集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『デジタル依存症の罠』(香山リカ・著)

花0121。 寒い朝が続いていますが、日中は日差しが出て暖かく感じられました。  中華圏の旧正月春節」休暇(21日〜27日)が始まり、大きく人の移動が始まっています。  これから、春節とともに、寒波もやってきます。新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスへの感染予防に努め、体調を整えて過ごしましょう。  著者(香山リカ)名を見て、“精神科医”として“ネット社会・デジタル社会”について語るのか『デジタル依存症の罠 ―ネット社会にどう対応するか』(さくら舎・刊)を興味をもって読みました。  著者紹介、著者のTwitterを見て2022年4月から“へき地医療”に携わっていることを知りました。
 大学専任教員(哲学系)を辞して、へき地診療所に指定されてる穂別診療所の総合診療医95%、東京の精神科医5%の時間配分で働く医者生活になりました。
 本書は、2022年5月の発行で、これまでの精神科医としての臨床・研究をもとに、易しく(?)述べられています。  ネット社会について述べられるとき、その発展による“便利さの功”も言われますが、それにも増して、ケータイなどへの“依存の罪”が連なります。  そして、その対象に“子供”や“若者”を挙げるものが多いように思います。  本書を手にしたとき、思い浮かんだのは“子供”でした。そして、本書を読み進んでいきました。  それが、第5章になって、“シニアの依存”に大きな問題のあることに気づかされました。  著者は、オフィシャルで本書について、
 著者が精神科医になった頃、テレビゲームは楽しみと同時に癒しやなぐさめなどの効果があるものだった。それから25年余、社会は爆発的にデジタル化に突進。  インターネットとスマホの驚異的普及は、生活をガラリと変えた。なかでも、スマホの衝撃は計り知れない。それによるコミュニケーションの形、人とのつきあい方の変容は、子どもから高齢者まで、どれほどの影響を受けているか。デジタルの恩恵は大きく、多分野に加速度的に拡大。  もはや誰もがデジタルから離れられなくなっている現状に、精神科医として、どうしても悪影響や危険性、潜んでいる問題に言及しないわけにはいかない。そして、それらにどう対応すればいいのかを具体的に語る。
と紹介し、“子どもから高齢者まで”への悪影響や危険性があることを述べています。  GIGAスクールの環境で学ぶ子供、ネットゲームを楽しみ子供、ポチッと買い物をする大人、AIの選んだ相手と出会う若者、行き先をネットで選ぶ大人…  それが“依存症”に向かうのか…  日々の暮らしを振り返り、ネットの利用、活用について考えることの多い内容です。  “高齢者”のみなさんに読んでいただきたい一冊です。  読書メモより
○ たとえ「虚構の世界」であっても、登場人物から「あなたのおかげで本当に助かりました。ありがとう」と言われるのは、傷ついた心が癒され(略) ○ そのことをやりすぎたときに、自分で「やめたほうがよい」と思っても、その行動をやめことができない。 ○ ある女子学生は、「自分をよく見せたいというより、見る人に不快感を与えたくない。きれいなものを見たら誰だっていい気分になるじゃないですか」と語っていた。写真の加工は「マナー」だと言うのだ。 ○ 教員や保護者など指導的立場にある人が、単に使用を制限したり禁止したりするだけでは有効な解決策にはならないことは確かである。 ○ 事実とは何か。ウソとは何か。これまでとても重要とされてきうた問題が、SNSの普及とともに激しく揺らいでいるのだ。 ○ 格差を解消するもの、それがICT。そう言うことも可能だろう。 ○ これもコロナ禍がもたらしたものではあるが、入試やクイズ番組で求められる「知識」の意味が、決定的に変わりつつあるとも言える。 ○ 問題はそこで「わかった気」になってしまうことだ。 ○ ネットいじめをおこなう人の多くは、実は「傷つけられたのは自分だ」と感じており、それを怒りという形で(略) ○ 「あくまでも使うのは私」という、“主人公”感覚を忘れずに、子どもたちといっしょにその使いこなしを学んでほしい。 ○ 精神科医としていちばん気になるのは、「ひとりにひとつ」であったはずの人間の人格はどうなってしまうのか、ということだ。 ○ 私たちは、いままさに「人間とは何か」という本質的な問題に直面しているのかもしれない。 ○ 世界に開かれているように見えるが、実はそこではフィルタリングが起きている。 ○ (略) 基本的に無料だが、「その対価として閲覧履歴が知られるのは仕方ない」と言うのだ。 ○ それを防ぐためには、「いくら膨大な情報があろうとも、自分の頭で考えて自分で決める」という原則は手放さないでほしい。 ○ 実際に生きていくのは、リアルな空間での「この私、このからだ」なのである。
   目次 序章 デジタル社会に生きるということ 第1章 テクノストレスなしで生きられない 第2章 SNS依存症の深層 第3章 ICT教育がもたらすもの、奪うもの 第4章 デジタル多重人格の出現 第5章 シニアのデジタル依存症は悪性化しやすい 第6章 心の専門家はSNSをどう使うべきか 終章 デジタル情報疲れへの処方箋 あとがき
【関連】   ◇香山リカ (@rkayama)Twitter)   ◇香山リカ オフィシャルウェブサイト
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