集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

俗信(4) (続 つくで百話)

花0710。 時折,強い雨が降りましたが,日中は雨のない時間が長く,久しぶりに“屋外で活動できる”一日でした。

 でも,PCに向かう仕事で終日屋内…。ぐっすん

 『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「俗信」の項からです。

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    俗信

  二、食に関するもの

(つづき)

一膳飯をくうものじゃない

鍋ざらいの飯は男にくわせるな

元日の朝は柿をたべるものだ

便所に落ちた飯を拾ってくうと長者になる

きな粉をかけたご飯をこぼさずくうと長者になる

おからをこぽさずくうと長者になる

朝の初盛は神仏に供えその次に男の長老がくう

猫に小豆をくわせるとつんぼになる

猫に鯣をくわせると腰が抜ける

鴬の初音を男は左耳女は右耳できくと運がよい

生栗をくうとできものができる

年越南瓜をくうと「くさげ」ができる

茸を煮る時茄子を入れるとあたらない

よそから貰ったものを親にみせずにくうと口が曲がる

元旦にほうずきをくえば腹を病まない

朝飯の時梅干をくうとその日の災難をのがれる

箸を立てたご飯は仏様のご飯だ

七草粥をたべると夏やせをしない

鍋蓋の上で物をきるものでない

陰膳をすえると腹がへらない

青菜をゆでるとこを男にみせるな

鼠をたべると寝小便がなおる

梅の実の芯をたべると天神様に惜しまれる

暗闇で鼻へ飯をくうと長者になる

子供が鼠のくいさむをくうと歯が代らない

流し場で唄をうたうと三年流しへ奉公する

歳徳神へ供えたものは男がくうものだ

えべっ様に供えたものをよそへでる子にたべさせるとよびもどされる

彼岸の中日にまいた南瓜をたべると運がいい

供仏の飯を食う子は水難にかからぬ

海苔に年をとらせるな

梅の種は火にくべるな

空湯をにると貧乏になる

竹の皮で疱瘡の神をまつったら火にくべるな

精霊迎えの日に魚をたべると精霊様が口を吸う

自在鍵をゆすると貧乏になる

旅立ちの朝焦付飯をくうと人中で恥をかく

庚申の日に魚をくうと口がゆがむ

餅つきの日に釜が鳴るとその家へ福がくる

のし板を洗うと貧乏になる

人参をくうと助平になる

誕生餅には砂糖を入れない

男が焦つき飯をくうと出世しない

杓子で水をのむと思う事が叶わぬ

焚火の時火が火を吹けば客がくる

丑の日にとった灰は七日過ぎても火がでる

旅へでる時握飯は四つ持って出るな

汁かけ飯を食うと怪我をする

盛り飯へ穴をあけたり吹いてたべるのは乞食

(つづく)

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