「 こうしんぶちの話」《作手村のむかし 23》
午前中の空は,「もう台風の影響が…。」と思うよな曇り空でしたが,昼には晴れ間が見え,午後は“晴れ”になりました。
台風は,海水温が高いこと,寒冷渦があることから,珍しいというより変な進路になって,天気予報を見るたびに勢力や進路が変わっています。
この週末は“夏祭りの時期”であり,関係のみなさんは台風の動きが気がかりなことと思います。すでに「中止・延期」を決めているところもあります。
みなさんの楽しみにしている催しが,予定通りにできるとよいのですが…。
明日から台風の影響は避けられないようです。雨や風の影響が小さいことを願います。
今日の夕食に,初物の南瓜(かぼちゃ)がありました。旬を味わい,季節を楽しみました。
ブルーベリーも毎日収穫できています。
自然の恵みに感謝
文集「こうやまき」から,「作手村のむかし」の一話です。
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『こうしんぶちの話』 (文・菅守小4年 男子)
菅沼のこうしんぶちの横には,石の人形みたいなものがあります。これがこうしん様です。手は六本で,右手にはつるぎ,まん中はやり,下の手は矢を持っています。左の手には女の人のかみの毛をつかんでさげています。もう一つの手にはほうぎょくを高くさし上げ,上の手は弓を持っています。こうしん様はかみの毛をさかだててなんだかおこっているようです。両足の下には,おにがふみつけられています。まわりには三びきのさるがいます。
このこうしん様のことをおじいさんに聞くと,話をしてくれました。昔,ぼくたちの部落の人々が,まずしい生活をしていたころの話です。こうしん様をしんこうすれば,部落の人々のねがいを何でもかなえてくれたそうです。
ある年,およめさんをもらった家があった。この家では,おわんがなかったので,こうしん様におねがいして二十人分のおわんをかしてくれるようにたのんだ。次の日,川原に行くと,おねがいしたとおり,二十人分のおわんがそろっていた。でも、おわんを一ここわしてしまった。かえす時,あやまればよかったのに,だまって十九人分だけおわんをかえしておいた。それからというものは,こうしん様にいくらたのんでもねがいを聞いてはくれなかった,ということです。
こうしん様は,少しこわいけど,ぼくたちのせんぞをまもってくださった神様なのだそうです。ぼくたちも,いつまでもこうしん様の話を語り伝えて,おまつりしてあげたいと思います。
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「おわんの話」は,別の話にも出てきます。
生活のなかで「椀を揃える」「膳を揃える」ということが必要であり,“重要なこと”であったことの表れでしょう。
現在の家庭生活で「膳を揃える」という営みは限られると思いますし,自宅ですることもなくなっているかと思います。
良し悪しではなく,子供達が“触れられない”ことは気になります。
もう無理かな…。
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