集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

オンライン勉強会。狩漁の達人犬千代さ(2) (つくで百話 最終篇)

花0328。 雨の日でした。朝のうちは時々小雨が降る程度でしが,午後になって本降りになりました。乾燥していた空気がしっとりした感じになりました。  午前中,キャリアコンサルタント勉強会にオンラインで参加しました。  前半は,「交流分析」について説明・解説を受け,自分の回答した"エゴグラムチェックリスト”をもとに交流し,学びました。
【参考】「自我状態ってなんだろう?」 ○構造分析;親心,大人心,子供心  P;親の自我状態(CP;父親のイメージ,NP;母親のイメージ)  A;大人の自我状態  C;子供の自我状態(FC;元気な子供の自我状態,AC;素直で従順な子供の自我状態)
交流分析0328。
 後半は,「キャリア教育」グループのキックオフミーティングでした。  それぞれが考えている"関心”や"活動イメージ”を出し合い,短期目標と長期目標を考えました。  今後の活動,そして次回までの活動・調査を確認して終えました。  みなさん,ありがとうございました。そして,よろしくお願いします。  『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「昔話と伝説」の項からです。 ********     狩漁の達人犬千代さ (つづき)  ある時,猪ボイの一団が,二〜三メートルもあるシダの密生地帯にうずくまっている大猪をとり囲んだことがあった。猟犬も中へ入ることができず,周囲を取り巻いているばかりであった。この時,犬千代さは上着を脱いで股引だけの素裸身となって,猪の正面からシダを掻きわけて進んだ。約二メートルの近距離に近付いて,猪の頭をねらって一発ブッ放すと同時に,上体を横倒しにして両脚を高くあげた。若し猪が手負いになって突進してきたら,脚の下を潜ってやり過ごさせる構えであったが,幸い,さしもの大猪も彼の一撃によって仕止められたのであった。正に超人的大胆不敵な彼の振舞いであった。 犬千代さ0328。 伝説的になっている犬千代さの特異な嗅覚も,俄かに信じられない一面もある。彼は猪のふみつけた草の状態や,草を喰いちぎった切口の状況などを仔細に調べて,猪が今日出たか,昨日通ったかを適確に判断した。また,土質の軟らかい段戸山の猪は後足のヒズメが磨滅することが少なく,作手のガラ石山の猪はそれがすり滅っているなど,細かく観察して,どの方向に向うかなどを考えたり,蹄あとの土の乾き加減から,いつ頃猪が通ったかを判断するなど,科学的な考察の上で策戦計画を樹てたところに彼の名人芸が生まれたものであろう。  三月二日からは,あめのうおが解禁になる。これから夏の終りまでは,犬千代さの仕事場は川にうつる。巴川や寒狭川は,犬千代さにとっては自分の家の池のようなものであった。どこの渕には,あめのうおが何尾いるなどとも話していたが,この言葉はそのまま鵜呑みにすることはできないとしても,川の様子は細かく知っていた。  近所の家で,祝言に使うあめのうお五〇尾を二〇センチくらいで揃えてくれとたのまれると,期日までにキチンと整えてくれたなどの逸話も残っている。  彼が釣をしている時に小物がかかってくると,もう少し飼っておくのだと言って川へ逃がしてやったということも,釣り仲間の語り草の一つであった。  鰹や鰻も,彼にねらわれると逃れることができなかったらしい。新城の弁天渕で釣をした人たちは,何かに釣糸を切られることがしばしばあった。「何かでかいものがおるぞ。」と言っている釣仲間の話をきいた犬千代さは,「俺が退治してやる。」と言って,大きな引っかけ針をもって渕底にもぐっていった。  どす暗い水底の岩穴に,めざす獲物がひそんでいた。一メートルを超える大鯉だった。犬千代さは,確実にこの大鯉をひっかけると,急いで水面に浮かびあがってきだ。集まってきた釣師たちも,どこでも見たことのない稀代の獲物に舌をまいたそうである。  犬千代さは,百姓仕事は女房のお松さにまかせきりで,一切手伝わなかった。女手一つで田畑の耕作をきり廻していたお松さは,毎日眼の廻るような忙しさであった。子供たちの世話など中々手がまわらなかった。子供たちは自分勝手に,両親のシャツや絆纒をはおって学校へ行った。履物など履かずに,裸足で遊ぶことが多かった。通学は勿論はだしだった。  春の彼岸頃になると,子供たちは家の前の巴川へ飛び込んで水泳ぎを始めた。それでも風邪をひくことなど滅多になかった。 「おらがの子供は,いつも肉や魚をふんだんに喰べとるで丈夫だい。風邪なんか引くもんかい。」 とお松さは,いつも得意気に語っていた。  犬千代さは男四人,女三人の子福者であった。その頃は,小学校の給食制度がまだ無かったので,子供の弁当づくりは家庭の大きな負担であったに違いない。子供たちは,それを良いことにして「今日は弁当をつくってくれんで休むぞい。」などと言って,学校をサボることもしばしばであった。欠席勝ちのため学校の成績はパッとしなかったが,どの子供も知能指数は相当なものであった。健康,機敏などの点では抜群であった。社会に出た子供たちは,夫々の分野でレペル以上の働きをしている。  犬千代さは器用な男だった。ものを書かせると近所には見られないくらい立派な字を書いた。一時,村役場に勤めたことがあったが,「こんなことは俺の性に合わん。」と,言ってじきにやめてしまった。  芝居は彼の道楽であった。実弟の玉さも芝居好きであった。地狂言では犬千代さと玉さは人気役者として騒がれたものであった。  尚,この犬千代さについては,早川孝太郎氏によって,次のような話が発表されている *次項「不思議な狩人」につづく ******** 【「つくでの昔ばなし」掲載】   ◇犬千代サ(いぬちよさ)  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【おまけ】  中日新聞Webで「先生サーチ 教職員異動検索」が開設されています。先生サーチ0328。  教職員の異動が発表された県・市について検索が可能です。 *検索項目  「氏名」  「異動区分」  「職名」  「新勤務先 」  「旧勤務先