集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『あめつちのうた』(朝倉宏景・著)

藤0514。 昨日からの雨で、「大雨警報、土砂災害警戒情報が…」や「警戒レベル4の避難指示が…」と発令された地域がありました。当地は大雨にはなりませんでしたが、午前中まで降っていました。  午後は明るくなり、夕方になって日差しが出ました。明日の天候は…。  移動の電車内で、「いい話の図書館」で39冊目の図書『あめつちのうた』(講談社文庫)を読んで、どっぷりはまりました。  本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
 高校野球の聖地,甲子園球場を整備する阪神園芸で働く青年の物語,憧れ悩み,挫折してもがいて…,でも自分が働く意味,生きる意味は何なのか,逃げないで立ち向かい探し続ける一人一人に声をかけたくなるのです。
とメッセージを載せています。  出版社の内容紹介には,
 絶望的な運動神経の持ち主・雨宮大地は、自分とは正反対の弟や頑なな父への鬱屈を抱え、甲子園のグラウンド整備を請け負う阪神園芸へと入社する。ところが、持ち前のセンスのなさから、仕事は失敗続き,広いグラウンドのなかで、たったひとりうろたえる自分は、本当に一人前のグラウンドキーパーになれるのか?
とあり、高校卒業後一人大阪に来てグラウンドキーパーとして働く青年が成長していく姿が描かれます。  東京の高校を卒業した雨宮大地は,“何か”から逃げるように大阪で就職し,大の巨人ファンなのに,甲子園球場のグランドキーパーに就きます。  違う“進路”もあっただろうに…。  雨宮大地は,阪神園芸に入社し経験を重ねるなかで“これまでのキャリア”を見つめ、見直し、そして“新しいキャリア”を着実に歩み出します。  本書を通して,その歩みに寄り添い,自分のキャリアを見つめる機会が得られます。
 そのあと、甲斐さんは「不透水層」という言葉を説明した。
 選手が安心してプレーできるグラウンド、さまざまな天候に対応できるグラウンドを作る“職人の技”に感心します。  同性愛者であることを周囲に隠す親友・一志、重い病気を患いながら歌手を目指すビールの売り子・真夏、ケガでプロへの道を断念した同僚の長谷…。  友達、同僚、上司…、彼らとの交流を通して、雨宮が“成長”していきます。  雨宮大地と一緒に、土を作り、グラウンドを作り、そして、 親子・兄弟関係、同性愛、友情を考え味わってみませんか。  読書メモより
○ 厳しいことを言うようやけど、感謝を求めている時点で、お前は負けやな ○ 俺、プロ野球選手になりたい。(略) 日本のプロではじめてLGBTであることを公表する選手になる。 ○ 仕事で独り立ちできる自信をつけて、父さんとしっかり向きあう必要があった。 ○ 「でもな、大雨が降ると、平等やんか」 ○ 歌ってな、追い焚き機能やねん。 ○ こうして社会人になると、知らず知らずのうちに、他人に影響をあたえている。こわい、と思う。 ○ そんなパワープレーが許されるのは、長谷さんだけだ。 ○ 冷静に周囲を見渡せ。風や雨や太陽を日々、感じるんや。土や芝によりそうんや。それが、グラウンドキーパーの醍醐味や。 ○ 叫んだ瞬間、俺は気がついた。/怒っていいのだ。怒りをぶつけていいのだ。 ○ まわりをだませれば、自分もだませる。そしたら、絶対におさえられるって、自信もわいてくる。
   目次 プロローグ はじめての春 はじめての夏 はじめての秋 はじめての冬 ふたたびの春
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