集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

いいのかな「違和感がなくなった」で…

プリン1125。 午前中,晴れていた空が,昼頃から雲が目立ち,雨の降りだしそうな空に変わりました。  週末ごろから“いつもの天候”になってくるようです。暖かい日が続いていましたので,“寒い日”になりそうです。体が慣れるまで辛そうです。  昨日の朝日新聞声 若い世代に」に,中学生の声が載っていました。
  廃プラ削減で給食牛乳「直飲み」(東京都13)  昨年秋,私の学校では廃プラスチックを減らす目的で,給食の牛乳が側面にストローがついていない製品に変わった。1リットルの紙パックと同じ形のあけくちを開いて直飲みする。最初は,飲みにくい,下品だなどとあまり良い印象ではなかった。  毎日続けて1か月が経過したころ,ストローを使わないことに違和感がなくなった。(略) (略)いきなりだと世の中が回らなくなる。エコバックなどの代用品,直飲みのような工夫を考えて段階的に使う量を減らし,プラスチックを使わない生活に慣れていくのがいいと思う。
 お子さんの学校では,どのように牛乳を飲んでいるでしょう。  当地では牛乳瓶です。パックの牛乳もストローが用意されています。  この投稿は「廃プラ問題解決への行動」への取組み,そして今後を述べており,「しっかりしている」と言われるかもしれません。  しかし,気になったことは,「飲みにくい,下品だなどとあまり良い印象ではなかった」生徒が,「違和感がなくなった」ということです。  10年ほど前,新聞が“給食牛乳紙パック「直飲み」論争”として話題にし,「エコ優先かマナー違反か」の意見が交わされました。  その後も話題になっていたのかもしれませんが,今回の投稿で気になり,考えました。  今では,多くの飲み物がペットボトル容器に入り,それに直接口をつけています。それを“問題にする”人は少ないと思います。  けれども,給食の牛乳紙パック「直飲み」を同じには見られないのです。  学校で,子供達は「多様性を受け入れる,大切にする」ことに取り組み,学んでいます。そうした中で,下品と感じていたことが,慣れることで“違和感がなくなった”というのは“違う”と考えます。  「教育」を大切にして取り組むなら,直飲みを“下品”と捉える,“マナー違反”と受け取るなど,“廃プラ問題”とは違う視点のあることを考え,大切にさせたい。また「食育」で学んだことと齟齬はないだろうか。  廃プラ問題の解決への行動として,単にストローを無くすだけでなく,「ストローやコップを持参する」といった対応を“許容”したり,「紙パックのマナー」を考えたりすること出てきます。さらに,給食での衛生管理,現在では感染予防の視点も出てきます。  投稿への違和感は,学校教育が“多様性を受け入れていないのでは…”だったようです。  いかがでしょう。あなたは,給食の牛乳紙パック「直飲み」に違和感はありませんか。 【情報】牛乳パック1125。  今年,日本製紙が『ストローレス対応学校給食用紙パック「NP‐PAK‐mini School POP」』を開発し,発売が始まっているようです。  学校からの「需要がある」ということなのでしょう。 【関連】   ◇(声)若い世代 廃プラ削減で給食牛乳「直飲み」(2020/11/24 朝日デジタル) 【参考】   ◇給食の牛乳、ストロー使わず飲む SDGsで小5考えた(2020/02/28 朝日デジタル)   ◇ストローレス対応学校給食用紙パックの開発・発売(2020/06/23 日本製紙グループ)   ◇新開発の給食の牛乳パックはストロー不要!「ストローレス」でペットボトル50万本分“脱プラスチック”へ(2020/06/25 FNNプライムオンライン)  2010年頃の話題は,ネットに残っていないようです。一部を転載しておきます。  読売新聞Web 2010/04/08
