集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

冬至。 年末年始に

花1222。 朝から冷たい雨が降り、時折日差しがありましたが、低温寒い一日でした。  今日は、二十四節気の一つ「冬至」です。一年で昼が一番短く、夜が一番長い日です。「一陽来復」、日の長さは徐々に伸びていきます。
復、亨。出入无疾、朋來无咎。反復其道、七日來復。利有攸往。(「易経」より)  「復は亨る。出入疾(やまい)なく、朋(とも)来たりぬに咎(とが)なし。反復その道、七日にして来復。往くところ有るに利(よろ)し。」
 強い寒波大雪が予想されていますが、徐々に日が長くなり、陽の力がわいてきます。  今夜は暖かくして過ごし、明日からの生活に臨みましょう。  先日、『日本のしきたり』(新谷尚紀・監修)を読みました。  普段の生活は“旧いしきたり”を気にしていないと思いますが、年末年始には“意識すること”がいろいろあります。  みなさんのお宅では、正月準備は進んでいますか。暦や風習では、正月準備について次のようなことがあります。
12月13日正月事始め 正月事始めは、お正月を迎える準備を始めることです。12月13日を皮切りに、お正月に向けて様々な準備を行い、満を持して新しい年神様をお迎えします。「煤払い」「松迎え」などがあります。
12月28日(正月飾り) 正月飾りをするのに縁起の良い日です。28日は「末広がり」を意味する「」が付く日のため、縁起が良いとされています。
12月29日 この日に正月準備をするのは避けます。29が「二重苦」、一年の最後の9が付く日で「9末」→「苦待つ」となるためです。
12月31日(大晦日) この日に飾るのは、「一夜飾り」「一日飾り」として年神様に失礼にあたるため、正月準備は避け、これまでに終えておきます。また、30日も旧暦では「晦日」とされるため、一夜飾りと同じ意味になるとも言われています。
 「正月に向けた準備は、特別なことはしない…」と言われるかもしれませんが、以前も紹介したお正月の蘊蓄(うんちく)から紹介します。  今日は、門松、しめ飾り、鏡餅です。話のタネにどうぞ。 
 門松
   神様が家々に降りてこられるための依り代です。最後に降りてこられる所で、門前を清めて年神様を迎えます。  新年を祝って、家の門口等に立てられる松竹の飾りです。「松飾り」「門の松」とも言います。古くは,木の梢等に神は宿るとされ、門松はその依り代として、そこに年神様を迎えて祀ります。  門松は、松とは限らず、榊、栗、楢、椿等の常緑樹であれば何でもよかったのですが、今では松しか差されていないようです。鎌倉時代から、竹を一緒に飾るようになりました。   門松を取り付ける日
   良い日  12月26日、27日、28日、30日
   悪い日  12月29日「苦立て」、12月31日「一夜飾り」といい、この日だけは門松を立てるのを嫌う風習があります。
 門松は、1月6日に片づけ、それまでを「松の内」といいます。
 しめ飾り
   注連縄で作ったお飾りのことです。正面玄関の軒下につるします。家の中にある古い年の不浄を払って、「いつも神様をお迎えできます」という印です。  正月に門松や玄関、床の間、神棚などにしめ縄を張って飾ります。人間に災いをもたらす、禍神が家の中に入ってこないように、呪いとして飾ります。  注連縄は、左ひねりが定式で、これは左を神聖視する旧来のしきたりです。  飾りには、輪飾り大根締め牛蒡締めなどがあり、餅、昆布、松葉、魚、橙等付けて飾ります。
 鏡餅
   神様へのお供えものです。それをさげていただくのが習わしであり、 生命力をもたらすとされます。
  お飾りの意味
   うらじろ …… 長命をあらわす
   ゆずり葉 …… 後の世代まで長く福をゆずる
    だいだい …… 家系が代々繁栄する
     昆布 …… よろこんぶ
     干し柿 …… 幸福をしっかり取り込む
    伊勢えび …… 海老の中でも最も立派な海老で、腰が曲がるほどの長寿を願う
  飾り方
   一般家庭では、三方に半紙を敷いた上に大小のおもちを乗せ、だいだいまたは青い葉付きみかんを乗せるだけでも十分。  三方がない場合は、お盆などの上に白い紙を敷き、うらじろゆずりはを乗せて餅を重ねた上に青い葉の付いたみかんを置いてもよい。
 次回、おせち料理屠蘇についての蘊蓄の予定です。 【関連】   ◇日本鏡餅組合   ◇お節料理(2017/12/28 集団「Emication」)   ◇大晦日。「初夢・宝船」。(2020/12/31 集団「Emication」)