中秋の名月。「山のこう」《村の行事 6》
しばらく前は雨予報の日でしたが,雲は多いですが晴れの暑い日でした。
今日は旧暦8月15日,「十五夜(中秋の名月)」です。初名月,芋名月ともいわれ,夏の作物の収穫を終え,農耕の祈り目にあたる時期です。
十五夜の月は,一年で最も美しいとされ,月見をします。
昔から,秋こそが月を見るのに良い季節とされていましたが,秋である7月〜9月のちょうど真ん中の日が「中秋」,8月15日です。
そのため,8月15日を「中秋の名月」と呼んで,月を愛でることにしたそうです。
秋に月を見るのは,月の高さと天気からです。
満月は,地球から見て太陽の反対側にありますから,その通り道は,夏は低く,冬は高くなります。そこで,ちょうど見上げるのに適した高さの満月は,春か秋です。
そうすると,“名月”は春でも秋でも良さそうですが,「春がすみ」や「秋晴れ」という言葉があるように,天気の良さでは「秋」です。
そこで,秋が月見のシーズンとなったようです。
今夜,月を愛でることができるでしょうか。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
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『山のこう』 (文・巴小2年 男子)
むかしからつたわっていることで,それがいつごろどこてはじまったかわかりませんが,ふるい家のうら山などには,しぜんの石に「山のかみ」とほったのがまつってあります。
旧の二月七日と十一月七日の二回に,山しごとをしている人たちが,その日は木を切るのを休んで山のかみさまをまつります。それが山のこうです。
おばあさんが,山のこうの話をしてくれました。かみさまは女のかみさまだとつたえられていて,まつる時には男の人が五平もちを作って,みそをつけずに白いごはんを木のくしににぎりつけて,すみ火であぶったのと,おさけをそなえたそうです。そうして,山しごとがぶじにできたことをかんしゃしたり,これからもぶじにはたらけるようにおいのりするそうです。
こんなことが,今でもつづけられています。山のかみさまにそなえた五平もちは,男の人がたべますが,どうして男の人がたべるのかなあと思いました。
ぼくは,五平もちが大すきです。家では,山しごとをよくするので,山のこうには五平もちを作って,山の木を切ったり,草をかったりするのをかたくまもっています。
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