと、二体あるだげーな。
明治のはじめ、お宮の屋根裏から うるし千べん 朱千べん 黄金千べん 朝日さす 夕日かがやく よし三本の 木にうずめおく
と書いた木札が見つかって糟塚のへんだらあと村中総出で発掘したが、なんにも出んで、火事が続いたむんで「神様の罰が当っただ。」と言ってやめたげな。
長者の家には、一匹の犬が飼われとってのん、その犬に喰べ物をやると黄金の糞をすると言って、犬が逃げんように鎖でつないで、大切に飼っとっただげーな。
ところがある日、犬が鎖を切って逃げ、とうとう帰ってこなんだ。今でも本宮山と千両(今の豊川市千両町)のあいだに黄金沢という所があるが、ここはこの犬が黄金の糞をした所で、千両と言う名もそこから起っただげーな。
さて、犬はやがて見つかり、心ない村人に殺されちまった。ところが死んだ犬の腹から、絹を巻いた籆(わく)が出て来た。
此の籆(わく)を祭ったのが一宮町東上の籆繰神社で、犬の頭を祭ったのが、千両の犬頭神社だげなに。
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注1) 記念誌『つくで』の記事は〈タグ「記念誌」〉で
注2) 作手地区の昔話を集録した図書『つくでの昔ばなし』のお話を、ブログ『つくでの昔ばなし』に掲載しています。
注3) 以前、『つくで百話』からの記事で「米福長者」(2019/05/18)を載せています。