集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『やってみよう! 小学校はじめてのオンライン授業』(樋口万太郎・堀田龍也・編著)

萩0606。 薄曇りの一日でした。昨日のような暑さはありませんでした。  昨日,文部科学省から“新たなガイドライン,「学びの保障」総合対策パッケージ”の通知が,今回も週末に出されました。  “現場”に届くのは週明けになりますが,保護者はニュースなどで“一部の内容”を先に知っています。  それによる“混乱と困惑”が生まれないことを願います。  その通知がいう「子供たちの学びを最大限に保障」する方策の一つに,オンライン学習は欠かせないと思います。  先月,オンライン学習について記事にしました。  最初に,“オンライン学習を始める前”について述べました。    ◇オンライン学習 1(もしも校長だったら)(2020/05/20)  その2では,作成するオトナ(先生・発信者)と受け手のワカモノ(子供・学習者)とのを意識したいと述べました。    ◇オンライン学習 2(もしも校長だったら)(2020/05/21)  その3は,オンライン学習の“教材づくり”と発想・視点を変えることのメモでした。    ◇オンライン学習 3(もしも校長だったら)(2020/05/24)  オンライン学習・授業について,さまざまな取り組み(事例,実践)があり,ネットに紹介され,提案があります。  それらを見た先生が,「ちょっと,ここまでは…」と感じる先進的なもの,「これは,できそうかな…」と試せそうなもの,「これも,そうなの…」と疑問を抱くものまで,たくさん発信されています。  しかし,こうした事例に触れる,知るのは,“先進的な先生”に偏っているような気がしています。  そのため,オンライン授業,ICT活用に関心を持っても,“学校現場”で具体的な動きが始まるまでに“時間がかかって”しまうようです。  そんな思いをもっていたところに,学陽書房から新刊の『やってみよう! 小学校はじめてのオンライン授業』(学陽書房・刊)が届きました。  マスコミやネット溢れるオンライン授業の話題,そして在宅勤務やリモートワークで使われる様々なツールが,「小学校でやってみた」ことが,場面(授業)でまとめられています。  “はじめての先生や学校”にも,24事例のどれかが「これなら出来そう」「これを始めよう」とぴったりくるでしょう。  目次に続いて,「本書で使用している主なツールについて」があり,
○学校の教育活動支援ツール   Google Classroom , Microsoft Teams ○授業支援ツール   ロイロノート・スクール ○ビデオ会議ツール   Zoom ○アンケート作成ツール   Microsoft Forms ○スライド・プレゼン資料作成・共同編集ツール   Power Point , Keynote ○録音・録画・共同編集ツール   Microsoft flipgrid ○動画の共有・共同編集ツール   vimeo
と紹介されています。これを見て,「これは何のこと」という先生も多いかと思いますが,オンライン授業のスタートは,ここではありません。  「何のためにするか」「何をするか」がスタートであり,そのヒントが実践例にあります。  そして,「どのようにするか」で,ツールを学校にある,使ったことがある,準備できる…検討し選択します。  実践例が,具体的に伝えてくれます。  本書は,編著者2名のはじめにを読んだ後,「第1章」を,そして「巻末座談会」の順に読むと,自分が“求めるオンライン授業”の姿が明確になると思います。  そうした後で,第2章のリード部分を読み,“気になる”タイプ(1〜5)の実践から始めていくのが良いでしょう。  いかがですか。  今朝,
 教師にスマホ一台あれば、遠隔授業は始められる。学習者が全員ディバイスがなくてもどんどんやってほしいと文科省の担当課長さんも言っている。  さて、こんなに良い条件があるのに、なぜ、始まらない、始められない学校があるのだろうか?
のツイートがありました。その通りです。  本書の言葉を借りれば「いまは“できることから始める”しかないのに」始まっていない学校があるとすれば,それは「子供達のやる気を喚起すること。保護者に安心してもらうこと。」を第一としていないからでしょう。  今こそ,“現場教師の矜持”を発揮するときです。  紹介されている実践は小学校ですが,中学校,高等学校でも,その“発想と活用”は真似できます。  先生方,学校再開で疲れているでしょうが,これからの教育に欠かせない情報です。  管理職の方,教育行政に携わる方々,本書に学ぶ学校,先生方を支援できるのはみなさんです。  子供達の「学びの保障」の取り組みに,本書の提案が活きると思います。  ご一読を。
   もくじ 「つながりあえる場」をつくるオンライン授業 (樋口万太郎) オンライン授業,いつやるの? いまでしょ (堀田龍也) 第1章 いまこそオンライン授業をはじめるときだ! (堀田龍也) コラム 家庭でオンライン授業を受ける環境づくりのサポート 第2章 やってみよう! オンライン授業とオンラインの子どもとの場づくり  タイプ1 子どもとのつながりをつくる   タイプ2 子どもと楽しむことを共有する   タイプ3 既存のコンテンツを使った課題を出す   タイプ4 メッセージをやりとりする   タイプ5 ビデオ会議ツールによる双方向の授業  巻末座談会 オンライン授業の環境をつくっていくには
【関連】   ◇樋口万太郎@ボウズteacher (@boseteacher)Twitter)   ◇樋口万太郎@ボウズteacherの教育Blog!   ◇教育つれづれ日誌(学びの場.com)   ◇ほりたん (@horilab)Twitter)   ◇メディアと教育を考える   ◇株式会社 学陽書房 @gakuyo_syoboTwitter)   ◇学陽書房(教育) @gakuyosyobo.kyouikuFacebook) 【再掲:参考;新しい通知(令和2年6月5日)】   ◇新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン及び新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合対策パッケージについて(通知)(PDF 文部科学省) 【再掲:参考;教育課程見直しの参考資料】   ◇年間指導計画参考資料『学習活動の重点化等に資する年間指導計画参考資料』(教科書協会) 【参考】   ◇(コロナと学び)オンライン学習、どう進めれば 学校再開後、ICTがより重要に 豊福晋平さん(2020/05/25 朝日新聞デジタル