集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

昔話「歯虫封じのおまじない」 (続 つくで百話)

商品券0821。 雨の気配のない暑い日が続いています。今日も気温の高い一日でした。  新型コロナウイルス感染症対策の緊急経済支援策としての「プレミアム付商品券」の販売と使用が,当市でも始まりました。  経済支援の一助となり,“地域経済が回る”ことになっていくことを期待しています。  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「昔話」の項からです。 ********     昔話「歯虫封じのおまじない」   菅沼  荻野栄  私の生家では,大正の頃から昭和の初め頃まで,虫歯で苦しむ人のために虫封じのおまじないをしておりました。村の人々を始め,東加茂郡下山村北設楽郡豊邦方面からも,時々虫歯で苦しんでいる人が訪ねて来ました。  私の家は,神仏を特別にまつっている御祈祷所ではなく,只の百姓家でございまして,その虫封じを,いつ頃から,どのようにして習得したものか判っておりません。おまじないの方法は,神前で,何か唱え言をして拝み,半紙に筆で,何かおまじないの字を書いて,恰度,薬包みのように折りだたみ,その表面に虫という字を書いて患者に渡します。患者は,この折紙を,押し戴いて家へ帰り,目通りより少し高い位置の鴨居などに,釘で打ちつけます。柱に打つことは禁じられておりました。そして歯が痛むたびに,この釘をこつこつ打ちこむという方法でした。 歯虫封じ0821。 祖父は,文弥という名前でしたので,「文弥の虫封じ」といって,世間一般に,広く知られているようでした。虫封じの方法が二つありましたので,その一つを父にゆずりましたので父もやりました。  祖父は大正十五年に死亡,父は昭和十八年に死亡しましたが,子にも孫にも,虫封じの方法を伝授しなかったので,今は誰も出来ません。今では,虫歯にかかればすぐ歯医者のとこへ行くのが常識となりましたが,四十年くらい前までは,こんな虫封じが行なわれていたかと思うと不思議でなりません。 ********  注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【おまけ】  新型コロナ禍で,大学生の就職活動や高校生の進路選択の“情報”や“体験”が大きく変わっています。  オンラインの情報と,オンラインでバーチャル体験に,新しい形や工夫がみられます。  発信する企業や学校の“センス”が,学生・生徒を立ち止まらせ,選ばせるのでしょう。  就職先,進学先を選ぶとき,何に注目し,何を比較し,何に魅力を感じているのでしょう。  先日見た企業案内には,言葉による説明は何もありませんでした。  それでいて,仕事,取り組み,環境,価値観などが伝わってきました。  いかがでしょう。  あなたの組織は,どんな発信をしていますか。発信をしますか。