ネットと子供,そして大人。
今日は,二十四節気の一つ「寒露」です。草花に冷たい露が宿り,秋が深まる頃です。
夏の酷暑,長雨,台風などもあり,不順な天候の日が多くなっていますが,山の木々が紅葉の準備を始め,季節は秋本番となっていきます。
まだ昨年の米がありますが,昨日は新米を炊き味わいました。自然の恵みに感謝!
今日は,国民の祝日の一つ「体育の日」です。「国民がスポーツに親しみ,健康な心身を培う日」です。
スポーツ,健康な心身を培うこと… 何かしましたか。
「子供達を“ネット被害”から守ろう」
表現や内容はさまざまですが,
・ネットいじめが発生… ・長時間のネットゲームで… ・ネットゲームの課金請求が… ・なりすましで…など,スマートフォンやネット利用による「問題」「被害者」「加害者」について取り上げ,子供達への授業や講演が行われています。 愛知県教育委員会の「モラルBOX」にも,「ネットモラル」に関する記事が多く掲載されています。 「子供達を守る」ことに異論はありませんが,社会の状況と「指導」がかみ合っていないような気がしています。 保護者も先生も,大人は何かあると「すぐにスマホ(ケータイ)で調べる」のに,学校・授業はそうなっていません。 「○○が調べたいからパソコンを…」が,まだまだ多いでしょうし,さらに教室ではなくパソコン室(専用教室)でなければ使えなかったりします。 この状況では,学校で“ネットの利用”を学ぶというのは,現実的でないかもしれません。 そんなもやもやを感じながら,古い(2001年)原稿の話です。 この頃,やっと学校がブロードバンド(ADSL)回線に変わっていきました。光回線はもう少し先です。 回線とともにネット環境が変わり,“情報不足”によるトラブルが起きました。
“今までの接続やメールはいつまでか”,“プロバイダ契約はどうなっているか”といったことは,現時点で明確でないまま,今日からしばらくインターネットは使えません。(略) インターネットやメールを活用していたら,そのアカウントが止められるということは,“封鎖”と同じなのです。体育大会の日に起きた【メール送信のトラブル】が一つの例です。 インターネット利用の流れは,学校においても,進めていくものだと思います。その利便性が高まるかどうかは,関心をもっていたいと思います。 ◇「教育」という視点◇ 今回のプロバイダの変更で,有害サイトへの接続が制限されるフィルタがかかっているところになるそうです。コンピュータ担当者の方々が要請していたことが考慮されたようで,納得のいくことです。 しかし,コンピュータの利用を指導する教員として,「有害サイトが制限できる」ことは,教育的な行為だと考えますか,それとも問題があると考えますか。 自分は,二つの点で問題があると思います。 ・学校と家庭との環境は同じではない。 ・すべての「有害」がカットされることはない。 学校で“有害サイト”をカットしても,普通の家庭でインターネットにつなげたら,そこは“すべてが見える”のです。 指導者が「有害サイトがカットされる」と“安心する”ことで,インターネットの指導(特に小学校での利用)がおろそかになりはしないかと心配です。 インターネット利用では,「どんな活用ができるか」「どう使うか」「使っていけないか」を,積極的に指導しなければ,『情報活用能力』を育てていけないのです。有害サイトから逃げる発想ではなく,攻めていく発想で「教育」を考えてみたいと思います。その結果が,今回の導入であるかもしれないし,別の方法になることもあると思います。社会もネットも,その状況が大きく変わり,この時のようなことはありません。 ICT活用,デジタル教科書,プログラミング… こうした言葉を聞くことは増えていますが,ネット利用について「育てる」という視点から語られる“教育”が少ないままの気がしています。 先生,最近の学校はいかがですか。 【関連】 ◇愛知県教育委員会道徳教育総合推進サイト「モラルBOX」