集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

再読『デジタル・シティズンシップ』(坂本旬・芳賀高洋 他・著)

重陽0909。 今日9月9日は,五節句の一つ「重陽節句」です。旧暦で菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。  起源となる中国では,奇数は縁起のよい“陽の数とされ,一番大きな陽の数である「」が重なる日であることから,「重陽」と呼ばれます  「デジタル・シティズンシップ」という言葉をご存じですか。  学校・教育では、GIGAスクール構想による通信環境、一人1台端末の整備とともに、指導や内容について「デジタル・シティズンシップ教育」の考え方に指向してきています。  「先生、そうですよね」  「あれっ…」  “一人1台端末をもつ日常”ですが、まだまだ学校現場では…。  総務省内閣府中教審生涯学習分科会における“デジタル・シティズンシップ教育政策推進に向けて進んでいます。そして、次期学習指導要領で採用されると言われています。  こうした現状であり、長期休業を明けた学校で、“一人1台端末2年目”の指導や内容の見直し改善がされたことと思います。  以前に紹介した図書『デジタル・シティズンシップ:コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び』(大月書店・刊)を読み直しました。  前回の記事で
 学校・教育に限らず,"新しいこと”に出会うと,自分がこれまでに経験した・知っていることから"似ているもの"で理解しようとします。  しかし,新型コロナ禍で,それでは十分でないことを経験しました。新型コロナウイルス感染症への"予防対策・対応”は,新しい知見が明らかになり,その都度グレードアップされてきました。  「デジタル・シティズンシップ」は,“情報モラル教育”が変わったというより,“新しい知見によりアップグレードしたもの”として学校・教育が受け入れていくことだと思います。
と、情報モラル教育からのアップグレードを期待しました。しかし、今も「○○を招いて情報モラルのワークショップを…」といった学校ホームページの記事を多く見かけます。  第2章「情報モラルからデジタル・シティズンシップへ」で、情報モラル教育の変遷とその力点、そして、情報モラルデジタル・シティズンシップの対比が具体的に説明されています。
 「情報モラル教育」から、「世界標準」のデジタル・シティズンシップ教育へ。  ネットの危険性を叩き込むのではなく、参加型学習によって対話しながらデジタル技術・思考を身につけ、社会を主体的につくる学びへと誘う。
 多分、子供や保護者にとって「情報モラル」でも「デジタル・シティズンシップ」でも、どちらの用語でも構わないのだと思います。  「一人1台端末の活用の教育」として、新しくなった“情報モラル”を語られれば理解し行動されます。新しい用語“デジタル・シティズンシップ”を使えば、それだけで新しさが伝わります。  何より肝心なのは、本書のなかで繰り返し述べられる“デジタル・シティズンシップ”の哲学であり、姿勢です。  先生によっては、「自分が子供に言っていることが、授業と端末使用で違っている」ことを認識するかもしれません。授業では“デジタル・シティズンシップ”で目指す姿を、子供に求めていたのに、端末使用では…、と。  教育に携わるみなさん、週末や連休をつかって、読んでみませんか。  また、教育行政に関わるみなさん、今後の施策を検討する参考にしていただきたいと思います。  保護者、地域のみなさん,“一人1台PC時代の善き使い手”としての学びを知り,子供達を応援・支援をお願いします。  みなさんにお薦めの一冊です。
   目次 はじめに 第1章 デジタル・シティズンシップとは何か(坂本旬) 第2章 情報モラルからデジタル・シティズンシップへ(芳賀高洋) 第3章 我が国の教育情報化課題とデジタル・シティズンシップ教育(豊福晋平) 第4章 デジタル・シティズンシップ教育の実践(今度珠美・林 一真) 参考文献
【関連】   ◇坂本 旬Facebook)   ◇坂本旬 note   ◇芳賀高洋Facebook)   ◇芳賀 高洋 (Haga Takahiro)(マイポータル - researchmap)   ◇豊福 晋平Facebook)   ◇豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) (@stoyofuku)Twitter)   ◇今度珠美Facebook)   ◇今度珠美 今度珠美@デジタル・シティズンシップ (@TamaImado)Twitter)   ◇林 一真Facebook)   ◇日本デジタル・シティズンシップ教育研究会 @dcs20191Facebook)   ◇『デジタル・シティズンシップ プラス: やってみよう! 創ろう! 善きデジタル市民への学び』(坂本旬・豊福晋平 他・著/大月書店・刊)   *検索「ICT」(集団「Emication」)   *検索「GIGAスクール」(集団「Emication」) 【合わせてお薦めする関連本】   ◇『学校アップデート』(堀田龍也 他・著)(2020/08/24 集団「Emication」)   ◇『デジタル・シティズンシップ』(坂本旬・芳賀高洋・豊福晋平・今度珠美・林一真・著)(2021/03/29 集団「Emication」)   ◇『次世代学校ICTシステム活用術』(玉置崇・著)(2021/04/14 集団「Emication」)   ◇『小学校ICTの授業づくり 超入門!』(高橋純・水谷年孝・編著)(2022/06/26 集団「Emication」) 【参考】   ◇デジタルシティズンシップとは何か――1人1台時代のデジタルシティズンシップ(1)(2022/08/31 教育とICT Online)   ◇豊福先生が答えるデジタルシティズンシップ教育の疑問――1人1台時代のデジタルシティズンシップ(2)(2022/09/02 教育とICT Online)
記事(1)掲載の「定義」(クリックで拡大) 定義0909。