節句。「おとうさんの若い頃の食べ物の話」《父母が子どもの頃 12》
曇った肌寒い日,雨が降りだし,一層寒く感じる日でした。
今日3月3日,「上巳(じょうし)の節句」です。
「ひな祭り」「桃の節句」で,女の子の節句とされます。雛人形やその調度類を飾って,桃の花や白酒,菱餅などを供えて,健やかな成長を祈ります。
こうした話で「女の子の…」とすると,「それは問題があり…」と指摘する方々があります。
似た話は,NHK大河ドラマ「いだてん」の描写にもあるようです。
「問題ない」と思うのですが,そう考えるのは“古い”のでしょうか。
話題を戻して,ひな祭りの歌といえば,「♪あかりをつけましょ ぼんぼりに…」で始まる童謡『うれしいひなまつり』ではないでしょうか。
先日のNHK「チコちゃんに叱られる」で,この歌を取り上げていました。そこで「えっ。」と驚いたことがありました。
2番で歌われる「お内裏様と お雛様 二人…」です。
この歌が世間に広まったことで,“勘違い”も起こっていたようです。その一人でした。
お内裏様って誰? お雛様は?
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「父母が子どもの頃」の一話です。
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『おとうさんの若い頃の食べ物の話』 (文・協和小4年 男子)
ぼくのおとうさんの若いころは,戦争のためにいろいろな物がたりなくなり,たいへん不自由なくらしをしたそうです。
特に,いちばんたいせつなお米がたりなくて,木の葉やいものつる,かばちゃ,じゃがいもなどのぞうすいをたべてくらしたそうです。おとうさんは,
「今は,お米があまって困ると言うが,まったくおかしな話だ。」
と,むかしのようすを話してくれました。
おとうさんの話では,むかしは年をとる大みそかでも肉も魚も買えなくて,あぶらげ半分,ちくわ半分に,にんじんやごぼうのにつけで,年をとったそうです。また,学校でも給食などなくて,毎日べんとうをもって行ったそうです。そのべんとうも,赤みそのおかずで,ぬくとめるとみそがごはんにしみて,たいへんおいしかったそうです。
ぼくは,そんなおとうさんの話を聞いて,むかしの人はほんとうにかわいそうなくらしをしたんだな,と思いました。それにくらべてぼくは,家でも学校でも,すききらいをしているが,何でもたべないともったいないことだ,と思いました。
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【参考】
☆童謡『うれしい ひなまつり』
作詞:サトウ・ハチロー/作曲:河村光陽
【関連】
◇チコちゃんに叱られる!(NHK)