集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

教育学会研究大会。作手の湿原(2) (つくで百話 最終篇)

学会1212。 朝,冬の訪れを感じる曇り空でしたが,しばらくして晴れたよい天候になりました。  午後,第51回愛知教育大学数学教育学会研究大会が,オンラインで開かれました。新型コロナ禍で,初めてのオンライン開催となり,新しい構成と内容でした。
○開会のあいさつ(会長) ○趣旨説明 ○附属学校における取り組み ○大学における取り組み・提案と議論  ・コロナ禍における大学教育の実態と反省  ・算数・数学の授業のためのソフトあるいは動画コンテンツのあり方  ・教員養成における授業動画配信の利用について  ・大学・附属学校と地域の学校を結ぶためのオンライン ○閉会のあいさつ
 これまでより参加者は少なかったようですが,“新しい提案”を考えることができ,そして活かしていくことができると感じました。  “学び”について考える時間と機会を得られました。  関係のみなさん,ありがとうございました。  師走そして今日を振り返りながら,昔この時期に聞いた言葉を思い出しました。
○ 「蔵の財」「身の財」よりも「心の財」の蓄えこそが肝心。 ○ どんな本を読んで心豊かになりましたか。 ○ 未来の可能性に馳せる希望の目線を常に持ちたい。 ○ 教師の話題に,「潤い情操希望」がありますか。 ○ 教師たる者「書くこと」を軽んじてはいませんか。 ○ 得手不得手ではなく,深く考えるために厭わないように心がけたい。
 学校の中に,“心の財”を蓄え,“潤い”を持てる時間が流れているでしょうか。  教職員のみなさんが,心豊かに過ごせる学校・環境であることが,子供達の成長に大切だと思います。  『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ********     作手の湿原   権田昭一郎 (つづき)  作手の地名の起原…作手の地名の起原も,善福寺にまつわる伝説などもあるが,本来は「津くて」つまり,水の多い広い湿原に起因したものと考えるのが,最も妥当であろうかと思われる。そこで「くて」の呼び名は前述のように,一般的には,その形や主な植物を冠詞とする場合が多い。ところで「津くて」に限って水を強調していることは,実は大いに意昧のあることである。  作手の湿原…作手の湿原を調べてみると,平野部の「くて」とは大分様子が異っている。一般的に,湿原は浅い沼沢地のまわりから,スゲやヨシなどの植物が徐々に中心部へ侵入し,それが,多湿・酸素不足・強酸性などの理由から泥炭となってできあがっているが,作手の場合は,元来中北部一帯に相当広大な湖水があり,それが短期に脱水し,露出した湖底を一時,スゲ・ヨシなどがおおって堆積し,更に樹木が生えて倒伏し,更に草木の堆積,泥炭化のくりかえしが続いたものであろうと考えられる。湿原地は生きものであるから,年々歳々少しずつ変化するが,その様子で,ミズゴケを沢山もった「高原湿原」と,水の深い「低層湿原」とに分けられるが,作手湿原は今のところ,そのどちらにも属しない「中間湿原」と呼ばれ,全国的にも比較的珍しいものである。  昭和三〇年後半から,四〇年前半にかけて,大字清岳・鴨ヶ谷・高里地域の湿原「大野原」(三〇ヘクタール)を始め,東田原のウキ(五ヘクタール)など,その主なるものが次々と水田に変ったが,幸い大字岩波の「長ノ山湿原」(一〇ヘクタール)の一部が,愛知県天然記念物として昭和四八年十一月二六日に指定され,永久保全のめどがついた。湿原は,その立地粂件が特異であるので,当然のことながらそこには特異な生物相がみられる。植物では,ツクデマアザミ・ミカワイヌノヒゲ・サギスゲ・ヤチスギラン・ミコシギクなど,また昆虫では,ヒメトカゲ・グンバイイトトンボなどは,その主なるものである。  「開発か保全か」が,全国的に問題になる現在ではあるが,このかけがえのない,わずかに残された「作手湿原」を,われわれは天恵の宝として後世に伝承したいものである。   (愛知県立新城高等学校作手分校主事) ********  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で参考;「湿原の変遷」「作手地区の湿原」】
作手の湿原1212。 ※旧作手村作成ののパンフレットより