敬老の日。『ペンの力』(浅田次郎・吉岡忍・著)
天気の良い暑い日になりました。
今日は,国民の祝日の一つ「敬老の日」です。
1966年に「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し,長寿を祝う日」として制定されました。
3年前の記事に,“敬老の日”や“老人の日”について書いています。よろしければ参考(蘊蓄)にどうぞ。
◇今日は「敬老の日」。(2016/09/19 集団「Emication」)
総務省の推計によると,65歳以上の高齢者数は3,588万人で,前年より32万人増だそうです。
総人口に占める割合は28.4%と過去最高,65歳以上の就業者数は862万人で15年連続で過去最多を更新しました。
日本ペンクラブの第16代会長 浅田氏と第17第会長 吉岡氏が語り合う『ペンの力(集英社新書)です。
浅田氏は「まえがき」を
私たちが生きている地球の平和を,けっして他人事のようにかんがえてはならない。また,その平和を担保する言論表現の自由を,けっして損なってはならない。 本書を読むのではなく,本書を読みながら議論に加わっていただければ幸いである。と終えている。 各章で,取り上げた時代のようすと文学作品や論考を紹介し説明(解説?)をしています。その“説明(解説?)”に議論していくには,その濃さに応える力量が必要かと思います。
戦後七〇年間、暗黙のうちに、政治的な立場を表明せずに中立を保つことが作家のとるべき理想的態度とされてきた。だが、特定秘密保護法案やいわゆる「共謀罪」が可決され、言論の自由が岐路に立たされつつあるいま、「政治と文学」をめぐる従来的なスタンスは根本から問い直されている。閉塞感にあふれた「もの言えぬ時代」の中で、日本ペンクラブ前会長・浅田次郎と現会長・吉岡忍が、もはや絵空事とはいえなくなった「言論弾圧」の悪夢に対して警鐘を鳴らした緊急対談。それぞれの世界観から語られる内容,発せられる言葉に,“ペンの力”を強く感じます。 その力に負けない議論は,とても無理ですが,少しでも考えたいと強く思う対談が続きます。 ”考える”ことの大切さを感じさせてくれる一冊です。 あなたも論議してみませんか。
目次 まえがき 浅田次郎 第一章 自衛隊と文学者 〜三島由紀夫で人生を変えた二人 第二章 明治一五〇年 〜大逆事件、明治期の戦争と文学 第三章 大正デモクラシーと昭和の暗転 〜谷崎潤一郎、石川達三、川端康成、火野葦平 第四章 日中戦争期の戦争と文学 〜金子光晴、林芙美子 第五章 ペンクラブの時代 〜島崎藤村、井上ひさし 第六章 それでも私たちは戦争に反対する 〜坂口安吾 あとがき 吉岡忍 年表 参考文献【関連】 ◇日本ペンクラブ ◇統計トピックスNo.121 統計からみた我が国の高齢者−「敬老の日」にちなんで−(総務省統計局)