集団「Emication」別館

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「啓蟄」。学力検査。民具について 『家居 1』(続 つくで百話)

花0305。 昨夜からの強い風が,日中も建物を軋ませるように吹き続けました。暴風の被害が出てはいないでしょうか。  今日は二十四節気の一つ「啓蟄」です。  「」には「ひらく,開放する,(夜が)明ける」,「」には「冬ごもりのために虫が土の下に隠れる,とじこもる」との意味があります。春の暖かさを感じて,冬ごもりしていた虫が外に這い出てくる頃です。  暖冬で,すでに虫も蠢いているでしょうが,今日の風と寒さに驚いていることでしょう。  新型コロナウイルス感染の拡大で,いつものようなうきうきする感じになりませんが,さまざまな動きの始まる「」です。  今日は愛知県公立高校Aグループの学力検査が,県内78の会場で行われました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために,アルコール消毒液が設置されていたり,受験生はマスクを付けたままだったりしたようです。  受験生のみなさんは,落ち着いて実力が発揮できたでしょうか。  これまで,夕方に学力検査の解説番組がテレビで流れたと思いますが,今日の番組欄には見当たりませんでした。受験生にとっては,テレビよりネットなのでしょうね。 【参考】   ◇令和2年度 愛知県公立高校入試 問題・解答速報(中日進学ナビ)   ◇2020年度 愛知県公立高校入試 Web解説(野田塾)   ◇令和2年度 愛知県公立高校入試 問題分析&解答河合塾Wings)   ◇愛知県公立高校入試Aグループ問題・解答・分析佐鳴予備校)   ◇高校受験2020ニュースまとめ(リセマム)  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「民具について」です。 ********     民具について   小林 峰田好次 家居  作手の昔の住居は,殆んど同じような様式に建てられていた。  普通の農家は,本宅,かまや,納屋の三つ建てで,かまやを別建てにせず,本宅と一つ屋根に納めた家もある。他に隠居所を別建にしたり,かまやも納屋もなく本宅だけの農家も少くなかった。  本宅の間取りは,おおえ,おでい,おくでい,へや,だいどこである。だいどことおおえに囲炉裡が切られている。  柱には,栗,櫟などの広葉樹が用いられ,それも斧けずりの仕上げが見られ,土台石の上へ直接立てられている。框も敷居もやはり,粟,欅,桜などである。  天井には,太くて曲った松の梁が,座敷の真中で十字に組まれ,その上に竹の箕の手編みが見られる。竹は,男竹,女竹共に用いられ,一本一本縄で巻き締められている。古老の話によると,座敷の床も竹の箕の手張りで,その上へ莚や菰を敷いたとのことである。  梁が十字に組まれると,それを支える中性が必要なので,八畳十畳の広い室には中柱が使われ,小さい室は,渡し梁,箕の子天井である。箕の子天井の上には,年間使用の薪が何百束も上げられ,屋根替え用の萱の束も上げられているというのが通例である。  室と室との境や外側には骨太の障子や,粗末な板戸が建てられていたが,土間と座敷の境は,上り框といって戸障子は無かった。  屋根は萱の葺き下げで,手の届くあたりまで軒先が下り,屋根裏の矛竹が縄に結ばれて見えている。この軒を受ける軒桁を使った家には三尺程の濡縁がつけられた。また,床の間,仏間,押入れも,本図の中には無く軒下出作りになっている。 (つづく) ******** 注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で 注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で