「爽やかな風に吹かれて」(古い資料から)
天気のよい日が続いています。
新緑の美しい時季、高原を歩いてみてはいかがでしょう。
ウォーキングや散策を案内する『楽しく歩いて健康づくり ウォーキングマップ 東海・中部』が、書架に眠っていました。2002年夏に発刊された古いもので、環境や状況が大きく変わっているでしょうが、それを“楽しむ”ことができそうです。
この中に『高原の戦国絵巻 爽やかな風に吹かれながら中世の城跡をめぐる』(180分 10km 17300歩)があります。
************
高台の文珠山城址から、天然記念物のコウヤマキを訪ねる
作手は、標高約530mの高原にある自然の恵み豊かな村だ。中世には、天然の要害たる地形を活かして数多くの城や砦が築かれた。城跡を結ぶ「歴史の小径」をたどる。
村役場前の高里バス停から道標に従い、林道を西へ進む。途中から山道に入り、林の中を尾根づたいに塞之神城址へ。高台の文殊山城址から善福寺の裏に下りる。仁王門を抜け、舗装道を下れば田園風景が広がってくる。石橋城址から、国道を渡れば亀山城址は目の前にある。 広い耕地の中を水路に沿って行こう。豊川・矢作川分水点から見える古宮城址のある白鳥神社は巨木の茂る小山。本殿の背後の林にはヒノキの古木がある。東へ進んで、集落の中を抜ける。杉の大木に囲まれた石段を上がれば甘泉寺。天然記念物のコウヤマキは必見だ。道を引返し北へ進んで、最後に川尻城址を訪れる。よく整備された公園になっていて、4月中句には約4000本のミツバツツジが見ごろになる。ここから作手高校の脇を抜ければ、出発点の高里バス停に戻る。
※ 地図をクリックすると拡大します。
************
□□スポットガイド□□
◇文殊山城址(史跡)
コース中で一番高い標高661m。丸太で造られた高さ7mの物見櫓が設けられ、眺望は抜群。亀山城主奥平氏の砦城で、一夜にして城を築いた「一夜城」ともいわれている。明治時代に奉納された文殊菩薩が祀られている。
◇善福寺(お寺)
作手村最古の名刹で、推古天皇の御代(593〜628年)に創建と伝えられる。山門には鎌倉時代の作といわれる2m50cmの金剛力士像(仁王尊)が立つ。本堂の後ろに生えるボダイジュは村指定天然記念物。・境内自由
◇亀山城址(史跡)
本丸を中心に各種曲輪、土塁、空堀などが現存する奥三河屈指の平山城。応永31年(1424)に奥平貞俊が築城し、以後165年間にわたり奥平氏五代が居城。その後、作手藩1万7000石の本城として栄えた。毎年5月の最終日曜日には「古城まつり」が行われ、火縄銃の演武や野点があり、見物客でにぎわう。
◇豊川・矢作川分水点(自然)
南は豊川水系の巴川へ、北は矢作川水系の巴川へと流れる。平地にある珍しい分水点。
◇古宮城址(史跡)
元亀2年(1571)に武田信玄の重臣、馬場美濃守信房が武田軍の最前線基地として築いた甲州流の名城。2年後、奥平・徳川連合軍に攻められ陥落したが、名城の面影を今に残している。
◇甘泉寺(お寺)
応安3年(1370)年に開山の古刹。本堂前にあるコウヤマキは国指定天然記念物。樹齢600年以上で、樹高28m、幹囲6.5mの巨木。横には長篠の戦いで勲功のあった鳥居強右衛門勝商の墓がある。・境内自由。
※ 図をクリックすると拡大します。 ************