「○○箸」。作手村の自然(3) (つくで百話 最終篇)
よい天気の一日でした。
先日,“マナー”について調べたとき「嫌い箸」を取り上げた論文がありました。そこで多くの箸遣いを対象としていました。
○箸をもつ
握り箸,直箸○箸をつける
こじ箸,探り箸,すかし箸,刺し箸,横箸,空箸,移り箸,迷い箸,二人箸,拾い箸○口に入れる
涙箸,かき箸,込み箸○箸を置く
渡し箸,立て箸,くわえ箸,持ち箸,受け箸○その他
もぎ箸,ねぶり箸,かみ箸,振り箸,洗い箸,落とし箸,寄せ箸,指し箸,叩き箸,せせり箸いくつご存じですか。 そして,“嫌い箸”として気を付けている所作は,どれでしょうか。 『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ******** 作手村の自然 権田昭一郎 (つづき) 戸津呂から大和田の巴川ぞいには,イワタバコ・ヤマネシダ・イノデモドキ・イブキシダ・ホシダ・イヌガンソク・ヒメワラビ・エノキ・クサニワトコ・マンリョウ・ダイモンジソウ・オオバジャノヒゲ・チャセンシダ・ハコネシダ・ヤマイ・オオバイノモトソウ等が出て,中北部とは全く異った植相となる。鳳来町一色の対岸から,荒原に向う「栃沢」には,ヤマウズラ・ホラシノブ・アオネカズラ・ヤマホトトギス・ハグロソウ・ガガイモ・ナガバヤブマオ・オオタキシダ・トチバニンジン・ミサキカグマ・カツラ・カナクギノキ等が見られる。また,田代口から古戸を経て滝坂を上ると,クサギ・クマノミズキ・ミズタマソウ・オオヒナノカンザシ・ハダカホオズキ等が出る。古戸の部落跡に,ウメが花を川面にうつす姿がわびしい。田代から協和小学校に出る道には,イヌワラビ・アカメガシワ・コナラ等がある。木和田から岩波の道端には,リンボク・ヤマニガナ・ラショウモンカズラ等,比較的分布の少ないものが出る。本宮山には,ミカエリソウ・ハランギボウシ・ジングウスゲ等が見られるが,本宮山スカイラインの開通(全通昭和五十年四月十六日)によって,自然環境がかなり激しく変化し,例えばエイザンスミレ群落の消滅,道路沿線への外来種の移植(チャ・ハナノキ・ナンキンハゼ・イボタ・ハンノキ・ズミ・ベニドウダン等)や,田原坂入ロヘの人工湿原の設置(カキツバタ・サギソウを移植)等,プラス・マイナス両面からの影響がでてきている現状である。 以上作手村の植生を展望すると,南北に長い地形は,その中に温・暖帯の植生分岐帯を含み,特異な気象状況は,本邦最南端のミズゴケ湿原を形成するなど,特殊な植生環境粂件が比軽的多いので,ミカワイヌノヒゲ・ヒロハノコジュズスゲ・コミヤマカンスゲ・ツクデマアザミの作手特産種,ミヤコイバラ・シロモジ・ホクチアザミ等の本邦東限種,シバヤナギ・カキノハグサ等の西限種,ミコシギク・ハイカイソウ・クリンソウ・ノハナショウブ・サワラン・トキソウ・ミカワシオガマ・ミカワバイケイソウ・べニドウダン・サラサドウダン・カワチブシ・オオキツネノカミソリ・ラショウモンカズラ・サギスゲ・ヌマクロボスゲ・ヒメミクリ・ヤチスギラン・クロミノニシゴリ・モウセンゴケ・ミミカキグサ・タヌキモ等,全国的に見て極めて分布の少ないもの,タムシバのように裏日本系の南下したもの等,植物分類学・植物地理学の上からも重要な事がらが,一村単位としては他に例を見ない程沢山あります。 次に,このような植生は動物分布にも直接影響があり,殊に湿原に生息する昆虫には,ヒメヒカゲ・ミドリシジミ・グンバイイトトンボ・ハッチョウトンボ等,全国的にも珍しいものが今なおわが郷土には健在であります。スカイラインができる等で棲み家をうばわれ,本宮山からニホンザルやシカが里に下りる等,徐々にせまる開発の波,心ない山草家の乱獲等から,私達はこの「かけがえのない ふるさとの自然」を,大切に守りぬかなければならないと思います。 《写真 上》最近(注;執筆時)作手村にも旺盛な侵入を見せはじめた「セイタカアワダチソウ」…この写真は昭和48年秋 《写真 下》「ミカワイヌノヒゲ E.mikawanuma」…長ノ山湿原で原種が発見され,作手湿原の特産種である。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で 注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で 注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で