集団「Emication」別館

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天皇誕生日。 『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(原田ひ香・著)

雛飾り0223。 立春を過ぎても寒い日が続いていますが,綺麗な青空で暖かさを感じる祝日でした。  今日は,国民の祝日の一つ「天皇誕生日」,日本の「国家の日ナショナル・デー(National Day)」(Emperor's Birthday)でした。  日本国憲法 第1章 第1条に
 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
と記されています。  近年,マスコミが皇室に関わる話題を“普通”に取り上げ,コメントしているように感じています。これが「総意に基づく」ものなのかは疑問があります。  「象徴,統合,主権,総意…」    ◇天皇陛下お誕生日に際し(令和4年)宮内庁)  2682年の永い歴史を繋ぐ皇室のありよう,そして日本の将来を思う日でした。  みなさんはいかがお過ごしでしたか。  「いい話の図書館」で届いた36冊目の図書『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(中央公論新社・刊)です。  本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
 母親からの小包にまつわる6つの物語。わたしは自分の両親が亡くなるまで一緒に暮らしていたので,母親からの小包なるものを一度も受け取ったことがない。でも結婚して県外に住んでいた妹に母はよく荷物を送っていた。この本のタイトルを見たとき,母をすぐに思った。小包の中身は「物」ではなく「愛」なんてものでもなく「涙」だったのかも,知れない…。
とメッセージを載せています。  愛や涙とありますが,帯には吹き出し風に
地元の銘菓」「ババシャツ」「靴下」「お米」  こんなにたくさん。  こっちでも買えるって言ってんのに。
とあり,“ダサいもの”が競うように描かれることを想像しながら読み始めました。  第1話の東京で一人暮らしを始めた吉川美羽に届いた荷物は,最初に“地元の新聞”がかぶった物たち,ババシャツ,鰹節に海苔…。  思わず声が出ます,「東京は,岩手みたいに冷えないんだからね」「こんなの東京にも売っているんだって」と。  次に出てきた“がんづき”…。出てくる言葉が「うんめえ」になり…。  この荷物に入っていた○○が,なかなか友達のできなかった吉川美羽に新しい出会いを生み,広げていきます。  ダサい荷物が“不思議なパワー”をもっていたようです。  そのパワーを吉川美羽が使う姿が第2話かと思うと,そこに登場するのは新井莉奈でした。  第3話は,また別の主人公でした。  それぞれ別の6つの物語のようです。  でも,「あれっ。この人は…。」  6つの人と物が交錯しているようです。  “お届け物”(小包)が届ける「想い」が,あなたの「想い」と繋がります。  最近,あなたは“ダサい小包”を送りましたか。  あなたは“ダサい小包”を受け取りましたか。  読書メモより
○ ただそれは,ここに生まれた者には,なんの努力もなしにもらえる「特権」なのだ。  そんな街が「優しい」「皆,仲良し」と言えるだろうか。  美羽にはわからない。 ○ 巨大なブラックホールみたいになんでも引き寄せて吸い込んで,なんでも選べるけど,その選択肢を他の地域から来た人間には与えない街。 ○ 食べながら思う。母の気持ちも少しは理解できたし,小包は嬉しい。 ○ 今日もまた,母がどこかで「女性の仕事,女性の人生,云々」を誰かに語り,説いているのかと思うと哀れにも思えた。 ○ 親から「幸,多かれ」と祈りを込めて名前を付けられたこの人に,すべて本当のことを言うことができるのだろうか。 ○ そうなんだ,仮にも「お母さんのあったか小包」なのだ。そんな真心が,量産できるわけはなかったのだ。 ○ 箱が新品ではないし,貼ってある粘着テープが少しよれている。伝票は母の字で書かれていて,それだけで胸が突かれる思いがした。
   目次 第一話 上京物語 第二話 ママはキャリアウーマン 第三話 疑似家族 第四話 お母さんの小包、お作りします 第五話 北の国から 第六話 最後の小包
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