集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

春を愛でる。『日常にひそむ うつくしい数学』(冨島佑允・著)

ドライブ0301。 気温が上がりましたが,当地は“今日も寒い日”でした。  午後,春を愛でに出かけました。ドライブしながら川売 梅の里 から長篠 河津桜並木を回り,久しぶりに道の駅 もっくる新城へ寄って戻ってきました。  山道を走っているうちは“冬の空気”でしたが,里に入って“明るさ”にを感じました。  川売では,満開の梅を写真に収める人,散策する人がいました。河津桜並木に着いたときは自分たちだけでしたが,散策して戻る時には人が増えていました。  “”を愛で,楽しいドライブでした。  算数・数学に関する本を読むなかで,なぜ「うつくしい」と平仮名なのか気になって手にした『日常にひそむ うつくしい数学』(朝日新聞出版・刊)です。  面白かった。  以前に,副題に「数学嫌いと思っていた人に読んで欲しい本」とあった本を紹介しました。この本を“数学嫌いと思っている人”が読んでも,やはり好きにはならないでしょうが,「数学って面白そう」と思う話(ネタ)がたくさん見つかる一冊です。  他にも似たアイデアで企画され編まれた図書もありますが,“読みやすさ”は抜き出ていました。
 自然界から人間が創造したものまで身の回りにあるさまざまな「不思議」「美しい」「おもしろい」の謎。本書では、そこに隠された法則を数学を使って解き明かす。小学校卒業レベルで理解できる平易な解説で、数学的感覚も養われる一冊。
 このように出版社が紹介しています。  取り上げられている題材(数理)は,“数学をかじったこと”のある方であれば,詳しく説明できないまでも聞いたことのあるものです。  Chapter.2 の扉に,次のような文章が書かれています。
============================== 科学者は,自然の法則を数学の言葉で表現します。 物を投げると,2次方程式が描く放物線に沿って 飛んでいきます。 流れる川の水は, ナビエ・ストーク方程式に従っています。 太陽の周りの時空は, アインシュタイン方程式の計算通りにゆがんでいます。 スマートフォンから発射された電波は, マクスウェル方程式の予想する通りに 基地局へ飛んでいきます。 ==============================
 小学校高学年,中学生が読んで,「もっと知りたい」と追究したくなる内容と記述です。  最初の「ハチの巣は,なぜ六角形なの?」は,その説明・解説を聞いたことがありませんか。  本書の説明にギリシャの哲学者・ピタゴラス」「ハニカム構造」が登場します。この人名や名称を知らない人は少ないでしょう。  身近な事柄,言葉で説明して,“数学の世界”へ誘っています。
 等角螺旋,コッホ曲線,フラクタル図形,4次元,超立方体,フィボナッチ数列,黄金螺旋,葉序,実数,虚数単位,有理数無理数ピタゴラスの矛盾,オイラーの等式ネイピア数,ボイドモデル,ライフ・ゲーム,巡回セールスマン問題,遺伝的アルゴリズム,運動量保存則,ツィオルコフスキーの公式,ベルヌーイの定理ベイズ推定,グーゴル(googol),グーゴルプレックス(googolplex),可算無限,非可算無限,無限ホテルのパラドックスRSA暗号……
 スマートフォンを「○○しよう」とタップしたら,“マクスウェル方程式”を知らなくても,電波が届き,○○が得られます。  日常の生活を,「数学」が支えています。  ピタゴラスは言います。「この世界は数学の法則で動いている。」「万物は数である」  そのことを“分かった気になる”一冊です。  分かったことを“話したくなる”図書です。  読書メモ
○ 先ほどの数式を当てはめていくと,実は,5次元,6次元,そしてもっと上の次元の長立方体の頂点・辺・面の数も計算できてしまいます。いったん規則が分かれば,それを機械的に当てはめていけばよいからです。 ○ オウムガイの殻のように,黄金比やフィボナッチ数に従う形が自然界に多く見られるので(略) ○ 鳥たちは,たった三つのルールに従って動いているだけなのです。  ・近づきすぎたら離れる(ぶつからないように)  ・となりを飛んでいる鳥と,飛ぶ速さと方向を合わせる  ・仲間が多くいる方向へ近づく(はぐれないように) ○ ライフ・ゲーム  ・セルの状態を決めるルーツ 誕生,維持,死亡 ○ ロケットが飛ぶには,「ツィオルコフスキーの公式」  飛行機が飛ぶには,「ベルヌーイの定理」 ○ この数字を「グーゴル」と名付けたあと,さらに大きな数を「グーゴルプレックス」と呼んだ。
  目次 プロローグ Chapter.1 かたち  1−1.ハチの巣は、なぜ六角形なの?  1−2.巻貝のぐるぐるは、どうやってできるの?  1−3.シマウマのしましまは、どうやってできるの?  1−4.雪の結晶は、なぜいろいろなカタチをしているの?  1−5.草や木のカタチに法則はあるの?  1−6.四次元のカタチはどんな感じ? Chapter.2 かず  2−1.花びらの枚数には、神秘的な法則が隠されていた?  2−2.「かず」は文明と共に進歩してきた?  2−3.「分数で表せない数」を見つけた人は、海で殺された?  2−4.古代ギリシャ人は日時計ラクダで地球の大きさを測っていた?  2−5.ぴったり13年・17年ごとにしか出てこないセミは、なぜそうするの?  2−6.この世で一番うつくしい数式って? Chapter.3 うごき  3−1.どうして飛んでいる鳥は、ぶつからないの?  3−2.生き物の仕組みをまねたゲームがあるって本当?  3−3.交通費の計算は何千年もかかる?  3−4.北半球の台風の渦は本当に左巻きなの?  3−5.ロケットは、なぜ空気がなくても飛べるの?  3−6.自動運転車はなぜうまく走れるの? Chapter.4 とてつもなく大きなかず  4−1.単位のいろいろ  4−2.将棋の試合展開は何通りあるの?  4−3.Googleの語源になった巨大数?  4−4.同じ親から生まれたのになぜ顔や性格が違うの?  4−5.「無限」にも大小がある?  4−6.大きな素数が暗号に使われているって、ほんとう? エピローグ 参考文献
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