集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『学級づくりカレンダーをもとに創るわくわく算数授業』(志水廣・編著/和田裕枝・著)

花0716。 今日,北海道や東北では“大雨”となったようですが,当地は晴れ暑い日になりました。  まだ不安定な天候が続くようです。  災害の起きるような大雨は遠慮です。お天道様,よろしくお願いします。  「授業名人」が,若い教員に,これまで“普通にしてきた指導”を伝えようと綴った『学級づくりカレンダーをもとに創るわくわく算数授業』(HIME企画・刊)です。  巻頭に「推薦の言葉」があり,みよし市教育長の今瀬氏が「もっとはやくこの本に出会いたかった!」と書いています。その中の言葉から。
○…と共感したり,悔しがったりしながら,一気に読み終えてしまいました。そして,できるならもう一度担任をもって授業がしてみたい,そんな気持ちにさせられる内容でした。 ○子ども達と実証してきたことばかりです。だから,具体的でわかりやすいのはいうまでもありません。 ○和田先生の「学級の基盤があってこその授業」というお考え,大賛成です。先生の教室はどの子も大切にされ,間違っても,わからなくても安心して学ぶことのできる,そしれわくわくする教室であったことでしょう。 ○本書は,若い先生からベテランの先生まで,全ての先生がたに一読していただきたい本です。ベテランの先生は,今一度自分の授業を見直すために,そして,若い先生にはバイブルとしていつも手元に置いて,日々の指導の参考にするために。
 若い先生は,まず「学級づくりカレンダー編」で,自身の指導を振り返ることでしょう。  第1期(ホップ)の最初は「1年の計は4月にあり=学びの視点を与える段階(種まき)」からです。  和田氏は「」について,
 種とは子どもが認められる材料のことです。自己肯定感の低い子は「いいところが自分にはない」と言います。それは,数値化できるものだけを「いいところ」ととらえているからです。(略)  そこで,4月には数値化できない中にもあなたにはたくさんいいところがありますよとメッセージを送ります。それこそが種をまくことです。(略)  その子どもにぜひ,種をまいて教えてあげたいのです。
と説明し,具体的な例をあげていきます。  ここで蒔いた「」が芽を出し,育ち,実っていきます。植物の種に「水を与える」ことも,それぞれの場面で異なっています。それと同じように,学習の指導も変わっていくのが“普通”です。  ところが,先生の中には,力を入れて指導されているのですが,「それは半年前の指導だよ」という“見当違い”の方を見受けます。そして,残念なことに,その先生の周囲に,それを指摘できる先輩(指導者)がいないのです。“力を入れている”ことを褒めてしまうという“悪事”を働いてしまいます。  「聞く力」レベルに関して,4月の具体的な指導が3ページにわたって「聞く力レベル表」として述べられています。  最初は,内容は問わずに褒めています。  「???」「何を褒めるの」… それは本書で。  伝えたいポイントを挙げるだけで,たいへんな量になりそうですので,ここまでに。  一つ,若い先生が勘違いをしないか気になったことを。  それは,カレンダー編が「種をまく」「本葉」「花が咲く」などと“種”が育っていくことに合わせて述べていますが,種を“子供”ではないことです。  ここでも引用したように,種は「子どもが認められる材料」です。そして,種には春に芽の出るものばかりでなく,夏や秋に芽を出すものがあります。  もしも,種が“子供のこと”だとしたら,同じように芽が出たり花を咲かせることはありません。その子の一番良い時に咲くのです。  あなたが選んだ種(まいた種)を,和田氏のように“意図的”に育てることで,子供が認められることが増えていくのだと思います。  そして,どの子も自己肯定感を高く持って学びに向かっていくのです。  余分なことを書いてしまいました。  若い先生もベテランの先生も,本書で4か月間の指導を振り返り,夏休みからの“作戦”を練り直してはいかがでしょう。  すべての先生にお薦めの一冊です
   目次 推薦の言葉(今瀬良江) 刊行にあたって(志水廣) 子どもに学ぶ学級づくり 第?章 「知」と「心」の変容を目指す算数科の授業づくり(志水廣) 第?章 学級づくりカレンダー編(種まきから収穫までの1年間)  ☆第1期(ホップ)  ☆第2期(ステップ)  ☆第3期(ジャンプ) 第?章 授業づくり実践編  ◆授業案ができるまでの手順を教えます  ◆子どもの考えを引き出す授業にする方法を教えます 第?章 授業づくり上達編  45分間の流れを意識して 資料 第?章 和田裕枝先生の授業より(志水廣) エピローグ 人を笑顔にしたい 謝辞
本書の問い合わせ先 愛知教育大学生協書籍部   TEL:0566−36−5184   FAX:0566−36−5465   →注文はこちらから 【関連】   ◇志水廣と和田裕枝先生との共著です。(志水廣)   ]ブラウザにより音楽の流れるサイトです。