天皇陛下御在位三十年記念式典。「むかしのあそび」《父母が子どもの頃 9》
春の気配を感じられる天気の良い日になりました。
午後,国立劇場で,天皇陛下御在位三十年記念式典が開かれました。
今日は,式典の他,午前10時の「御代拝・祭典の儀」に始まり,御即位30年記帳,祝賀・お祝酒・お祝御膳があり,明後日まで祝賀・茶会が続くようです。
また,各地では慶祝事業として,動物園や美術館,博物館などの施設が無料公開されています。
記念式典はテレビやインターネットで中継されました。ご覧になりましたか。
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「父母が子どもの頃」の一話です。
********
『むかしのあそび』 (文・巴小2年 男子)
ぼくのおじいさんは,めいじ二十七年生まれです。おじいさんの子どものころには,今とちがって,これというあそびもなかったそうです。
お正月には,かるたをしてあそんだのが,とてもたのしかったそうです。冬になると,竹うまを作ってもらい,それにのっておいかけっこをしたり,雪の中をあるきまわってあそぶのが,とてもたのしかったそうです。そのほかには,三人がが一組になって人馬を作って,赤白に分かれて,せんそうのまねをしてあそんだそうです。学校では,テニスがはやってきたので,みんなやったそうです。
おばあさんの子どものころには,わたをしんにして,上に糸をたくさんまいてまりを作ってもらい,まりつきをしてあそんだそうです。まりつきの時には,いろいろおもしろいうたがあって,うたをうたいながら大ぜいでたのしくあそんだそうです。
また,ぬのきれで小さなふくろをぬって,豆などを入れておじゃみを五・六こ作って,かずをかぞえながら上にあげたり,うけたりしてあそぶのがたのしかったそうです。
このように,男の子と女の子のあそびはちがっていたので,今のように男の子と女の子が同じようにとびまわってあそばなかったそうです。
********
子供の遊び道具は,今では“買ってくる”ものがほとんどですが,昔は“作る”のが普通でした。
この作文を書いた頃は,買ってもらっていますが,まだ作ったものが多かったと思います。木切れ一つで,いろんな遊びができました。
そこには,子供達の工夫と想像力・空想力があふれていました。日本の“ものづくり”の源泉があったように思います。
こうした体験,経験を,男の子も女の子も原体験として持てる生活が必要だと思います。
できれば家庭,親子で体験したい。それを学校が補い高めていけるとよいのでしょう。
みなさんの家庭,学校はいかがですか。
【関連】
◇天皇陛下御即位30年記念特集(宮内庁)
◇特殊切手 天皇陛下御即位三十年記念(ゆうびん.jp)