集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

立春。「いろいろなおふろ」《生活の移り変わり 22》

花0204。 今日は,二十四節気の一つ「立春」です。立春は,“一年のはじまり”であり,この日を基準にして,いろいろな節目の日があります。  二十四節気の最初です。  昨夜からの強い風が続き,台風のような暴風を感じることもありました。気温は高く,当地も二桁になりました。  春を感じる「立春」の一日でした。  夕方,週末に開く会議の打合せを行いました。  新しい組織,運営へと移行していく節目の会議です。これまでの準備や話し合いで“粛々と進んでいる”ことですが,それぞれの思いを大切にして“新しい形”になっていけるとよいと思います。  よろしくお願いします。  文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「生活の移り変わり」の一話です。 ********    『いろいろなおふろ』 (文・巴小3年 女子)  土曜日の夕方,おかあさんに,「昔の作文を書いていくだで教えて」ていったら,おかあさんは 「ちょっと考えにゃあわからんで あとで話してあげるわ。」 といいました。それからおふろにおかあさんといっしょにはいっていたら,きゅうに,おかあさんは,せ中を洗う手を休めて, 「ああ,おふろの話でもいいら。」 といって,昔のいろいろなおふろのことを話してくれました。  わたしの家のおふろは,まだ木のふろおけです。ニ本のえんとつがはいっていて石油をバーナーで送っておふろをわかすので,昔みたいにたきぎがなくても わかせます。マッチ一本で火をつければ三十分ぐらいでおふろは わいてしまいます。わたしは,おふろといえば,自分の家にあるものしか知らなかったので,おかあさんの話をとてもたのしくきくことができました。おかあさんは,四つのかわったおふろを教えてくれました。  その第一は,へそぶろです。わたしは,へそぶろときいた時,どうぶつしかへそがないと思っていたけれど,おふろにもへそがあるんだなとふしぎに思いました。 「どんなおふろだったて。」 ときいてみました。  すると おかあさんは, 「おかまが ふろおけの下の方に,よこについていて半分が火をたく所になっていて,あとの半分が おけの中に とび出ているので ヘそぶろとゆうんだよ。」 と教えてくれました。わたしは,やっとなっとくすることができました。  こんどは,ごえもんぶろを教えてくれました。それによると,ごえもんぶろは,お寺にあるつりがねのようなかまです。そのかまの上に,ふろおけをのせて作った物で じごくぶろとよくにているけれど,おかまが少しちがっていました。  第三番目に じごくぶろはフライパンのような形をしたおかまで,おふろに入る時は,うきぶたを入れて入りました。子どもだけで入る時は,じょうずに入らないと,おかまに足があたって,やけどをしそうになるので,気をつけて入ったそうです。おかあさんもそのおふろには長いあいだ入っていました。  さい後に てっぽうぶろは ヘそぶろとにているけれど,火をたく所がよこについていて,えんとつみたいな所から,たきぎを入れておふろをわかしたと教えてくれました。  今では,あちこちの家で 新しく家をたてなおしているけれど,昔のおふろをそのまま使っている家もたくさんあります。おとしよりの人は,やはり 木のふろの方が体のためにいいとか,体がよく休まるとかいうそうです。でも,わたしは やはり 赤やもものタイルのおふろの方がいいなあと思います。ポリバスのきれいなおふろの方がいいなあと思います。わたしの家のおふろは,木で作ってあります。たくのはせきゆでかんたんですが,早くもっときれいなおふろにしてほしいと思います。 ********  作文に出てきた「へそ風呂」「五右衛門風呂」「地獄風呂」「鉄砲風呂」,そして木の風呂タイルの風呂,ご存知ですか。入ったことがありますか。  今では,多くの家庭で「ボタン一つで風呂が沸く・お湯がはれる」のではないでしょうか。  「おかまに足があたって火傷…」など,今では考えられませんが,これによって“鍛えられた”こともあるように思います。  「便利なこと」はありがたいことですが,それによって“失われたこと”を知って,「今を暮らす」ことは大切だと思います。  さて,…。