『自分のミライの見つけ方』(児美川孝一郎・著)
よい天気になると思っていたが、曇り空の一日でした。
先日、「話をする」ことや「言葉」について話していて、こんな話がありました。
例えば、「1+1=6です」って言ったら何言ってんだお前で終わりますが、「一般的に1+1=2と言われてますが、実は6だったんです」って言われるとつい耳を傾けてしまいますし、理屈語られると信じてしまいます。ウソを、そう思わせずに聞かせてしまう。あるかもと身を乗り出してしまう。 この“手法”、身近なところにあり、出会っていそうです。 図書館で“全国学校図書館協議会 選定図書<中学生>部門”との紹介があった『自分のミライの見つけ方』(旬報社・刊)です。 表紙には、若葉からの木漏れ日を浴びながら2人の学生(?)が、階段を駆け上がっている姿が描かれ、「いつか働くきみに伝えたい『やりたいこと探し』より大切なこと」と書かれています。
これまでの常識が通用しない未来を、僕たちはどう働き、どう生きるか。若い世代に向けた、まったく新しいキャリアデザインのヒント。 「やりたいこと探し」になんか悩まなくていい。 「なりたい職業ランキング」に意味はない。 この本で新しい視点=武器を手にすることで僕らはもっと自由になれるはず。自分らしいキャリアを歩み出すための1冊。中学生の「きみ・自分」に向けて、キャリアを考え、創っていく機会をもたせてくれる一冊です。 著者は、若者のミライについて
少し前なら10年や20年かかったことが2〜3年で簡単に実現してしまう。そんな時代をきみたちは今、生きているからだ。と、社会環境や制度が大きく変化している、変化していくとしています。 経済(お金)の仕組みや価値観の変化は、これまでもあったし、大人もそう言われてきたでしょうが、それが“劇的な変化”となっています。 このように変化する世の中で、ミライに向けて“新しい視点”をもって考えることを提案しています。
○ フツーを疑おう。 ○ 「やりたいこと」の呪縛を解き放とう ○ 働くことのイメージを豊かにしよう ○ 社会の変化を受け止めよう ○ 発想を変えれば、学校の勉強はじつは役に立っている若者に向けて述べられていますが、“価値観の違う世代が共存する時代”だからこそ、親、教員、上司など大人の方にもお薦めの一冊です。 変化の大きなミライを、安心して暮らすキャリアデザインをしてみませんか。 読書メモより
○ 今の世の中を前提に考えれば、現時点で、自分の将来を決めてしまうのはおすすめできない。 ○ そもそも誰が「夢をもちなさい」なんて言っているか、考えてみてほしい。 ○ 社会の変化が穏やかな時代には、フツーに従うことのメリットのほうが、デメリットよりも大きかった。(略) でも、社会の変化が急激な時代には、デメリットのほうが大きくなる。 ○ 価値観のちがう世代が共存する時代 ○ 今は、いつか何かに出会えるように、自分の中に小さな「資源」を蓄えていくといい。/資源とは、自分の中の小さな感動のこと。 ○ でも、残念ながら、それはもう過去の話。/年功序列はまだ少しはあるかもしれないけれど、終身雇用は崩れ、転職も日常化している。(略) きっとこうしたすみ分け、“働き分け”ができる世の中になっていくのであろう。 ○(勉強が)「役に立つ」って、どういう意味? ・即効型 ・時間差型 ・ピース型 ○ 勉強の隠れた「役に立つ」とは? ・忍耐力を養う ・集中力を養う ・自己コントロール力を養う ・好奇心を養う ・学ぶ習慣を養う ・コミュニケーション力を養う ・協調性を養う ○ 人が勉強する理由は、道具的価値と内在的価値を両端に置いた直線上のどこかにある ○ そもそも知識のない人は、自分が「何を知らないのか」を知ることさえできないだろう。
もくじ はじめに 第1章 フツーの人生って、なんだ? 第2章 「やりたいこと」がないとダメなの? 第3章 働くって、なんだ? 第4章 きみたちはこんな社会にこぎ出ていく 第5章 学校の勉強は役に立つか? おわりに【関連】 ◇こみかわこういちろう (@komikawa_1963)(Twitter) ◇全国学校図書館協議会