夏至。「田原のだいじゃ」《作手村のむかし 15》
今日は二十四節気の一つ「夏至」です。
北半球では,太陽が最も高く昼間の時間が最も長くなる日ですが,雨は降りませんでしたが,太陽の高さを感じることはできませんでした。
「もう夏至」,ここから昼が短くなっていきます。これからが「夏」。何かと“早い”今年ですが,どんな夏になるでしょう。
“夏”を楽しみたいと思いますが…。
当地の子供達は,水泳の授業は,学校施設ではなく地区のプール(鬼久保広場)を利用しています。屋根のあるしプールですので,天候に左右されず実施できます。
今日も,校舎の前で「行ってきます!」と元気に挨拶する姿がありました。
天候を心配せずに実施できることは,子供達の学びと成長によいことだと思います。
さて,明日は…。
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「作手村のむかし」の一話です。
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『田原のだいじゃ』 (文・開成小2年 女児)
田原の火の見やぐらのある近くに,むかし一けんの家がありました。この家のおとうさんは,毎日山へしごとに行き,おかあさんは,いつも,はたをおっていました。
いつものように,はたをおっていると,おかあさんのかみの毛が,一びきのだいじゃとなりました。ちょうど子どもがなきだしたので,おかあさんは,しごとをやめて子どもに,ちちをのませていました。そこへおとうさんが,山からかえってきました。見ると,どうしたことか大きなだいじゃが,子どもにちちをのませていましたので,おとうさんは大そうおどろきました。
だいじゃになったおかあさんは,おとうさんにすがたを見られたので,「わたしはあね川のふちにすむだいじゃです。いろいろ長い間おせわになりましたが,これでおいとまいただきます」というと,自分のすんでいたあね川の深いふちに入って,すがたをけしてしまいました。
そののち,ふちはだんだんあさくなって来たので,川にそって川を下り,くろせの「かめぶち」というところにすむようになりました。川を下る時,だいじゃのはくいきで,川ぎしの草はやけてしまったそうです。
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【参考】
◇6.19プール開き(新城市立作手小学校)