集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

修学旅行をどうする。(もしも校長だったら)

花0705。 雨の予報でしたが,昼過ぎまで曇り,午後になって雨が降り出しました。  午前中,地区の神社の掃除祇園の祭りがあり,氏子が出て行いました。  たくさんの落ち葉を片づけ,大雨で荒れた沢を整え,社殿の掃除をし,綺麗になりました。短時間の作業で,とても美しくなりました。  みなさん,ご苦労さまでした。  それに続く祇園の祭礼で,「疫病や災害が起こらないよう,疫病神の怒りを鎮めるよう」,地域・地区の安寧を願いました。そして,大雨の被災地の方々を思い,早い復旧を祈りました。  学校のホームページに「修学旅行に向けて」と現状を伝える記事,「修学旅行のスローガンが決まりました」と子供達の活動・準備が始まったことを伝える記事などが,7月に入って目立ってきました。  春に予定していた学校は,休校で実施できず,時機を探ってきました。そして,実施する際の新型コロナウィルス感染の防止策を検討しています。  ある地区の中学校では,
○ 日程を,1泊2日に短縮する ○ 目的地に,東京を入れない ○ 移動は,バスを利用する
として,目的地や日程を決定していました。  現職のみなさんが苦慮している中で,この話も“後出しじゃんけん”のようで心苦しいですが,「もしも…」を述べていきます。  まず,「修学旅行は“何のため”に行う」のかを再確認と検討を行います。  4月の休校で“教育課程の見直し・修正”が行われています。その中で,修学旅行の“ねらい”や“位置づけ”の変更も検討しています。  そこから…。  修学旅行は,学習指導要領の「特別活動−学校行事」に位置付けられています。学校行事には,「(1) 儀式的行事,(2) 文化的行事,(3) 健康安全・体育的行事,(4) 旅行・集団宿泊的行事,(5) 勤労生産・奉仕的行事」があり,修学旅行は(4)の活動です。  「特別活動」では,
 集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ,様々な集団活動に自主的,実践的に取り組み,互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。
ことを目標として,「学校行事」の目標は,
 全校又は学年の児童(生徒)で協力し,よりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して,集団への所属感や連帯感を深め,公共の精神を養いながら,第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。
となっています。  さらに「旅行・集団宿泊的行事」では,
 平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすること。
とあり,学校から離れた場(日常とは異なる環境)で,「人間的な触れ合いを深め,楽しい思い出をつくる」活動を行い,「学校における学習活動を充実発展させる」ことを目指しています。  修学旅行について,愛知県では「最上学年の児童生徒」が,「【小】1泊2日以内,【中】2泊3日以内」で,「【小】郷土を中心として近隣府県,【中】中部・近畿・関東」の目的地としています。  ここから,“ねらい”と“目標”の重点を新たにし,「今回の“内容・方法」を考えます。
○ 「研修」と「キャリア教育」を中心に ○ 人との交流にオンラインを増やす(事前・事後) ○ オンラインの活用は,当日(目的地)も行う(記録と交流…) ○ 事後2週間の行動に制限をする ○ 体験後(事後)のまとめ(作成,発表…)は… …
 これまでも,職場体験をしたり,事業所を訪問したりしてきました。  その連絡は電話が中心でしたが,テレワークやオンライン会議が広がりました。修学旅行の“学びと交流の場”に,それを活用することで,これまでとは違う学びが期待できます。また,そのなかで,中学生が聴く“新型コロナ禍の体験”は,戦争や震災の語り部との出会いにもつながる“姿勢”に気づき,これからの“生き方”を考える機会を得られると思います。  そのために…。  先の「2週間の行動に制限」は,「他学年との交流を減らす日課と活動」です。修学旅行中に“感染した”という前提で,他学年に広げない“日常生活”を送れるようにします。また,家庭でも「もし感染したら」との想定で,“自宅で静養する過ごし方”を試していただきます。  それで…。  今回も長くなってしまいました。“後出しじゃんけん”はここまでにします。  日々奮闘されている現職のみなさん,暑い夏がやってきます。疲れをためないよう休み休みに。  お読みいただき,ありがとうございます。 【関連】   ◇公益財団法人日本修学旅行協会   ◇一般社団法人日本旅行業協会   ◇修学旅行情報センター(全国修学旅行研究協会)   ◇修学旅行は実施できるのか(横井利明オフィシャルブログ) 【蘊蓄(うんちく)】 ◇修学旅行の始まりは,1886(明治19)年に実施された東京師範学校の「長途遠足」だと言われています。
 2月15日〜25日、千葉県下に「一ハ兵式操練ヲ演習セシメ、一ハ実地ニ就テ学術ヲ研究セシムルノ目的」で長途遠足を行う。報告書に「長途遠足ノ学術上ニ有効ナルハ教員一同ノ確認セル所ナリ。只一日七里前後ノ行程ニテハ生徒ノ疲労甚シキヲ以テ途次随所ニ於テ其精神ヲ学術上ニ用ヰシムルコト難ク、又予メ旅程ヲ定メ、前ヨリ時日ヲ限ルコト今回ノ如クスル時ハ毫モ猶予ナキヲ以テ学術上、事業ニ十分ノ時ヲ興フルコト能ハズシテ間々課業、半途ニシテ之ヲ止ムルガ如キ不幸アルベシ。故ニ今後ハ一日、行程ヲ五里内外トナシ、若シ学術上研究スベキコトアルニ当ラバ充分ノ時ヲ之ニ用ヰ得ベキヤウ、予メ時日ノ猶予ヲツケ置クコト緊要ナルベシ」とある。  この旅行は「行軍」の計画に対して、高嶺校長らが「学術研究」及び「教育」的配慮を加えて実施したものである。
◇1958(昭和33)年に,修学旅行が,教育課程に位置づけられた。
 8月、学校教育法施行規則の一部が改正され、小・中学校の『学習指導要領』に「学校行事等」が位置づけられ、ここで修学旅行は中学校で「学校が計画し、実施する教育活動」となった。なおこの学習指導要領による教育の実施は昭和35年からである。