『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(磯田道史・著)
朝から青空が広がって天気のよい日になり,当地でも30度を超えるのではないかと感じる“暑い一日”でした。
今日,つくで交流館に入ると,カウンターにある山野草が新しくなっていました。
新しいものは,ウサギゴケとイワタバコでした。
ウサギゴケは,湿地に生える岩生植物で,南アフリカ共和国の固有種だそうです。
名前に“ゴケ”と付いていますが,苔の仲間ではなく,名前を「ウトリクラリア・サンダーソニー」といい,その容姿から通称として“ウサギゴケ”と呼ばれるようです。
◇ウサギゴケ(@tsukude Instagram写真と動画)
可憐で可愛い花が,来館者を楽しませてくれます。
新書の書架を見ながら,「日本史」「磯田道史」「司馬遼太郎」にひかれて『「司馬?太郎」で学ぶ日本史』(NHK出版新書517)を手に取ると,カバーが2枚かかっていました。
他のNHK出版新書と同じデザインのカバーの上に,磯田氏の写真とコピー(帯はない)が大きくありました。
売れている(売ろうと力が入っている?)本のようです。
司馬遼太郎氏の“作品”を紐解きながら,そこに描かれた“歴史”を掘り下げています。
第一章で,『国盗り物語』について,
大衆社会の到来です。しかも会社の規模が大きくなっているので,大学を出ればきっちりと会社の職が提供されるようになりました。個人にとっても,成功の物語がある程度は用意されていた。そうした時代背景も,出世物語としての『国盗り物語』が大衆の支持を集めた重要な要因でした。とまとめていました。 司馬氏の人物の描き方について,
序章で,「着眼大局,着手小局」の話をしましたが,司馬さんが好んで取り上げる人物は,その人物に焦点を合わせることで時代の大きな流れを描ける人物です。なおかつ読者の共感が得られる人物でなくてはならない。(略) 以上の三つの要素にさらに加えるならば,権力そのものと言える人物ではなく,(略)と説明していました。 序章で,“歴史小説”について次のように説明されていました。
じつは,歴史文学というものは大きく三つに分けられます。ひとつは歴史小説,もうひとつが時代小説,そして,最近はあまりふるわないのですが,史伝文学というものもあります。史実に近い順番でいうと,史伝文学,歴史小説,最後に時代小説です。初めて知りました。「なるほど。」と。 司馬遼太郎氏の“歴史への思い”が,磯田氏の言葉で,分かりやすく読みやすく書かれています。 司馬氏の作品は,歴史を描くとともに,そこに未来に向けての提言が込められているようです。 司馬氏の作品を読み直して,“日本史”を楽しもうと思います。
目次 序章 司馬?太郎という視点 第一章 戦国時代は何を生み出したのか 第二章 幕末という大転換点 第三章 明治の「理想」はいかに実ったか 第四章 「鬼胎の時代」の謎に迫る 終章 二一世紀に生きる私たちへ【応援】 ◇波多の明翠さん 本州縦断フットレース(SumiArtist 波多の明翠のBlog)