集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『自分のミライの見つけ方』(児美川孝一郎・著)

花0515。 よい天気になると思っていたが、曇り空の一日でした。  先日、「話をする」ことや「言葉」について話していて、こんな話がありました。
 例えば、「1+1=6です」って言ったら何言ってんだお前で終わりますが、「一般的に1+1=2と言われてますが、実は6だったんです」って言われるとつい耳を傾けてしまいますし、理屈語られると信じてしまいます。
 ウソを、そう思わせずに聞かせてしまう。あるかもと身を乗り出してしまう。  この“手法”、身近なところにあり、出会っていそうです。  図書館で“国学図書館協議会 選定図書<中学生>部門”との紹介があった『自分のミライの見つけ方』(旬報社・刊)です。  表紙には、若葉からの木漏れ日を浴びながら2人の学生(?)が、階段を駆け上がっている姿が描かれ、「いつか働くきみに伝えたい『やりたいこと探し』より大切なこと」と書かれています。
 これまでの常識が通用しない未来を、僕たちはどう働き、どう生きるか。若い世代に向けた、まったく新しいキャリアデザインのヒント。  「やりたいこと探し」になんか悩まなくていい。  「なりたい職業ランキング」に意味はない。  この本で新しい視点=武器を手にすることで僕らはもっと自由になれるはず。自分らしいキャリアを歩み出すための1冊。
 中学生の「きみ・自分」に向けて、キャリアを考え、創っていく機会をもたせてくれる一冊です。  著者は、若者のミライについて
 少し前なら10年や20年かかったことが2〜3年で簡単に実現してしまう。そんな時代をきみたちは今、生きているからだ。
と、社会環境や制度が大きく変化している、変化していくとしています。  経済(お金)の仕組みや価値観の変化は、これまでもあったし、大人もそう言われてきたでしょうが、それが“劇的な変化”となっています。  このように変化する世の中で、ミライに向けて“新しい視点”をもって考えることを提案しています。
○ フツーを疑おう。 ○ 「やりたいこと」の呪縛を解き放とう ○ 働くことのイメージを豊かにしよう ○ 社会の変化を受け止めよう ○ 発想を変えれば、学校の勉強はじつは役に立っている
 若者に向けて述べられていますが、“価値観の違う世代が共存する時代”だからこそ、親、教員、上司など大人の方にもお薦めの一冊です。  変化の大きなミライを、安心して暮らすキャリアデザインをしてみませんか。  読書メモより
今の世の中を前提に考えれば、現時点で、自分の将来を決めてしまうのはおすすめできない。 ○ そもそも誰が「夢をもちなさい」なんて言っているか、考えてみてほしい。 ○ 社会の変化が穏やかな時代には、フツーに従うことのメリットのほうが、デメリットよりも大きかった。(略) でも、社会の変化が急激な時代には、デメリットのほうが大きくなる。 ○ 価値観のちがう世代が共存する時代 ○ 今は、いつか何かに出会えるように、自分の中に小さな「資源」を蓄えていくといい。/資源とは、自分の中の小さな感動のこと。 ○ でも、残念ながら、それはもう過去の話。/年功序列はまだ少しはあるかもしれないけれど、終身雇用は崩れ、転職も日常化している。(略) きっとこうしたすみ分け、“働き分け”ができる世の中になっていくのであろう。 ○(勉強が)「役に立つ」って、どういう意味?  ・即効型 ・時間差型 ・ピース型 ○ 勉強の隠れた「役に立つ」とは?  ・忍耐力を養う ・集中力を養う ・自己コントロール力を養う ・好奇心を養う ・学ぶ習慣を養う ・コミュニケーション力を養う ・協調性を養う ○ 人が勉強する理由は、道具的価値内在的価値を両端に置いた直線上のどこかにある ○ そもそも知識のない人は、自分が「何を知らないのか」を知ることさえできないだろう。
   もくじ はじめに 第1章 フツーの人生って、なんだ? 第2章 「やりたいこと」がないとダメなの? 第3章 働くって、なんだ? 第4章 きみたちはこんな社会にこぎ出ていく 第5章 学校の勉強は役に立つか? おわりに
【関連】   ◇こみかわこういちろう (@komikawa_1963)Twitter)   ◇全国学校図書館協議会