集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

啓蟄。『いけない』(道尾秀介・著)

花0305。 今日は,二十四節気の一つ「啓蟄」です。  「」は“ひらく”,「」は,“土の中で冬籠もりしている虫”という意味で,今まで土の中にいた虫たちが,春の到来を感じ,草木の芽吹きとともに,地上へ這い出してくる頃です。  今日の寒さに驚き,這い出そうとした虫は出てこられなかったかもしれません。  明日は暖かくなるかな。  寒暖の変化に,体調を崩さないようにお気を付けください。  小説が読みたいと思い,図書館で借りた『いけない do not』(文芸春秋・刊)です。読み終わって知りましたが,「体験型ミステリー」と言われるジャンル(?)の本だそうです。  4話のミステリーを楽しく読みましたが,“体験型”には気づきませんでした。  図書館の本で,外されていた帯に,そのヒントがあったようです。
   本書のご使用方法 ・ まずは各章の物語に集中します。 ・ 章末の写真をご覧ください。 ・ 隠された真相に気づきましたか? ・「そういうことだったのか?」  だまされる快感をお楽しみください。   ※再読ではさらなる驚きを味わえます。
 読むなかで,章末の1ページに載る“1枚の写真”に「あのことか…」や「これは…」と思いましたが,それ以上ではありませんでした。  使用法を知って読んでいたら…。  本を開くと,最初に「白沢(はくたく)市・蝦蟇倉(がまくら)市サイクリングマップ」が載り,ここが物語の舞台です。  第一章のタイトルに入る“弓投げの崖”が右下側にあり,手前に立ち入り禁止の表示があります。
 誰が言い出したのだろう。  海岸線に沿って白沢市と蝦蟇倉市を結ぶ,白蝦蟇シーライン。その道を南下するとき,左手に現れる弓投げの崖を,決して見てはいけない。
 その白蝦蟇シーラインを走行していく自動車を運転する 安見邦夫 が主人公のようです。  でも,すぐに事故に遭い,乱暴を受け…。  第二章,登場するのは中国人の子供 (マー)(カー)です。別の話に変わったようです。  ところが…。  「あれっ」,この人は…。この事は…。  第三章では,竹梨(たけなし)の登場で始まります。この名は,第一章に出てきた“後輩刑事”と同じです。読み進むと,その人でした。  ということは,第一章に続く話のようです。そして…。  終章は…。  各章とも,読みながら思うことが,最後を読んで「えっ,そうなの」と驚かされます。  そして,読み終えて分かる“真実”に驚きます。  体験型ミステリー小説で楽しい時間をいかがですか。
   目次 第一章 弓投げの崖を見てはいけない 第二章 その話を聞かせてはいけない 第三章 絵の謎に気づいてはいけない 終 章 街の平和を信じてはいけない
【関連】   ◇道尾秀介 (@michioshusuke)Twitter)   ◇道尾秀介オフィシャルサイト