小暑。七夕。『小学校算数 グループ学習大全』(鈴木正則・著)
今日は二十四節気の一つ「小暑」です。梅雨が明け,本格的な暑さが始まる頃とされます。この日から夏らしい暑さになる「暑気」に入り,暑中見舞いが出されるようになります。
2017年の今頃,「線状降水帯」を知りました。その後,"普通に聞く言葉”となり,今日も発生していました。
恵みを与えてくれる自然,それが命を脅かす自然ともなり,そんな“異常さ”に困惑しつつ,“正常”を求めています。
そして,今日は,五節句の一つ「七夕(たなばた/しちせき)」です。この日に「織姫と彦星が年に一度再会する」とされ,願いを書いた短冊を笹竹などに飾りますが,願いは叶ったでしょうか。
昨日に続いて,教育書です。今日の『小学校算数 グループ学習大全』(明治図書・刊)は,算数の授業・指導について書かれており,“小学校の先生”に向けた図書です。
新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」が言われ,その実現に向けた“授業改善”が進められています。
小学校は完全実施から2年目となりますが,昨年度は,休校後の授業時間の確保で十分な取り組みができず,授業改善も進まなかったかもしれません。本格的な取り組み,手応えを感じるのは最近という先生が多いでしょう。
“対話的な学び”を実現しようと,グループや全体での話し合いを工夫しているのに,“思うようにいかない”という授業も少なくありません。
本書は,「グループ学習」を生かした授業で,協働的な学びを目指し,授業改善を進めることを,その理論と6学年の授業から提案しています。
子ども同士の対話で進んでいく算数授業は理想だけど、実際にやってみるとすごく難しい。そんな声に応える、グループ学習を生かした算数授業づくりガイドの決定版。 グループ学習の効果的な方法から全体交流の進め方まで、理論と実践の2部構成で深く、広く解説します。グループでの話し合いで見られる「タダ乗り」「ワンマンショー」「蚊帳の外,おいてきぼり」「発表会形式」では成果は期待できないと,子供同士の“対話”のあり方を見ること(視点)をあげていきます。 そして,子供の発達段階(学年)に合わせた“グループ学習の型”が具体的に示されます。 グループ学習の改善では,
【基本的な考え方】 メンバーの考え,解決を持ち寄り,対話して協働的に解決していく過程を取り入れ,グループとして,考え・解法をまとめる。 【プロセス】(1) 課題(問題)に対して自分の考えをもつ。 (2) メンバーの考え・解法を持ち寄り,伝え合い,メンバーの状況を知る。 (3) 話し合いの進め方を相談する。 (4) 互いの考え・解法を説明し,理解し,話し合い(比較検討等),よりよく解決する。 (5) グループとして,考え・解法をまとめる。を示し,授業場面(第2章)で説明しています。 マスク,距離,対面時間の制約,使用後の消毒… 新型コロナ禍で,子供達の学び,学校生活は大きく変わりました。 そして,子供が一人1台端末を使用するようになりました。 本書の提案するグループ学習,そして授業実践を“そのまま取り入れる”ことは難しいでしょう。 しかし,「この型のねらいは…」,「この場面・活動で,子供が分かることは…」などについて考え,できることに置き換えることで,提案が具体的にみえてきます。 さらに,「ここを端末に代えたら…」と考え,試してみることで,“新しいグループ学習”が生まれ,見つけられるでしょう。それを“提案する先生”が増えてくることを期待します。 先生,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け,本書でグループ学習を工夫するヒントを探してみませんか。
目次 はじめに 第1部 理論編 第1章 子ども同士の協働的な学びを目指して 第2章 グループ学習を生かした算数授業の方法 第3章 学習に対する意識と学力の検証 第2部 実践編 第1章 ペア学習を生かした1学年の授業事例 第2章 グループ学習を生かした2学年の授業事例 第3章 グループ学習を生かした3学年の授業事例 第4章 グループ学習を生かした4学年の授業事例 第5章 グループ学習を生かした5学年の授業事例 第6章 グループ学習を生かした6学年の授業事例 引用・参考文献一覧 おわりに【関連】 ◇至学館大学 鈴木正則研究室