『きみはぼうさいたいし』(にかいとしひろ・原作/すずきみゆき・文/かなざわまゆこ・絵)
天気のよい暑い日になりました。
午後,帰宅するとき小雨が降ってきました。夏の“夕立”になるかと思いましたが,小雨のままで済みました。
最近,地震の発生が多いような気がします。小さな地震でエネルギーが放出され,大きな地震が起きずに済むことを願っています。
図書館の児童書・絵本のコーナーに『きみはぼうさいたいし』(金の星社・刊)がありました。
表紙に,“懐中電灯”を手にした男の子が大きく描かれ,裏表紙には,友達と“段ボールベッド”でくつろぐ子供達の姿がありました。子供達に向けた「防災」の取り組みや「防災士」の活動の話だろうと思いました。
主人公はユウタ,そして友達のサヤカ,ユウキ,ノブオがキャンプに出かけます。
楽しみにしているキャンプですが,前日は雨が降っています。
「ねえ,あしたからのキャンプ,はれるかな?」 「だいじょうぶ。さっき,ごりょうさんにおいのりしたから」ユウタが,何かというとお祈り,お願いする“ごりょうさん”とは…。 ごりょうさんは,濱口梧陵のことで,ここから6ページ「いなむらの火」の話です。 そして,お母さんの教えてくれたこと…。 翌日,大学生のリーダーが付き添いキャンプに出かけます。ます。 川の側に建つ廃校を利用したキャンプ施設に着き,川遊びを始めると,急に雨が降り始め,あっという間に土砂降りになります。 川辺でキャンプしていた人達も廃校に避難してきますが,発電設備が動きません。 真っ暗でみんなが震える中,ユウタが…。 「だいじょうぶじゃよ…」 ユウタに,ごりょうさんが声をかけます。 「ユウタ,しっかりしなさい。くらいときはどうするの?」 お母さんの声も聞こえてきます。 大学生のリーダーも感心するユウタのアイデアに,皆が助けられます。
「さいがいは,いつ,どこで,なにがおこるか,わからない。 でもふだんからやっていたから,ふたりのこえがきこえたんだね。 そのこえで,ぼくは,じぶんいできることをかんがえられたんだ!」梅雨の時期,今年も大雨が降り,各地で被害がでました。これから台風が接近・上陸することも増えるでしょう。 大きな地震への備えも大切です。 お子さんと防災の話をいかがですか。 表紙や内容では気づきませんでしたが,原作者が自由民主党 幹事長の二階俊博氏であることを奥付で知りました。 二階氏の原作だからといって内容が変わるわけではありませんが,ちょっと…。 【関連】 ◇きみは ぼうさいたいし (金の星社の絵本)(金の星社) ◇稲むらの火の館 濱口梧陵記念館・津波防災教育センター