    給食牛乳紙パック「直飲み」論争…エコ優先かマナー違反か  小学校の給食の紙パック牛乳をストローではなく、開封して直(じか)に口をつける飲み方を巡って論議が起きている。環境保護の観点から「ごみになるだけ」と児童にストローを使わせない学校があるためで、兵庫県姫路市の市立小学校は、保護者から「食事のマナーとして問題」との反発を受け、9日からの給食でストローを使うことになった。文部科学省は牛乳の飲み方について特別な方針は定めていないが、専門家には「環境教育として行き過ぎているのでは」との意見もある。  姫路市教委によると、各校では紙パック牛乳(200ミリ・リットル)とは別にストローが配られていたが、昨年度は市立小68校のうち、82・4%にあたる56校が、牛乳の納入業者にストローを注文せず、児童には直接口で飲むよう教えていた。  理由は各校で取り組む紙パックのリサイクルやごみ減量運動。数年前から教職員らが「ストローはごみになり、リサイクルに向かない」「環境に優しくない」と指導、ストローの納入を相次いでやめたという。  ところが、今年3月に一部の保護者が「がぶ飲みはマナーに反し、衛生的にも問題がある。不適切な指導だ」として市教委に改善を要望。このため、市教委は「ごみの減量は理解できるが、やはりマナーは守るべきだ」とし、今月2日の校長会でストローを使うようにと、異例の指示をした。  校長の一人は「環境保護につながると思い、これまで現場では疑問を感じなかった」と話している。  兵庫県内では、加東市もストロー不使用の小学校が多い。市教委は「ごみ分別の簡略化のために学校単位で指導しているが、食の安全への関心も高まっている。衛生面から改善を検討中だ」という。  給食時のマナーについて、文部科学省は「食に関する指導の手引」で食器やはしの使い方を例示しているが、「牛乳の飲み方に決まりはなく、各教育委員会に任せている」(学校健康教育課)のが実情だ。  現在、給食の牛乳は、東京都の半数や大阪、名古屋両市などは瓶を使っているが、近年は安全性や運びやすさから、紙パックが増加。札幌、仙台、神戸、京都、広島、福岡の各都市も紙パックにストローを使っているが、「先生の方針でストローをやめた学校もある」(神戸市教委)という。  今後もストローは使わないとするのは那覇市教委。「かつては使っていたが、ごみの分別収集が難しくなり、不使用の流れが生まれた。改める考えはない」としている。 (略)   関西発 ニュース
 読売新聞(2010/04/10 ?)
 学校給食の紙パック牛乳の飲み方を巡り、直(じか)に口をつける方法からストローを使うよう改めた兵庫県姫路市の市立小学校で9日、新年度の給食が始まった。  読売新聞が同日、ストロー使用に変えた小学校に反応を尋ねたところ、回答した学校の4割近くが「ストロー使用が最もよい」としたが、「直飲みでよかった」「どうすれば一番いいのかわからなくなった」との意見もあり、現場の意識の差が浮き彫りになった。  ストローの使用は「食事のマナーを守るように」と市教委が指示し、この日、全67小学校で徹底した。  これまで、ごみ減量を目的にストローを使わず、直飲みを指導していた学校でも指示通り、教諭が「これからはストローで飲みます。飲んだ後はきちんと捨てましょう」と呼びかけた。  読売新聞は、直飲みをしていた56校の校長や教頭にストロー使用に対する受け止め方についてアンケートを実施した。  その結果、回答のあった49校のうち18校が「ストロー使用」が飲み方として最もよいと答えた。理由に衛生面を挙げるケースが多く、ある教頭は「紙パックは学校に届くまで誰がどう触っているかわからず不安。やはり現状ではストロー使用が当然と思う」と話した。  これに対し、今も「直飲み」を支持するのは8校。「エコの観点は重要。マナーの問題はあるかもしれないが、紙パック自体をコップに見立てて飲めばいい」と話す校長もいた。  「わからない」などと明確に答えなかったのは14校。「どちらも一長一短」「何がいいのか判断できなくなった」などとし、「これまでの指導と反対になり、先生が迷っている」と当惑する声もあった。ほかに「ノーコメント」が5校あった。  環境教育については「後退する」と影響を心配する学校と、「後退しない」とする学校は、ともに16校で、意見が真っ二つに割れた。  一方、市と市教委にはメールや電話で賛否両論が寄せられ、「子どもたちが自分で判断したらいい」との意見もあったという。  市教委学校指導課は「ストローの使用は、これまでの現場の環境の取り組みを否定するものではなく、さらによい方法があれば柔軟に対応すればいい。これを機にあらゆる観点で給食を考えてほしい」としている。