集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『デジタル・シティズンシップ』(坂本旬・芳賀高洋・豊福晋平・今度珠美・林一真・著)

花0329。 昨夜,警報の出るような豪雨でした。朝から青空になると思っていましたが,曇りでした。  午後になって晴れ,気温も上がって暖かい日になりました。  3月最終週,後半は4月,新年度2021年度)が始まります。  学校では,新学習指導要領が小学校に続き中学校で完全実施されます。社会の構造的変化に対応できる「社会に開かれた教育課程の実現」を目指し,
○ 何ができるようになるのか(資質・能力の三つの柱) ○ どのように学ぶのか(主体的・ 対話的で深い学び) ○ 何を学ぶのか(教育内容の改善・充実)
そして,小学校「英語」の教科化,「使える英語」の習得,「プログラミング教育」の充実・必修化,「特別の教科 道徳」の開始などを改定のポイントとして,学校教育の改善・充実に取り組んでいます。  小学校は,2020年度が臨時休校から始まったことで,"改善・充実”は十分に進められず,2021年度を"スタート”となっているかもしれません。  不謹慎な表現ですが,新型コロナ禍で"新しい教育”が一気に進んでいます。その一つがGIGAスクール構想による"ICT環境の整備・運用”です。授業や学習に,子供達が1人1台の端末を利用できるようになりました。  その「コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び」を述べる『デジタル・シティズンシップ: コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び』(大月書店・刊)です。
○ 「情報モラル教育」から、「世界標準」のデジタル・シティズンシップ教育へ。ネットの危険性を叩き込むのではなく、参加型学習によって対話しながらデジタル技術・思考を身につけ、社会を主体的につくる学びへと誘う。 ○ デジタルという言葉が意味をなさないほどにデジタルとアナログが溶け合う現実。そんな子どもたちと共に生きるすべての大人が読むべき教科書。
 学校・教育に限らず,"新しいこと”に出会うと,自分がこれまでに経験した・知っていることから"似ているもの"で理解しようとします。  しかし,新型コロナ禍で,それでは十分でないことを経験しました。新型コロナウイルス感染症への"予防対策・対応”は,新しい知見が明らかになり,その都度アップグレードされてきました。  「デジタル・シティズンシップ」は,"情報モラル教育”が変わったというより,"新しい知見によりグレードアップしたもの”として学校・教育が受け入れていくことだと思います。
○ STEAM教育や1人1台のPC環境の整備など,ICT教育をより前進させるために不可欠な施策だ。 ○ 未来の市民としてのデジタル・アイデンティを形成し,必要不可欠な資質や能力の育成を目的にしている。 ○ 人権と民主主義のための善き社会を創る市民となることを目指すものである。 ○ デジタル・シティズンシップは能力であり,スキルである。
 さらに,本書のなかでも"デジタル・シティズンシップ教育”という表現がでてきますが,"教育”を付けず,「デジタル・シティズンシップ」として捉え,進めていただきたいと思います。  これまで,学校教育に,さまざまな"○○教育”が入って(求められて)きました。それに合わせ"研修”が企画され,"指導モデル”が示され,それをなぞって済ませてきたことは少なくありません。それと同じにはできない,異なるものです。  本書で,保護者はもちろん地域のみなさんも,4月からの”1人1台PC時代の善き使い手”としての学びを知り,子供達を応援・支援していきたいと思います。  みなさんにお薦めの一冊です。  読書メモ
○ インターネットへのアクセスやオンラインのアプリケーションや音楽・画像を利用しようと思った場合に生じる著作権などのさまざまな問題について,自分が理解するだけでなく,身の回りの大人に教え,サポートすることが求められる。 ○(情報モラル)脅かして抑制するという発想では,これからのグローバルな世界を生きる子ども・若者を育てることは困難だ。 ○ このモラルを著作権の問題として指導することは,筋違いと言える。(略)  この「交渉」は著作権法的に適法であり,何の問題もない。むしろ,著作権教育としては推奨すべき行為となる。 ○ 学力や教育効果は総情報量の増加を前提にした二次的作用である。 ○ 子どもや保護者から見れば,家庭では普段からデジタルべったりの生活をしているのに,学校に関わる部分だけはその常識が通じない。 ○ 「オンラインおよびICTの利用を前提」とし,その環境で安全かつ責任を持って行動する「心情」ではなく「行動するための理由と方法」を主体的に学び,仕組みを理解するだけではなく「情報技術に関する人的,文化的,社会的諸問題を理解し,法的・倫理的にふるまう」ための「能力とスキル」を育成する
SAMRモデル0329。
   目次 はじめに 第1章 デジタル・シティズンシップとは何か ──坂本旬 第2章 情報モラルからデジタル・シティズンシップへ ──芳賀高洋 第3章 我が国の教育情報化課題とデジタル・シティズンシップ教育 ──豊福晋平 第4章 デジタル・シティズンシップ教育の実践 ──今度珠美・林一真
【関連】   ◇坂本旬 note   ◇芳賀 高洋 (Haga Takahiro)(マイポータル - researchmap)   ◇豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) (@stoyofuku)Twitter)   ◇今度珠美 Digital・Citizenship Educator (@TamaImado)Twitter)   ◇林 一真Facebook) 【おまけ】  中日新聞Webで「先生サーチ 教職員異動検索」が開設されています。先生サーチ0328。  教職員の異動が発表された県・市について検索が可能です。  愛知県・名古屋市の教職員異動も,発表されています。 *検索項目  「氏名」  「異動区分」  「職名」  「新勤務先 」  「旧勤務先