集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『未来のだるまちゃんへ』(かこさとし・著)

展覧会1209。 朝のうち雲の目立つ空でしたが,次第に晴れてきて,青空が綺麗でした。  金融機関に用事があり,示されている金利を見ると,「○○;年0.001%,○○;年0.002%,○○;年0.100%…」と並んでいました。  数で表すと“0.00001,0.00002,0.00100…”と小さな数です。  子供達は,学校でこの計算を習わないけど,電卓を使って“受け取る利息”が出せるかな…。  「いい話の図書館」で22冊目の図書『未来のだるまちゃんへ』(文春文庫)です。  本に恋する小林店長は,ブックカバーに
 「子どもの気持ちになって」とか「子ども目線で」という絵本作家はたくさんいます。  しかし,「子ども そのままで」書く作家が かこさとし だと,この本を読んで知りました。大人の尺度で測らなくても,自分で考え判断できるように密かに声援をおくる大人でありたい──  同じ間違いをくり返すことがないように…  著者の声が聴こえます。
とメッセージを載せています。  さて,「色鬼って,ご存じですか?
 黄色に触れば安全なのが「色鬼」  高いところに昇れば安全なのが「高鬼」  石を触れば安全なのが「石鬼」  板に触れば安全なのが「板鬼」  鉄に触れば安全なのが「鉄鬼」 …
 鬼ごっこでただ追いかけ回すだけでなく,子供達が,その場で思いついて派生して「○○鬼」が生まれてきました。前に遊んだのとは違うものに高めていきたいという向上心が生み出してゆくと,セツルメントで出会った“子供に学んだ”ことを述べています。  本書は,かこさとし加古里子)さんが,生い立ち,戦争,子ども,絵本を描くこと,その思いを述べています。  2014年に刊行された本の文庫版(2016年刊)ですが,初めて読みました。内容・言葉に,初めて知るが多くありました。  本書の「第三章 大切なことは、すべて子どもたちに教わった」で,著者が大切にしていること,その“”になっていることが語られ,そこから“未来のだるまちゃん”へ伝える(願う)ことを「第五章 これからを生きる子どもたちへ」で述べています。  すべてのだるまちゃんに読んでほしい一冊でした。  そして,お父さん,お母さんに知ってほしい“子供の姿”です。  さらに,先生方にお薦めしたい図書です。目の前の子供達の姿が,それだけでない”内にある姿”とともに見られるようになる気づきを与えてくれると思います。  あなたの近くにいるだるまちゃんが“未来”に向けって力強く歩めますように!  読書メモ
○ なぜ日本の玩具である「だるま」を主人公にしたかと言えば,この時の思いが根底にあった気がします。 ○ 絵描き遊びというのは,ひとりの優れた子どもの発想をみんながただ一様になぞっているのではなくて,たくさんの子どもたちの多様な創意工夫の集積なんです。 ○ いじめというのは,強者がそれ以外の者を力で圧倒しようとするから起こることですが,「みそっかす」の精神はそれとは正反対。 ○ それも「大自然」ではなく「小自然」。小さな自然がいいんですね。 ○ 言葉でくどくど語ることをせず,身を以てそれを示そうとしたのでしょう。 ○ やりたいことをやりきるためには,少なくともあと20年ぐらいはかかるだろう。へたをすれば,それでも時間切れということになりかねない。だとしたら,45歳で退職すべきではないか。 ○ それは,ひところで言うなら「見取り図を描くこと」と言ってもいいかもしれません。
    目次 はじめに 第一章 僕が子どもだった頃 第二章 大人と子どものあいだ 第三章 大切なことは、すべて子どもたちに教わった 第四章 人間対人間の勝負──絵本作家として 第五章 これからを生きる子どもたちへ あとがき 文庫版あとがき 解説 加古さんとだるまちゃん 中川季枝子
【関連】   ◇かこさとし 公式webサイト   ◇『新版 科学者の目』(かこさとし・文と絵)(2019/10/26 集団「Emication」)  ブックカバーの内側(?)は,「本に恋する店主の呟き新聞」があり,店主のコラムと「本を愛しすぎた店長小林由美子が選ぶ “おすすめ○○”」が載っています。  今回の第21号は次の3冊が紹介されています。
新刊のオススメ 3冊】   ◇『神さまの貨物』(Jean‐Claude Grumberg・原著/ポプラ社・刊)   ◇『興福寺の365日』( 辻明俊・著/西日本出版社・刊)   ◇『追憶映画館 テアトル茜橋の奇跡』(伴一彦・著/PHP文芸文庫)
 こちらもお薦めです。 ? 【「いい話の図書館」】  ◇最近紹介した本   ◇『リト』(山元加津子・著)(2020/10/27)   ◇『ありがとう私のいのち』(星野富弘・著)(2020/09/21)   ◇『いわずにおれない』(まど・みちお・著)(2020/08/20)   ◇『バケモンの涙』(歌川たいじ・著)(2020/07/31)   ◇『人生を変える幸せの腰痛学校』(伊藤かよこ・著)(2020/06/27)  *以前に紹介した本は   ☆カテゴリー「いい話の図書館」から 「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。  そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。   ◇いい話の図書館【申込】   ◇小林書店さん (@cobasho.ai)Instagram写真と動画)   ◇志賀内 泰弘Facebook