集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

広島原爆忌。 『神さまの貨物』(ジャン=クロード グランベール・河野万里子・訳)

花0806。 雨を心配する天候でしたが、雨は降らずに、午後になって日差しを感じる天候になりました。  今日8月6日は,77回目広島原爆の日でした。  平和記念式典の時間にテレビに向かうことができず、他所事をしながらの“その時”でした。  松井一実市長は平和宣言で,
 私たちは、今改めて、『戦争と平和』で知られるロシアの文豪トルストイが残した「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ」という言葉をかみ締めるべきです。  今、核保有国がとるべき行動は、核兵器のない世界を夢物語にすることなく、その実現に向け、国家間に信頼の橋を架け、一歩を踏み出すことであるはずです。
と呼びかけました。
 あなたにとって、大切な人は誰ですか。
と問いかけて、こども代表の「平和への誓い」が始まりました。  大切な人の「平和・安全」は守られていますか。  「いい話の図書館」で42冊目の図書『神さまの貨物』(ポプラ社・刊)を読みました。  本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
 その昔、ユダヤ人たちを迫害した歴史があった。アウシュビッツ強制収容所で多くの命が失われた事実があった。今も戦争がある。実際の人生でも物語でも、自分の子どもにも他人の子どもにも、どんなことがあってもなくても、「愛」があればこそ生きてゆけるのだと伝え続けなければと、心から思う1冊だ。
とメッセージを載せています。  小林店長のメッセージを読んで、書名の「貨物」はアウシュビッツに向かうのだと思うのに、それが“神さま”とは何か疑問を抱きながら本書を開くと、
 むかしむかし、大きな森に、貧しい木こりの夫婦が住んでいた。
と、昔話が始まりました。  世界大戦の嵐が吹き荒れる中、貧しい木こりのおかみさんが、列車を見るのが好きになりました。  ある日、その列車から…。  ロシアによるウクライナ侵攻が起こり、戦争や平和について考えること、話題にすることが増えました。そして“8月”となり、これまでと違う「戦後77年…」が増えそうです。  そうした思いのなか、多くの人に本書を手にしてほしいと強く思います。  あなたに、「幸せですか?」を問いかけ、その“答え”を新たにする一冊です。  読書メモより
○ 貧しいおかみさんは、その列車を見るのが好きになった。〈わたしの列車〉、そう思った。おかみさんは熱いまなざしで列車を眺めながら、飢えからも寒さからも孤独からも抜けだして、旅する自分を思いえがいた。 ○ その列車を見たとたん、〈ぼくたち家族も、もう終わりだ〉と彼は悟った。  列車は貨車とはいえ、床に藁が敷いてあるところから家畜用だとわかる。 ○ どうすればいい? どうすればいいんだ? ○ まず全員、存在を「無」にされたわけだ。 ○ 空腹に苛まれながらも、生きようと必死で。小さな包みは、泣きに泣いている。 ○ さて、この物語は昔ばなしだが、昔ばなしにはよく森が出てくるものだ。そしてそうした森には、木々が鬱蒼と生い茂って、人をなかなか寄せつけないような場所がある。 ○ 「ほら、ほら、感じるでしょ? 小さな心臓が動いている。わかる? わかる? 動いている、動いているわ」 ○ いまは考えずに走れ! 行け、行け、行け! まっすぐ前へ。 ○ われわれの主人公、元バリカン係、元医学生、元一家の父、けれど今や影のようになってしまった元人間は、自分に問うた。
 出版社の内容紹介。
 大きな暗い森に貧しい木こりの夫婦が住んでいた。きょうの食べ物にも困るような暮らしだったが、おかみさんは「子どもを授けてください」と祈り続ける。そんなある日、森を走りぬける貨物列車の小窓があき、雪のうえに赤ちゃんが投げられた――。  明日の見えない世界で、託された命を守ろうとする大人たち。こんなとき、どうする? この子を守るには、どうする? それぞれが下す人生の決断は読む者の心を激しく揺さぶらずにおかない。モリエール賞作家が書いたこの物語は、人間への信頼を呼び覚ます「小さな本」として、フランスから世界へ広まり、温かな灯をともし続けている。
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