集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

地区総会。「郷土の話題」から。

資料0223。 朝は曇っていましたが,天気の良い日になりました。“暖かくなる”かと思いましたが,冷たい風が吹いて“寒く”感じる日でした。  午後,地区総会でした。  今年の活動報告があり,次年度の組織づくりをしました。  “難しい問題”はありませんでしたが,“地域の活力”をどのように保ち育んでいくのかは“大きな課題”です。  当地に限らない課題ですが,それに対応する“名案”はなかなかないものです。引き続き,皆で“知恵”を出し,“行動”していきたいと思います。  一年間,ありがとうございました。  来年度,よろしくお願いします。  地区総会の機会に,10年ほど前の古文書教室・郷土史部会の資料にあった地区の話を読み返しました。  備忘録として掲載。 ********** ◇翔龍山甘泉寺  臨済宗永源寺派 本尊は釈迦如来  創建は,旧村誌に応安3年(1370)9月とあるが,大本山永源寺文書の『山上宗譜図』及び『瑞石歴代雑記』等に応安元年に創建して,彌天永釈大和尚(見性悟心禅師)を開山第一祖とした事が記されている。  彌天永釈大和尚は,応安元年に岡崎市片寄町の広沢山天恩寺を創建し,続いて甘泉寺を,翌2年に川合のこ陀山禅源寺と手洗所の龍雲山乾徳寺を創建した。  甘泉寺は,当地の有力者加藤某が彌天永釈の徳を慕い宅地を喜捨して寺となした。  足利義満将軍から甘泉寺へ朱印高48石と山林境内20余町歩が寄進され,永徳元年(1381)伽藍殿堂が完成した。  彌天永釈は,正眼寺(長者平)の汝舟元済,慶雲寺(大和田)の高嶽元正,総持院(田原)の月潭元円,養雲寺(不明)の大極元初,良雲寺(見代)の忍山玄甫,宗堅寺(杉平)の一澗明三等を輩出創建し法徳を広め,本山の永源寺二世となったが,応永13年(1404)6月5日79歳の高齢で入寂した。  その後,天正の兵火で全焼し,同8年小堂を再建。慶長11年(1606)作手藩松平忠明により,高8石2斗9升を寄進された。  文化財   コウヤマキ…国天然記念物指定   涅槃図…県指定   鳥居強右衛門位牌及び宝篋印塔 その他多数 ********** ◇鴨ヶ谷白鳥神社  祭神…倭建命 創立不詳 明治5年に村社となる。  文政12年(1829)12月11日の棟札あり。 ********** ◇退耕山蔵蜜院跡  本尊…聖観世音菩薩  応安7年(1374)9月に,甘泉寺第五世月潭元円により,甘泉寺の塔頭として鴨ヶ谷の北組が創建したが,明治維新に甘泉寺統合して廃寺になったのではないか。 ********** ◇尺地神  シャグチ・シャクジと呼ばれる神様で,漢字では社ロ・社宮子・赤ロ・社宮神など色々ある。ロ伝では田の測量をした縄(水縄)が埋められていると言う。検地に使われた物差し(尺)を埋めたところであろう。 ********** ◇手洗所(ちゃらい)のお寺跡  手洗所には応安2年(1369)に,甘泉寺第一世彌天永釈大和尚が龍雲山乾徳寺を創建した記録がある。記録によれば開山から第八世明峯和尚まで続いたようである。  安政年間(1854〜1859)に小堂があり,先年紛失した地蔵菩薩を更新したが,甘泉寺へ喜捨し現在も安置されている。 ********** ◇手洗所のお宮跡  その昔,日本武尊がご東征の折に,弓木村で柳の木で弓を作り,手洗所村で手を清めたと云われ,村名の基になったと伝わる。今も大山祇命が祭られている。 ********** ◇「中山」の墓地  字中山にある墓地で,日清戦争記念碑・風神・御嶽神社金毘羅宮・秋葉様・大山祇命八大竜王など多数の石碑や石仏がある。 **********湿原0223。鴨ヶ谷湿原  大野原湿原(約50ha)は,昭和40年から農業基盤整備事業により,水田の区画整理が行なわれた。そのため大半が失われ,現在は東端の0.3haのみが鴨ヶ谷湿原として残存する。  同湿原は,昭和30年代県下唯一自生するヌマクロポスゲ・ミタケスゲ・ツルカミカワスゲと作手特種のツクデマアザミなど貴重種が発見され,一躍注目される湿原になった。その後,農道による分断や水質の悪化により大半は絶滅したかと思われたが,ヌマクロポスゲ・ミタケスゲなど絶滅危惧種が確認された。  一方,湿原に広がるハンノキの中には,サクラバハンノキ・ケハンノキが混生し,オタルスゲやヤチカワズスゲ等が各所に自生する。当湿原にはノリウツギレンゲツツジが多く,カキツバタが自生しミカワバイケイソウが生育する。ヌマガヤの中にはカキラン・サワギキョウ・ツクデマアザミ・ウメバチソウ・サギソウ・ミタケスゲが混生する。説明板付近には,ヨシ・マコモが繁茂し,カキツパタ・レンゲツツジ他が混生する。  昆虫類では,ヒメタイコウチハッチョウトンボ・ヒメヒカゲ・ヒメシジミ等が生息する。  注目される植物   ヌマクロボスゲ…県下で当地が唯一の産地。   ツルカミカワスゲ…これも県下で当地が唯一の産地。   ツクデマアザミ…鴨ヶ谷湿原で発見され命名されたマアザミの変種。   クサレダマ…円錐形の花穂に黄金色の花が蜜着し,開花期には湿原が華やぐ。 **********